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青ブラ文学部 夏と坊主

剃るべきか、剃らざるべきか。それが問題だ

目の前には、いつものキテレツ
俺の先祖代々に祟る壊れたガラスの鼻眼鏡、ぶりぶりスカート、頭は禿げている
ぶりぶりのヨレヨレ。気持ち悪い妖精だ

「羊汰、どないする。」
「どないするも、ないよー」僕は泣く
明日はお祭りだ。しかも、その主役。
主役はお坊さん役だ。僕は、すこし、剃っただけの頭をみる。バリカンとハサミと、お父さんから借りた髭剃り
「羊汰、観念せぇ!」
「いやだ、いやだー」僕はまだ5歳だ。5歳でマルコメって、味噌汁のCMじゃないんだから
「そうだぞ、お母さんに会えるよ」と、お父さんは僕の弱い所を着く。そうだ、お母さんも楽しみにしてるんだ。離婚したお母さんに久しぶりに会える
ざすっ!僕は覚悟を決めて
剃り落としたー!
そう、坊主はまだ、いいんだけど。平安時代のお坊さん役だからまろ眉なの。僕、それを聞いてなくて。坊主頭は野球をやるから、仕方ないとして。僕は将来の高校球児だ。眉毛を剃り落とすのにとても覚悟が行った。眉毛を剃り落とすと、お父さんにバリカンで頭を刈ってもらう。なんてったって、明日は主役だ。袈裟を着て、坊さんの役をやる。この街の名物行事のお祭り。お坊さん役をやった子は将来、出世するとか。出家するとか、言われてる
「よし。出来たぞ」眉毛の落とした、マルコメの完成。はー。ほんとは、、ファンデで眉は隠して、、頭はハゲのカツラでもいいのにな。
剃らなくてもいいのに!
剃るべきか、剃らざるべきか。大問題だよ!

次の日、お坊さん役の僕を見て、お母さんは、笑顔で手を振ってくれ。おもちゃとお菓子をたくさんくれた


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