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『Why don't you eat MONACA?Vol.2』を聴きました


先日、サークル『MOタク』様のコンピレーションアルバム『Why don't you eat MONACA?Vol.2』を購入しました。

こちらは、2020年3月のM3にて頒布されたものです。​
現在はBOOTHにて通販をされています。

知り合いが何名か参加されており、クロスフェードから「もっと聴きたい!」と、魅力を感じておりました。
M3当時から、いつか買いたいな、とひっそり思ってはいたのですが、同人音楽ものを購入した経験がなく、ずっと躊躇っていました……

それから時を経て、いろんな方、いろんな音に出会ううちに、「今なら、この音たちとも出会いたい」と思い、DL購入を決めました。

そして、今までは、新しい音に出会うたび、感じた衝撃をそのままにして、暫く浸る、という聴き方をしていたんですが
自分がどんな音の感じ方を持っていて、自分がどこまで思ったことを言葉にできるのか、形にしてみたいと思いました。

自分の言葉にする練習としても、自分の感じ方を自分で知るためにも。
そして、想いを伝える大切な手段としても。
こうして拙いながらも筆をとらせていただきました。
ひとつひとつの楽曲を拝聴した感想を書かせていただきます。

※普段はインターネットカラオケマンをしている、少し歌が好きなだけの音楽素人です。
※普段フィーリングで音楽を聞いているので、感覚的な表現が多いです。
※音楽知識が乏しいので、音に関する的確な表現ができていません。(コード、楽器、ジャンル等)
※聴いた衝撃をそのまま勢いで文字にした部分もあるため、読みにくい箇所もあるかもしれません。
※作者の方の制作意図とは異なる感想を述べている可能性があります。あくまで「ひとりの聴者が感じたもの」として捉えていただけますと幸いです。

よろしくお願いいたします。


Tr1 おはようモーニン!コンサート!

作曲・編曲: あすみん
All programming: あすみん

クロスフェードで一目惚れした曲。この全貌が聴きたくて購入したまである。
きっと特別な1日が待っているんだろうな、特別な日に、していくんだろうな。そんなわくわくが音の各所から伝わってきます。
最初のパートで勢いよく家のドアを開け放って、気持ち良く晴れた朝の大通りを、上を向いて、澄んだ空や賑やかな人や街を眺めながら、どこに行こうかなって1日の計画をおさらいしながら、リズムよく歩みを進めて、だんだんスキップに変わって……サビ前できららジャンプが見える……
季節はいつでも良いけど、緑が豊かな5月かな……
細かくコロコロ跳ねる鍵盤の音がね〜〜本当に気持ちいい……
朝、自分の気持ちを上げるために是非聴きたい曲になりました。


Tr2 ロス・アラモスに花束を!!

作詞・作曲・編曲: Nassan
Vocal: 妃苺

クロスフェードで一目惚れした曲。(これも?)
まず、ボーカルが……妃苺さん、上手……
どの音域も変わらず可愛く伸びやかに歌ってて……
アップテンポな電波ソングにバッチリ合う声質ですごいなあ。私には持ってないものなので、単純に羨ましいです。
曲調やボーカルの声質も相まって、基本的に明るいキュートな印象を受けるんですが、歌詞を聞くとめちゃくちゃ強いですね…………
退屈な現実を飛び出そう!ってハードなメッセージを、賑やかなサウンドと甘い歌声で包んだ感じ。いやこのバランス…………!
クロスフェードでは、きらきらした開放感を感じて、終始そんな勢いなのかなと思いきや、いや、すっごい……!買ってよかった。

なんで私はこれにこんなにすごく惹かれるのかな、って思ったんですけど、きっとサビで効果的に入れてくるチャイムの音ですね。好き。
その後もチャイムが鳴り響く先に、「倒錯なLOVEの真実に〜」のパートで、退廃的な印象を感じて、
勝手で騒がしい退屈な世界の中、その渦にのまれることなく、自分の指標でふわふわ自然に日常を生きているような、そんな印象を感じました。(何を言ってるんだ?)
その印象が2サビの「ガレキの向こう 見える世界」に繋がってなるほどな〜〜!と勝手に納得してました。

「逃げよ!」から続くアウトロ、初めて聴いた時は「えっ………なんだこれ!?!?!?」って目が点になりました。
飛び出した先の旅の中で目まぐるしく景色が変わって、遠く、いろんなところに飛び回ってるんだな〜!って感じました。いや終わり方も……終わり方〜〜〜!?!?
いろんな要素を繋げて繋げて、それでも統一感はあって、本当にすごい。

