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宵越しのオカズは持たない

マリの家庭では、基本、その日に食べる分だけを調理する。
朝マルシェに行って、その日に使う分だけの食材を買ってくる。
塩胡椒、コンソメキューブ、トマトペーストなど、調味料に至るまでほぼ毎日、使う分だけを買う。

調味料屋のクンバ
トマトペーストは一回分づつポリ袋に小分けされている

気候のせいもあるだろうし、経済的な理由もあるだろうが、「作り置き」という概念はない。毎回作って、食べて、終わり。

私は本当はそれがやりたい。

我が子が作り置きを食べないこともあって、私も原則作り置きはしない。
作り置きをしたらしたで、それを管理しなければならなくなるのも面倒。

食材・食品のストックも持ちたくない。管理が面倒だから。
上手に管理しなければロスが出てしまうのが、なんとも心苦しいのだ。

しかし、毎日は買い物に行けないから、行けるときについまとめてあれこれ買ってしまう。
それをうまく活用できなくて、結局無駄にすることもよくある。罪悪感。

せめて週単位でもいいから、きちんと献立を考えて計画的に買い物できる才があれば…と思う。
いずれにせよ、我が子が「そのとき食べたいと思うものを食べたい」という性質(まあ私もそうだ)なので、前もって献立を考えてもきっとその通りにはできないだろうけれど。

日本はフードロスの多い国だが、世界的には食糧危機に陥っている国も多い。
私の家の食料の無駄が、その危機と直接繋がっているわけではないかもしれないが、間接的には繋がっている。

そんな大きな話じゃなくても、うちの台所から無駄は出したくない、と思う。

毎日買い物に行って、ごはんを作って食べる。
日本でも、私が小さな頃には皆、そんな生活をしていた覚えがある。
母の買い物についていき、八百屋、肉屋、魚屋、豆腐屋…と店を巡るのが楽しかった。どの店も欲しい分だけ売ってくれたものだ。

便利になればなるほど、人々の生活は忙しくなった。
もちろん、それで良くなった面もたくさんある。だからこその発展だったのでもあろう。私がアフリカに行くことができたのも、そのおかげかもしれない。でもその発展の過程で失ったものも多い。

昔ながらの生活に戻れるかというと、難しい部分も多いとは思う。でも私はなんだか現代に疲れてしまって、できる限り生活をスローダウンさせたくて仕方がない。

せめて、家の冷蔵庫を空っぽに近い状態にしておきたい、と思う。

ミネコ


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