個人的な4月のプレイリスト

 今までも別媒体で個人的に色んなことについて書いていたし、ありがたいことに講座なんかにも参加させてもらっていた。色々と事情があるため、ここではれいという名前を使って書いていこうかなと。4月になり何か新しいことを始めようと思い、媒体も新たに色々書いていこうかなと思う。
 ということで今回は、4月にリリースされた曲の中から個人的なおすすめ10曲を選曲し、それについての選んだ理由等々をまとめていこうと思う。選曲した10曲とプレイリストはこちらから。

https://music.apple.com/jp/playlist/4%E6%9C%88%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88/pl.u-e98lGLqFa1vW08L

1.Forever Young / スチャダラパーからのライムスター
 ヒップホップ界の王御所2組のコラボ曲が悪いわけない。2組が笑い合いながら制作したのかなと想像できるほど、作り手の楽しそうなのが伝わる。真剣にふざけた遊び心と今後への期待感を持たせるリリックは病みつきになる。<からの〜?>という部分は聴いていても言いたくなり、ライブではフロアが一体になって声を出す姿が目に浮かぶ。また、ANIの<裏起毛のスペシャル加工 曙武蔵丸ケンチャナヨ>から宇多丸へと繋ぎ、<……なんてテキトーな歌詞でもプロップス 集め撃退した退屈なポップス>と返すこのライムもなかなかにふざけたもの。これも実に気持ちいいし、自然と笑みがこぼれる。ふざけるだけでなく、この2組が歌う<まだイケる まだまだイケる>という言葉の持つ、これからへの期待感はさすが。ヒップホップの面白さを再確認できる1曲がこの曲だ。


2. Mars / LUCKY TAPES
 一聴すると、オシャレなそのメロディーに身体が自然に動いてしまう。じんわりと身体に染みてくるような感覚になる。奏でられたメロディーとVo.高橋の優しい歌声は、聴く人を優しく抱き寄せてくれる。なんて気持ちのいい曲なんだ、と聴いた人を思わせる力が彼らの音楽にはあり、この曲にもそれが詰まっている。家にいる時間が長い中で、代り映えしない生活に華を添えてくれる。
<どうしようもないくらいに思い悩んだり こんな筈じゃなかったのにな>
これまで当たり前にできていたことができない状況になり、こんなに響くとは。あの頃は大変だったね、とみんなで笑いあえる時にこの歌詞はまた違って聴こえてくるはずだ。野外フェスの日が沈んできた時間帯にこの曲を聴きながら、お酒を飲めるような日常が戻ってきて欲しいなと願ってしまう。


3.紺に花 / 赤い公園
 アルバム2曲目のこの曲は、赤い公園らしいポップさが特に詰まった曲に感じた。イントロからポップさ全開で始まり、Vo.石野の歌声もそれを強固なものにしている。正直個人的には石野の歌声が、脱退した佐藤千明の存在感に負けてしまい、物足りなく感じていた。しかし、去年くらいのライブから徐々にバンドのボーカリストらしくなってきていた。今回のこの曲は、石野の歌声にある透き通るような透明感と曲のポップさ、そして3人の演奏力の高さが掛け算となり、爽やかに響いてくる。特にGt.津野の存在感もクセになる。赤い公園らしさと石野理子というボーカリストの相性のよさを感じられ、赤い公園の新しい形がはっきりと見える。この曲のみならず、アルバム全体での満足度も高かっただけに、ぜひアルバム通しても聴いて欲しい。


4. ハイライト / SUPER BEAVER
<おかげで今がある だから今日も生きている そう言いたくなるようなハイライトを>
この歌詞だけでメジャー再契約という決断をした彼らが、これからも地続きで進んでくれるんだろうな、と思わせてくれた。メジャーからインディーズを経ての再契約だが、SUPER BEAVERというバンドのスタイルは変えずに、これまでの物も背負って戦ってやる、という決意の曲に感じる。この曲でメジャーでのリスタートをきるのは、1人のファンとしても頼もしいし、これからもついて行きたくなる。言わないと伝わらないし、伝えることを選んできた、SUPER BEAVERらしい1曲としてばっちりきまっている。タイトルや歌詞の内容でも、これまでを振り返っているような描写も見られ、記念すべき年の記念すべき年タイミングで出すに相応しい1曲になっている。


5. 愛はヘッドフォンから / 藤川千愛
 前作が出たタイミングで初めてこの人の声を聴いた時に、すごく好きになった。そのくらい魅力のある声だ。元まねきケチャというアイドルだった藤川千愛をより好きになれるアルバムになっている。挑戦の1枚、という印象を受けた今回のアルバムと同名のこの曲。聴いた時に、曲の力によって自分が救われたような、あの感覚を歌ってくれているように感じた。ヘッドフォンから流れてくる音楽の世界観に自分を重ね合わせて、励まされたり肯定して貰えたような気持ちになるあの感覚が、曲となって出てきたよう。今までありそうでなかったな、と思えるこの曲は新たな発見をくれた。アルバム通してもすごくいいので、通して聴いて欲しい。個人的には『私にもそんな兄貴が』もすごくいい曲で、共感できて画が浮かぶ。こちらもぜひ!


