見出し画像

フェライトやメタマテリアルの可能性を信じて、RF業界の最先端を走り続けたい【RFエンジニア:Andrey Porokhnyuk】

日本の産業にイノベーションをもたらす特別な専門スキルを持つ人だけが取得できるという「高度専門職ビザ」。少子高齢化が進む日本社会を共に支えている約182万人の外国人労働者のうち、わずか0.9%(2022年6月現在17000人)しかいない希少な人財です。エイターリンクが誇るRFエンジニア、アンドレイ・ポロフニュクさんもその1人(※現在は永住権を取得済)。「これまで培ってきた専門性を100%発揮できる企業にようやくめぐり逢えた」と語るアンドレイさんに、エイターリンクで任されているミッションや働きがいについて伺いました。(note編集部)


あらゆる電磁波の課題に対応できる豊富な知見

高周波アンテナの幅広い研究経験と、フェライト(※1)やメタマテリアル(※2)の領域における最先端の知見を持つアンドレイさん。エイターリンクでは、アンテナのEMCテスト(※3)やパフォーマンス測定、電磁波に関わるさまざまな問題解決に携わっています。

「アンテナの放射効率や放射パターン、回路環境の影響など様々な観点から検証を行っています。ビルマネジメントに領域のお客様企業と応用を検討するフェーズとなります」(アンドレイさん)

有線によるインフラが確立している工場をAirPlug™️で完全ワイヤレス化するには、お客様企業の生産性が決して損なわれないよう、計画的な導入が求められます。

「ファーストプロダクトをたたき台として、移動パーツのサイズ・形状・素材などに応じた最適なアンテナを設計します。AirPlug™️のパフォーマンスや信頼性の高さを実感して頂けるよう、お客様企業の現場でデモンストレーションも行います」と、アンドレイさんは説明します。

さまざまな電子機器が無数に存在する工場内で、不要な電波干渉を受けることなく安定的なワイヤレス給電を実現するには、アンドレイさんのように、あらゆるシチュエーションに応用できる電波伝播の基礎理論をしっかりと身につけたエンジニアの存在が不可欠です。

「エイターリンクには、世界屈指の知識と経験を持つエキスパートが集結しています。このメンバーと一緒なら、多種多様な産業分野にAirPlug™️を応用していける。そう確信して入社しました」(アンドレイさん)

これまでFA領域では「電池」の性能向上に注力する企業が多く、ワイヤレス給電の技術的な進展はほとんどなかったのだそう。しかしここ約10年の間に、超低消費電力でデータを送信できるMCUが急速に普及しました。「エイターリンクは、ベストタイミングでワイヤレス給電技術を社会実装できる可能性を切り拓いた世界初の会社なのです」と、アンドレイさんは言います。

IoT社会のカギは、電波伝播を制御する技術

エイターリンクがアンドレイさんを必要とした理由も、電磁波、とくに小さなアンテナやデバイスに使う特殊なマイクロ波の制御に関する高い技術があったからです。アンドレイさんは大学時代、フェライトでマイクロ波を物理的に処理する方法を研究してきました。

「フェライトの最大の特長は、非相反(※4)の電波伝播を実現できることです。また、フェライトではスピン波という磁化の波が伝搬しています。その波長は短く、電波ノイズの干渉を受けにくいので、極薄フェライトフィルムに基づいた高周波信号をデバイスで使用できます」(アンドレイさん)

しかし、フェライトは高価でマスマーケットに不向きなため、アンドレイさんのようなフェライトの技術者は次第に少なくなってしまったようです。

5G・6Gを活用してIoT社会を実現するには、『電磁波位相と非相反伝播』を制御する技術が必要ですが、フェライトで得られる現象を半導体で実現するのは極めて困難です。2000年代に入ってからメタマテリアルの研究も盛んになってきて、波動操作の観点では、スピン波技術と共通点があることが分かりました。そこで私は、2010年に来日して以来、フェライトとメタマテリアルの技術融合について研究してきました。これらの技術を融合できれば、多チャネルの位相を制御できる小型の高周波分周器や、固定周波数でビームや偏波操作が可能な小型アンテナなど、素晴らしいデバイスを実現できるからです。これからもフェライトやメタマテリアルの技術を磨き続けて、その中で培った知識と経験をIoT社会のプラットフォーマーとして期待されているエイターリンクで活かしていきたいと願っています」(アンドレイさん)

そう。エイターリンクのミッションはプロダクトだけではなくプラットフォームを提供すること。単に工場をワイヤレス化していくだけではなく、AirPlug™️を使って収集した多種多様なデータを分析・活用できる生産システムのインターフェースの開発も着々と進めています。

「あらゆる機器や生産設備からワイヤレスかつリアルタイムにデータを収集できるようになれば、工場やビルを最適化して、人やモノの生産性を飛躍的に向上させることができます。そのためには【小さいアンテナ】【小さいデバイス】、そして、デバイスがどんなに複雑な動きをしていても【あらゆる方向から電力を供給できる制御技術】が必要です」と、アンドレイさん。
これまで世界中のあらゆる企業が断念してきた「あらゆる方向からの中長距離ワイヤレス給電」を実現するカギは、アンドレイさんを含むエイターリンクのRFエンジニアたちの手中にあるのです。

外国籍エンジニアが専門性を存分に発揮できるエイターリンク

マイクロ波の最先端技術を一途に探求し、国際的なIEEE機関の International Microwave Symposium (IMS)学会でも意義のある研究成果を披露してきたアンドレイさんですが、2013年に学位を取得してからの就職活動は想像以上に難航したそうです。雇用契約が非正規であったり、専門領域とかけ離れた部署に配属されるなど、紆余曲折の9年間を過ごしてきました。

言語や文化の壁がなく純粋に『技術力』で採用しているエイターリンクは、高度専門人材として来日した外国籍エンジニアにとって極めてエキサイティングな会社です。向上心の高いエンジニアであれば、CTOの田邉さんをはじめ、ヘンリーさん・黒田さん・熊谷さんらRFアンテナのプロフェッショナルたちと共に働ける幸運を必ず実感できると思います。今後さらに新しいメンバーを迎えることになりますが、実力あるエンジニアが世界中から集まるようなコミュニティにしていきたいです」と、アンドレイさんは話しています。



エイターリンクでは、一緒に働く方を募集しています!少しでもご興味をお持ちいただいた方は、ぜひ以下ページも覗いてみてください。

エイターリンク公式HP:https://aeterlink.com/

エイターリンク公式採用ページ




※1 磁界と強い結合を表すセラミックスと結晶素材。
※2 人工屈折を実現できる回路の構造を意味する。例えば、誘電率と透磁率が同時に負になる「負の屈折率」が有名である。そのような構造により、電磁波の流れを任意に変更できる。応用例として先端ビーム操作アンテナ技術が挙げられる。
※他の機器の動作を妨げる不要な電磁波を出さないかどうか(エミッション)や、他の電磁妨害からの免疫能力を有するかどうか(イミュニティ)を評価するテスト。
※4 光・電磁波伝搬特性が伝播方向(前向きか後ろ向きか)によって異なる現象。

#高度専門人材 #外国籍エンジニア #グローバル採用 #転職

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!