個人的な話ですが、私は音楽の知識とか全然なくて、ずっと感覚的に音楽を聴いてきた人間なんですが、この楽曲に出会って、「私が好きな音のジャンルのひとつは『ポストロック』と言う」ということを知ることができました。ありがとうございます。

楽曲を制作されたなっさんさんご本人が、ご本人のnoteにて楽曲の解説をされていますので、そちらもぜひ。


Tr3 リトル・フューチャー・ファンファーレ

作詞: ふぁんしーめいど
作曲: まくら・Tansa
編曲: Tansa
Vocal: 夏屋 角
Guitar: かに
Bass: 原一生
Drums Programming: 高橋涼ノ介
All Other Programming: Tansa

春M3当時のフォロワーが参加されていた楽曲①
全部の音の精度が高くて、だからこそバランスがとてもよくて。
ベースも、ギターも、ボーカルも、ストリングスも、他の音たちも、情熱が伝わってきます。情熱が、うまく楽曲の透明度に昇華されている感じがします。
(私は右で鳴っているピアノの旋律が終始最高だなと思いました)
この楽曲の中で私が特にすごいな〜!って思ったのは、所々でボーカルに呼応するように入り込むコーラスです。
爽やかなサウンドの中に、厚みというよりは、広がりを添えてて、聴き応えが増しているように思いました。
既に吹いてた追い風を、増してくれてるような……。
それと、楽曲の最後の「休符」、反則じゃないですか……?
めっちゃアツいアウトロの演奏の後、思ったよりも長かった無音の先に、優しく添えられるストリングス、楽曲の収め方として完璧……。

限界なんて知らない、自分の思う道を、思うように、突き進め!って背中を押してくれる、力強い歌詞と歌声でした。
歌詞も相まって、一番、はっとさせられた楽曲でした。聴いてから暫く動けなかった……。


Tr4 Escape from the World!

作詞: めがねこ v.s namaozi
作曲・編曲: namaozi
Vocal: 高峰伊織
Bass: 原一生
Drums solo & Bongo solo: 海野光洋
Guitar, T.Sax & Programming: namaozi

春M3当時のフォロワーが参加されていた楽曲②
ふ、フォロワーの音ーっ……って思うのは、今聴くからなんですよね。
私がこのコンピアルバムを知ったきっかけになった方なんですが、M3前にクロスフェードが出た当時は、自分の想像の範疇を超えた完成度に「この人、こんなすごいの……!?」ってただただ唖然としてました。
クロスフェードの尺だと、さらっとかっこいいな……疾走感いいな……と思っていた程度なんですけど、全部を聴いてみたらかっこいいの度合いが桁違いでした。
鳴ってる全部の熱量が半端なくて……曲の展開とともに、どんどん高まっていくのがなんとも心地いい。
心を掻き立てられる、情熱的な楽曲です。

Aメロのリバーブ、うわ〜〜……沈む〜……聴き入る〜……
ボーカルの高峰伊織さん、これまた私は持っていない、大人で芯の通った歌声なんですよね。羨ましい……。
この方の持つリズムがとってもよくて……伸びやかで、躍動感があって、「歌っている」なって感じます。
歌が、動いてる…………好き……………(???)
ボーカルも楽曲を構成する大切な「楽器」だなって改めて実感させられます。
(誤解を招く表現かもしれませんが、他の音と等しく必要不可欠な音だな、と。)
緩急もすっごい……Aメロの密やかなウィスパーボイスからの、ラスサビに向けた圧の上り坂……かっこいい……
私もいつかこんな歌が歌えるといいなぁ。

間奏のソロ繋ぎ…………えーッ!?!?!?!?!?!?!?ヴ…………
(聴いた衝撃をそのまま文字に起こしました)
間奏の衝撃が大きすぎて……立ち上がれません…………
熱い……熱いよーっ……

聴くたびに新鮮な気持ちを貰っています。こういう曲を、「聴き応えのある」って言うのかな。

Tr5 君はセンセーション

作詞: まさるまる(Re:fAce)
作曲: 藤宮奏
編曲: λ
Vocal & Chorus: 初音ミクV4X
Vocal Programming & Chorus arrangement: 藤宮奏
Acoustic guitar: 三島涼
Electric Guitar & Drums & Mixing engineer: Happiya

春M3当時のフォロワーが参加されていた楽曲③
春風が吹き抜けていくような、暖かく爽やかなミク曲。
心が迷うこともあるけど、自分らしくいっちゃえ!と踏み出す可愛い恋心。
出だしから最高なんだよなあ……ちょっと欧風な町並みが浮かぶような、とってもおしゃれな音使い。
コーラスワークがほんとに綺麗。ボーカルと掛け合うような鍵盤の音も素敵……(こういう時、この楽器!って言えない自分の知識の浅さが悔しい……)
ラスサビ直前に下に転調する曲は天才なんですよね。(?)

