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イーオンズ・エンドというゲームについて【後編】

ご挨拶

こんにちは、Uttiyウッチーです。
今回は前回に引き続き、イーオンズ・エンドとはそもそもどんなゲームなのか、です。
システム面を主に見て、他のゲームとどう差別化されているのか、
その魅力的なオリジナリティについてお話ししていきます。
今回も既プレイの方には不要な内容かと思いますが、お時間ございましたらお付き合い下さい。

端的に言ってしまうと……

ランダムと非ランダム、相反する二つの性質が奏でるハーモニー、です。
何言ってんだこいつ、と自分でもなっていますが、
まぁ、聞いてやって下さい。

ランダム性

サプライ

前回も触れましたが、このゲームでは毎回9種類のサプライ(強化に使用できるカード)を用意するのですが、
それらをランダムに選択するための登場判定カードというものがあります。
全てのカードに対して1枚ずつ用意されており、これを裏向きにシャッフルして必要枚数選び、
そこで出たカードたちが今回のゲームのサプライになる、というシステムです。

登場判定カードの山、凄い量!!

このランダムに抽選されるサプライが、さながら不思議のダンジョンシリーズのように、
限られた種類の中から選択されているにも関わらず毎ゲーム違った展開をもたらしてくれるため、
同じ敵、同じ使用キャラクターでも違った展開を提供してくれます。
弱いと思っていたカードも、使ってみると強かったり、状況によっては革命的な働きを見せたりするのです。
そういった偶発的な発見を生み出しうるサプライのランダム抽選によって、
非常に高いリプレイ性(もう一回遊びたい!)をもたらしてくれます。

もちろん、自分たちで好きに選んでもよいと説明書にはあります。
敵味方の構成を見て、どうやって戦うかを考えてサプライの選定、
相談してしっかり対策する、そんな楽しみ方もできます。
こういった【メタる】が楽しいタイプの方(カードゲーマーの方に多そう)にはこちらもお勧めです。

更にゲーム側からお勧めの構成も提案されています。
初めの内は分からないことも多いでしょうから、これらを使ってみて下さい。
基本的にシナジー(相乗効果)のあるカードが選ばれていますので、
このカードはこういう役割なんだよ、だからこうやって使うと強いんだよ、
しかもこれと組み合わせると凄い効果になるからやってみてー、
と、どういう意図でそのカードが設計されているのかが自ずと見えてきます。
そこから、このゲームはこうやると勝てるんだな、という基本戦略のようなものが見えてくるでしょう。
それをたくさん経験することで、勝利への王道パターンのバリエーションが増え、
ゲームに対する理解が進み、ゲームの世界に深く深くはまり込んでいくのです……。

こういったゲーム的な論理的思考能力は他のゲームでも通用しますし、
逆に他のゲームの経験から得る閃きもあるでしょう。
期待値、確率、機会損失、損益分岐等々、人生においても大事な思考能力が楽しく身につくなんて、
ゲームってなんて素敵なんだ!!

敵の行動

ゲーム毎に目標となる敵、討伐対象ネメシスの行動もカードによって決められます。
ゲーム開始前にネメシス用のデッキを作るのですが、それもまたランダムに構成されます。
ネメシス毎に固定されている行動は9枚だけで、残りの行動(15~22枚)はランダムとなるのです。

ただ、実はこのネメシスカード、初期の基本セットでは22種類しかなかったので、
4人プレイだと毎回ネメシスデッキはオリジナルの9枚と固定の22枚で代り映えがしませんでした。
しかし、終わりなき戦いでは25種類、新たな時代では上級カードというカテゴリーまで加わり40枚近い枚数に。
シリーズをまたいで混ぜることも可能なので、もはやネメシスデッキのバリエーションも無限大となったのです。

こちらも凄い量ですね!