6. ippo / くるり
 イントロから自然の中にいるような鳥のさえずりが聴こえ、曲調も相まって優しい感情になりながらゆったりとしたくるりらしい1曲。そんな印象を持った曲だが、セルフライナーノーツを読むまでは、3.11の震災がこの曲の背景にあるとは想像もできなかった。それくらい日常の画が浮かんだからだ。曲の背景と2020年4月という時期のコロナという見えない敵に翻弄される今を重ねて聴いてしまう。
<そりゃ一度や二度なら死にません It's Alright It's Alright 何度でも>
背景こそ違えど、昨今のコロナによる逆境のような状況でも一歩ずつ立ち向かっていくしかない、という風に前を向かせてくれる歌詞。優しい曲調の中で、Vo.岸田から届けられる言葉たちは強い意志を感じる。この曲をこのタイミングでアルバムで発表したのは、この曲にとって来るべき時が来たからなのかもしれない。


7. 現役プレーヤー / 東京事変
 イントロのベースだけで鳥肌が立ち、すぐに好きと分かるくらい、瞬殺でやられた。プロデューサーとしても多くの曲を生み出したBa.亀田誠治らしい、キャッチ―なメロディーを、東京事変の曲として聴けることの嬉しさがこみあげてくる。楽器それぞれが確かな存在感を放っており、全体通して心地いい。アウトロは。長年の活動休止を経て見せてくれた東京事変は、まだまだ脂がのっていることが分かる。みんなで拳を突き上げて歌うのかな、というライブでの光景も目に浮かぶ。5人それぞれが歩んできた別々の道で歩み、再び道が交わるとこんなにいいのだなと実感できる。他の4曲ももちろんいい曲だし、どれをとっても文句なし。あの頃の方がよかったよね、とは言わせないくらいの強さをアルバムに詰め込んでいる。ぜひともアルバム全体でも楽しんで欲しい。


8. Shout Baby / 緑黄色社会
 この曲自体は2月にEPとしてリリースされている。しかし、4月にリリースされたアルバム(CD盤のリリースはコロナにより延期)収録曲、ということで選曲した。単純に曲として好きのもあるが、今回選んだ一番の理由はTHE FIRST TAKEというYouTubeチャンネルでの同曲が、めちゃくちゃよかったからだ。バンドでのアレンジでも好きだったが、Vo.長屋が1サビまでを1人で歌いあげる約2分間は圧巻。閃光ライオットで初めて聴いた時から引き込まれる歌声だったが、格段に進化し、びっくりするくらいうまさが分かる。力強く伸びていく声は聴いていて気持ちいい。リリースされている音源とは違い、ライブ感のある雰囲気もあるためより歌声に焦点がいくため、長屋の魅力が前面にでている。この曲がライブでのバンドアレンジでどう映えるのかが本当に楽しみだ。


9. 青すぎる空 /the peggies
 タイトルの通り、青すぎるくらいに雲一つない晴れ渡った空が容易に想像できた。Vo.北澤の歌声はその空に向かって抜けていくような開放感がある。映画のタイアップのために作られた曲ということもあり、歌詞の内容もそれを踏まえたものになっている。その影響もあってか、夏の高校野球のテーマソングのような感じもある。曲を聴きながら青春時代を思い返してしまうため、青春時代特有のまぶしさと切なさが曲からにじみ出ている。今現在その青春の中にいる人は日々を思い浮かべ、青春に幕を閉じた人はあの頃を懐かしみながら聴ける。もちろんそれだけだなく、劣勢に立たされた時や何かを変えるための一歩として、この曲が寄り添ってくれる画が浮かぶ。辛い現状の中でも逆転するための勇気をこの曲はくれる、そんな気がしてならない。


10. ライブハウスで会おうぜ / ハンブレッターズ
 もうタイトルが全てだ。この曲をライブハウスで聴けた日には、泣いてしまいそうな気がする。普段は全く知らない人でも同じアーティストが好き、という1つの共通点でライブハウスという場所では仲間になれる。ライブハウスを愛する者の代表として、声にしてくれたハンブレッターズの強い想いを感じた。そして、僕らに希望をくれた。
<僕たちの音楽よ このまま鳴りやまないで>
最後のフレーズはライブハウスを愛する人全ての想いだ。僕らにとって大切な場所は、人によっては必要のない場所かもしれない。それでも僕らにはあの場所が必要だし、あの場所に行ける日常が戻ってくることを強く願っている。音楽ファンとして、春が来ることを信じて、できる支援はしていきたい。ライブハウスでまた絶対に会うその日まで、共に戦っていきたい。


こういう状況下だからこそ、音楽のある生活がどれだけ幸せだったのかを実感する。自分が行く予定だったライブは3月から5月まで全て中止や延期になった。新しい音源を聴けることは唯一の救いになるし、これをライブで聴ける日がいつか来ると信じたい。僕らにとって大切な場所、イベントが当たり前のように行ける日が来ることを信じて。



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