個人的なんですけど、ボーカロイドの楽曲は、歌声を聴きながら「自分ならこういうリズム感で歌うな〜」というのを特に考えてしまうのです。
このボーカル、基本的にぎりぎりまでロングトーンを伸ばしていく中、「なんてねっ!」とか、ここぞ!というところでスタッカートになるのがねーー、とてもいいなと思います。心地良い。
本当に、春風のようにすっと通り抜ける、素敵な楽曲です。


Tr6 恋人がいない時の雪って特別な気分に浸れて僕は好きです

作曲:編曲: 岡崎舜生
Programming: 岡崎舜生

冒頭から入っているノイズが、まるでレコードを再生しているような、ノスタルジックな気持ちになります。イヤホンで聴いてよかった。
なんだか、休日のお家でひとり、思い出をゆったり思い巡らせるような。
そこから窓を覗いて、外に出て、柔らかな幸せで飾られた世界にひとり繰り出して……。
タイトルが「恋人がいない時」なんですが、その楽器の数の少なさが寂しさを募らせながら、

鈴の音やシンセの音が、ひとりの世界を、優しく暖かい雪の光で包んでくれる感じがします。
フルート(パンフルート)の、ふわっと広がる木管の音……いい……

私は、街の喧騒の中でひとり、煌びやかな冬を感じるのが好きです。
以前はひとりでいろんな場所のイルミネーションを巡り歩くのが趣味な時もありました。
つんと澄んだ空気、賑やかな街の音や美しい光たち。その景色や音、感じたものを、全部ひとり占めをできるから。
そんな時のどきどきわくわくを、思い起こさせられます。
こういうゲームBGM……欲しい〜〜〜〜!!!!冬、来ないかな〜〜!!!

最後に、冒頭の物静かなパートに戻ってくる。帰ってきた。
結局はひとりなんですよね。優しい暖かさと、ひとつまみの切なさに包まれながら、そっと終わってゆく。
聴き終わってから、暫く他の音を聞きたくなくなりました。この感傷に浸る時間まで、まるで作品の一部のように。
冬になったら、また、イルミネーションを見に行きながら、これを聴こうと思います……あ、もうやってるところあるのかな……?


Tr7 Bitter boy (Short.ver)

作曲:編曲: まちだ
作詞: 芙雨
Vocal: 釣田知里

えーーーーー、好きだが!?!?「あの子といると甘くて あったかくて ちょっと苦い」キャラメリゼじゃん…………………

Short.verということでワンコーラスなんですけど、ワンコーラスでの歌詞のまとまりが完璧で、これでアニメのOPとかできちゃうくらい。
ワードのチョイスが、もう……可愛い〜〜!!
傘を差す甘いあなたを見ていたいから、このまま雨やまないで!ってもうね………
濡れちゃって、じめじめして、空も暗くて、気持ちも沈むはずの雨模様を、「キラキラのアメ玉」って表現するの、上向いた恋心を的確に表してて天才としか思えない……
雨でさえも今この瞬間を飾ってくれている……

Bメロでの拍子を変えた絢爛な響きに、心が華やかな気持ちになります。
変わりながらも、明るさはそのまま。
恋をしてる時って、どんな景色も特別に見えてしまう。そんな気持ちがそのまま音になってる。
勢いをそのまま追いかけるようにストリングスを重ねた先でサビに突入。
もーーーー一貫して勢いよく駆け抜けるストリングス、最高では?????

