個人的な5月のプレイリスト

緊急事態宣言が続き、ライブや春フェスは軒並み中止。夏フェスの中止までアナウンスされた2020年の5月。そんな5月に聴いていた曲の中で、個人的なプレイリストを作り、1曲ずつレビューしていく。

(公開していたつもりだったが、まさかの下書きにあったので今更ながら公開)

1. オトナブルー/新しい学校のリーダーズ

どこか懐かしさもありながら、新しさと共存しているのがこの曲の最大の魅力。聴いていくうちに癖になる不思議な感覚にさせてくれる。新しい学校のリーダーズは5月に3作をリリースしたが、個人的にはこの曲を推す。歌声の強さとサビの独特な雰囲気が映えるメロディーが、聴く度に虜になっていく。新しい学校のリーダーズを知らなかった人でも、曲と彼女達の持つ独特な雰囲気に一気に心を掴まれるきっかけに違いない。

2.Go Through,Grow Through/Ryu Matsuyama

この曲が収録されたアルバムは4月末にリリースされたものだが、前回の4月プレイリスト作成には間に合わなかったため、今回5月のプレイリストに入れることにした。Ryu Matsuyamaの最新アルバムについては、個別でレビューも書いたので、そちらを読んでいただければと思う。この曲はライブに行けるようになった時に、皆で歌える画が浮かんでくる。豊かなサウンドと伸びていくRyu Matsuyamaの声の虜になれる力がこの曲にはある。

3.強く優しく +TENDRE/堀込泰行

元KIRINJIのボーカルで現在はソロとして活躍している堀込。今回ピックアップする"強く優しく”も収録されたGOOD VIBRATIONS 2は5組のアーティストとコラボをし、様々な角度から歌声に酔いしれることができる。ギターの浮遊感と堀米の歌声がマッチし、空気の透き通った時間帯に聴きたくなるような雰囲気がアルバム全体に漂っている。この曲をきっかけに堀込泰行の世界に酔いしれて欲しい。

4.11月24日/yonige

アジカンの後藤プロデュースのこの曲をはじめ、今回のアルバムは日常の風景が曲の根幹にあるように感じる。これまでの彼女たちは、恋模様やそれを取り巻く風景を歌った曲が多かったように思う。今作は普段の何気ない日常の一コマを歌ったような世界観の中で作品が完結している。そして、今回ピックアップしたこの曲がアルバムのオープニングを飾り、これまでのyonigeとの違いがダイレクトに伝わってくる。

5.新世界/RADWIMPS

Mステ出演を受けて作られたという同曲。初めて聴いた時から、RADらしい曲調と歌詞だなと素直に思えた。映画主題歌や再生回数の多いMVのように、誰もが1度は聴いたことのあるRADの感じではないが、"新世界”に閉じ込められた世界観はこれまで何度もアルバムに出てきた、変態性もあるそれに思える。”おしゃかしゃま"や”実況中継"でも歌ってきた人間の在り方についてを今回のタイミングでも考えさせられたからこその歌詞なのだと感じる。今このタイミングだからこそ、自分たちの現実と重ねて聴くことができ、考えさせられる時間を届けている。

6.Flow/Maica_n

小気味よいギターの音と優しく、クールな歌声が耳に残る。ラジオ局でのパワープッシュもあってか、耳にする機会が特に目立った印象がある。近年多くなっているオシャレさも兼ね備えた19歳の彼女が歌う曲からは、これからどうなっていくのかという期待感をどうしたってもってしまう。それくらい今後にも注目なアーティストだ。

7.手と手/GOOD ON THE REEL

アルバムの1曲目でもあるこの曲が今回のアルバムを象徴する1曲として成立している。人の繋がりの大切さを自粛期間に身をもって感じたからこそ、共感できる言葉達がそこにはある。『慰め合って 労りあって 分け隔てなく思いやって』という歌詞の持つ力、人の繋がりを花を通して表現した姿は当たり前のことを再確認させてくれる。人の大切さをこの曲が気づかせてくれる。

8.帰ろう/藤井風

強さと儚さを兼ね備えた歌声をピアノの音が引き立て、曲の世界に引き込まれる力がある。アルバム通して1曲1曲の核となる部分が、じんわりと染みてくる。”帰ろう"では、田舎の自然に囲まれた風景を思い出して聴いてしまった。どこか懐かしい感情に包まれながらも、歌詞では出会いと別れと向き合い生きていく様が描かれているように感じる。誰もがそれぞれの立場で共感できるのでは、と思うこの曲がアルバムのラストというのも本当にグッとくる。

9.ハルジオン/YOASOBI

この5月に最も火がついたのは、間違いなくYOASOBIだろう。様々なメディア媒体にも取り上げられるきっかけになったとも言えるのが、ハルジオンだ。キャッチーな曲だっただけに、家にいる時間の多かったこの期間にサブスクやYouTubeで聞かれやすかったように思う。歌詞の言葉選び、曲の取っ付きやすさが初めて聴く人にとっては、特に新鮮に感じたように思う。バンドっぽさとポップスっぽさが共存したYOASOBIの楽曲の象徴といえる曲になったといえそうだ。

10.SPRING BREAKS 2020/Have a Nice Day!

コロナが感染したことで社会に与えた影響は計り知れない。ただ、だからこそ生まれた曲たちがあるのも事実だ。この曲はその中でも、特にこれからの私たちへの曲に思う。『』このような歌詞にもあるように、これから人類が向き合っていくもの、そしてどう生き抜いていくのかということを曲から考えるきっかけをくれる。今だから、歌えた曲。今だから、より響いてくる歌詞。音楽というものは、日常のすぐ側にあるのだと改めて気づかせてくれる。


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