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様々な業務課題をプロトタイプ開発で解決するための具体化案を考えてみた。

こんにちは。のぐちです。

前回の記事 で、非線形アイデア発想法を用いていろいろな業務のシステム化企画を実施しましたが、今回は、もっと身近な困りごとをプロトタイプ開発を用いて、解決するための課題創出と手段の具体化のトレーニングをしてみました。

5W1Hで課題を整理して、改善案、実装案を検討する。

今回は、5W(What/Who/When/Where/Why)で業務課題を整理し、改善案と実装案(How)をそれぞれ検討してみることとします。
社内SEとして日頃から受けている様々な相談のうち、プロトタイプでの課題解決が見込めそうなものをピックアップし、各スタッフに詳細を再ヒアリングしてそれぞれ5W1Hの形式でまとめてみました。
尚、各実装は検討段階ですので、選定手段による実現性までは確認してません。

5W1Hまとめ。

1.店舗巡回×LINE Messaging API + AI画像解析 = 顧客満足度UP!

  • 業務課題
    連休明けの月曜~水曜、店スタッフが店内のプレイゾーンの巡回を行う際に、スタッフの人数、質ともに不足している為、お困りのお客様へのフォローが行き届かず、お店のファンになっていただけません。

  • 改善案
    お客様の動きや感情を人の代わりに監視して、不安要素を通知してくれるような仕組みがあると良い。
    これにより、店スタッフは少ない人数で店舗運営している時でもお客様のお困りごとに対応できるようなる。

  • 実装案
    ・特定のプライズ機の前に長時間いるお客様をWebカメラで定期的に撮影。
    ・撮影したデータをAI画像解析で同一人物か判定し、Power Automate Desktop に渡す。
    ・Power Automate Desktop にて判定結果をもとに変数をインクリメント。
    ・一定数値を超えた場合は、LineMessaging API を介して、店舗スマホのLINEにメッセージ通知する。
    ・この時、店舗スタッフが応答を返した場合は変数をリセットする。

2.マイナンバー × OCR + RPA = 作業効率化!

  • 業務課題
    4月と10月の新入社員が多く入社する時期、人事部のパートスタッフが新入社員のマイナンバーをシステムへ登録する際に、1IDあたりの登録に時間が掛かってしまうため、全体的な作業工数が増加しています。

  • 改善案
    マイナンバーの入力が目視+手作業なので、この部分をシステム化できるとと削減効果が高い。
    4月と10月の新入社員対応時は人事部の残業が最も高くなる時期なので、残業削減の効果も見込むことができる。

  • 実装案
    ・Power Automate Desktop からOCRツールを呼びだして、マイナンバー申告書をスキャンしてデータ化。
    ・Power Automate Desktopからマイナンバー登録システムへアクセスし、取得したデータをもとに自動登録する。

3.待ち行列 × RPA + AI画像解析 = 待ち行列解消!

  • 業務課題
    連休の日中帯、お客様が時間制遊戯施設の待ち状態を正確に把握することができず、待ち行列が発生しています。これによって、入場を諦めてしまうお客様も多く、機会損失が発生してしまっています。

  • 改善案
    現状、混雑状況を確認できるWebサイトが存在するが、施設内に入場済みのお客様しかカウントできていない。
    待ち行列の量を解析し、混雑状況確認システムに連携することにより、お客様がより実態に近い待ち人数を把握できるようになる。

  • 実装案
    ・カウンターにカメラを設置し、定期的に撮影データをGoogle Cloudに保存。
    ・Power Automate Desktop を利用して定期的に Google Cloud上のデータを読み込み、画像データを取得、画像解析AIに連携。
    ・渡された画像から行列の人数を算出し、混雑状態確認システムへのインプットとなっている設定ファイルに待ち人数を加算する。

4.事故 × Node-Red + LINE Messaging API = 初動高速化!

  • 業務課題
    セキュリティ担当者が電車移動中などでリアルタイムにメールチェックができないときに、セキュリティインシデントが発生すると、インシデントメールを即座に確認することができずに、セキュリティ事故対応の初動が遅れることがあります。

  • 改善案
    インシデントをメールチェック以外の手段を開発する。

  • 実装案
    ・Gmail APIを利用してメールの受信をトリガーに、Node-Redのフローを起動。
    ・取得したメールのタイトルをPayloadに保存。
    ・LINE Messaging API(LINE Notifyでも十分かも)で、取得したメールタイトルを通知する。

5.口コミ × RPA = 応答高速化!

  • 業務課題
    営業担当の業務として店舗のGoogle レビューに対して、回答を入力するという業務があるが、リアルタイムでのレビュー新着を検出することが難しく、週に1回の作業になっているため、レビューの内容に関わらず回答の入力が最大7日のラグが発生してしまう。

  • 改善案
    Google レビュー の新着が付いた際に、ポジティブな内容なのか、ネガティブな内容なのかを判断し、ネガティブな内容の場合は、担当者に通知が行くような機能を開発する。

  • 実装案
    ・My Business API を利用して 新着レビューをトリガーに、Node-Redのフローを起動。
    ・レビューの内容と星の数をデータとして取得。
    ・条件分岐にて星の数が2以下の場合に、LINE Messaging API(LINE Notifyでも十分かも)で、レビューの内容を担当者に通知する。

6.景品補充 × AI画像解析+RPA+Line Messaging API = 景品状態可視化

  • 業務課題
    弊社に導入している多くのプライズ機リアルタイムで景品の獲得状態を通知する機能が無いため、特に土日等のお客様が多い時間帯は、店舗スタッフによる景品補充の遅れが多く発生し、機会損失が発生します。

  • 改善案
    スタッフによる目視以外の手段で、景品の状態をチェックし、スタッフに通知する様な機能を開発する。

  • 実装案
    ・プライズ機の景品ブースを定期的にWebカメラで撮影し、画像をGoogle Cloud に保存する。
    ・Power Automate Desktopで定期的にGoogle Cloud上の画像を取得し画像解析AIで景品の有無を解析する。
    ・LINE MessegingAPI(これもLINE Notifyで良いかも)を利用し、景品が無い場合は、店スタッフのLINEに通知を送る。

相手が伝えたいことは、大体情報足りてない。

今回、再ヒアリングして感じたこととして、5W1Hを意識して話を聞いてみると、寄せられた相談のほとんどは、何らかの情報が不足していることが分かりました。
大抵、「~で困っている(What)」か「こうしてほしい(How)のみですね。
1つの課題に対して背景が具体化できると、課題に対する切りこみ方、解決手段の幅も広がります。
これから、相談を受けるときは、一拍おいて5W1Hを意識してヒアリングすることを、意識していきたいと思いました。


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