声質そのものはナチュラルでちょっと大人だけど、スピード感があって、その上でひょいと跳ね上がるキュートさを残した歌声……
とても個人的な好みですが、私はこういう歌い方が一番好きなんですよ!!!!!!
私もこう歌えるようになりたい…………

本当にすごい。同人楽曲でこれを聞いていいんですか……?って感じの重厚感。
Full ver.を聴きたい………………


Tr8 JIBUN parede

作詞・作曲・編曲: ANDY
Vocal: 重音テト

私の大好きな、シンデレラガールズの、"あの曲"をリスペクトしたであろう楽曲。進行もほとんど同じじゃないかな。
アナザーとかアンサーというよりは、私は「アフターソング」と捉えました。
だーから落ちサビで下に転調する楽曲は天才だって言ってるでしょう!?!?!?!?

もーー歌詞が、現実!!!!!って感じ。刺さる刺さる。
大人になってしまった、理想とは違う場所にいる、けど、道はずっと続いてる。それは変わらない。
だから、どんな道でも自分を生きるために、前に進むために、止まってちゃだめなんですよね。
それが、憧れた昔と私へ向ける贈り物になるから……。

紡ぐ言葉が本当に素敵。歌詞を紙に書いて部屋に貼って毎日読みたい。読みたい。


Tr9 いつまでも

作詞・作曲・編曲: NO.1P
Vocal: あかつき姉

作曲されたNO.1Pさんのセルフカバーを拝聴したことが、実はコレを購入する決め手でした。

NO.1Pさんは、4月にとある作品でご一緒させていただいた方なんですが、本当に、いきいきとした、幸せな音を紡ぐ方だなと思います。

イントロから天才じゃないですか?どこまでも続く草原と青空が見える…………
本当に綺麗。ゆったりしたリズムの中、ひとつひとつの音が、丁寧に添えられている。
本当に優しく、でも届きたいって想いを持って、澄んだ空を音楽が風に乗って流れていくような……
サビなんか、すごい開放感じゃないですか?もう、永遠じゃん……(?)

だーーーーからラスサビ直前で下に転調をするのは!!!!!!!(性癖)
これまでは自分が「歌い続けるよ」だったのに、ここで届けたい相手に「歌い続けていて」と願うのはさ………………あのさ…………………(昇天)

きっとこれは、これまでの道のりで出会ったみんなへの、贈り物。
今の道は、今の自分は、出会ったもの、出会った人が、形作ってくれたもの。
だから……全てに贈る「ありがとう」。
そんなナンバーが、アルバムの最後を飾ること、とても嬉しくなります。

きっとこれは永遠じゃないんです。
でも、今、幸せなのは、変わらないから。だから、「いつまでも」。

ボーカルのあかつき姉さんも、数年前から存じ上げていた方なんですが、こんな歌も歌えるの!?!?って驚きが……。
私の中では、きゅっとしたアイドル感のある、キュートな歌声のイメージがあったので……
こんな柔らかくて、あたたかで、広がる響きも持っていたんですね。もう表現力が、すごい。
だってなんか、ね、語るように、歌を紡いでるじゃないですか。
だから、言葉も、音も、気持ちも、聴こえる歌声から何も変換せず、そのまますっと入ってくる。
この歌声だから、この楽曲の持つ想いが、最高の形で伝わってる。
こんな歌を歌いたい……………………

本当に、幸せな気持ちに包まれます。

私も、今自分がいる場所に立っていられるのは、「頑張って」と背中を押してくれる、「大丈夫」と支えてくれる、「応援してるよ」と見守ってくれる、「こっちだよ」と引っ張ってくれる、周りのみんなのおかげなんです。
自分一人で立ってるじゃなくて、自分を、みんなが作ってくれてるんです。
そんなことを普段から実感していたので、だから、この楽曲に共感をしたんです。

その気持ちを忘れないように、この楽曲を、抱きしめていきたいと思います。


おわりに

アルバムを通して聴かせていただいて、それぞれの音楽に対する情熱が、ダイレクトに伝わる、本当に素敵な愛の結晶だなと思いました。

曲が進むごとに、新しい驚きがたくさんあって、自分が想像していなかった方向に連れて行かれて。
次はどんな景色が待っているのかなと、宝箱を開けるように、わくわくしながら最後まで楽しませてもらいました。


これはどのジャンルで活動されている方にも言えることですが、このような各々素晴らしい表現方法を持っている方々を、本当に尊敬します。

今回、楽曲たちを聴いて、こうして言葉にして、いかに自分の表現が乏しいものかと、思い知らされました。
同時に、熱にあてられたこの気持ちを、このときだけの気持ちにしたくないと思います。
私も、なにか、私ができる形を作りたい。
そう思わせてくれたこのアルバムに、感謝をします。


これからも、自分だけの音を大切に……。

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