デジタルゲームのRTAさながら、ネメシスの行動がデレてくれるようにお祈りしたり、
ツンツンな鬼畜モードのネメシスに発狂しながら必死に戦ったりと、
同じ敵を前にしても同じ展開がなく、まさしく終わりなき戦いが続くのです。
イーオンズ・エンドRTA、あるなら是非参加したいですね。

行動順

このゲームは速さ・優先度の概念がなく、6ターンを1クールとしてランダムに行動順が抽選されます。
1クールの内訳はプレーヤー側が4ターン、ネメシス側が2ターンです。
6枚のカードで作られた行動順デッキをめくって抽選、使い切ったら戻してシャッフル、再度抽選、となります。

人数によって使うカードが若干変わります


1枚ずつめくるので、誰のターンが残っているかはわかりますが、その順番は不明、
最悪のパターンを引けばネメシスのターンが4連続来ることもあり、ある程度余裕を持った行動が求められるわけです。

非ランダム性

ダメージ対象、ダメージ量

対戦系のボードゲームによくある、ダイス(サイコロ)がイーオンズ・エンドにはありません。
ダメージ量は必ず明記されており、ダメージを受ける対象も
・体力が一番少ないプレーヤー
・呪文を一番多くセットしているプレーヤー
・一番コストの大きいカードを手札に持っているプレーヤー
など指定されているか、一切指定されていません。
指定されていないものに関してはプレーヤ同士で相談をし、自由に選択してよいことになります。
他にも、○○または△△、とプレーヤー側に敵の行動を選択させてくれるカードも多々あります。

このように、敵の行動の一部をプレーヤー側に選択させるので、
ランダム要素である敵のデッキの偏りや、行動順の偏りなどで負けた場合でも、
運が悪かった、の一言でゲームを片付けさせず、こうしてたらもしかしたらいけてたのかも、
と勝負に勝ちの余白を残してくれます。
そしてこの余白が、次こそは!と再戦する意欲を与えてくれるのです。

デッキシャッフル

イーオンズ・エンド最大の特徴、それが使い切ったデッキをシャッフルしないことです。
使い終わったカードは捨て札に送られ、デッキが切れるとその捨て札を再度デッキにするのは、
通常のデッキ構築系のゲームと同じなのですが、その際に捨て札を一切シャッフルせずに、そのまま裏返して戻します。
つまり、次のデッキの引く順番が事前に分かるのです。

カードゲームとは、必要なカードを引くために確率を上げる努力をしながらも、
最後に物言うのは引きの強さ、そうさ!運も実力の内ってやつさ!!
そんな常識のような部分をあえて否定するゲームシステム、凄いですよね。

実は私、このシステムのせいで最初はこのゲームを毛嫌いしていました。
多分そういう方が私以外にもいると思うんですよ。
デッキ構築の醍醐味だろ、確率や期待値を意識して、引き運を極力否定するのがさぁ?みたいな。
そんな方たちにお願いです、月並みですが騙されたと思って一回やってみて下さい。
これはこれで全然違う楽しみがあって、むしろそういう人の方がはまると思うんですよ、えぇ、是非とも一度ご経験をば。

ちなみに、使ったカードを捨てる順番は自分が選択できますし、手札を使い切らないといけない制限もないので、
捨て札をコントロールし、次に作られるデッキを意図的に強力にすることができます。

じゃあずっと強い行動を繰り返せばいいじゃん?
それができたら流行りません、はまりません、つまりこのnoteは存在しません。
このゲームにはいくつかのスピードのギャップが存在するのです。
細かいルールの説明は省きますが、カードの取得処理、使用カードの廃棄処理、呪文の事前セット制など、
処理の順番が指定されているため、同じ行動を延々と繰り返すことはほぼ不可能なのです。
※実際にはできないことはないですが、労力に見合ってないので、大体そんな事している間に負けてしまいます。

また、ネメシスの妨害によりカードを捨てられたり、除外されたり、レアですがデッキをシャッフルされたりします。
そんな様々な制約を搔い潜りながら、理想の展開を構築できたときの気持ちよさたるや、
思わずガッツポーズですが、そういうゲーム程意外とあっさり負けたりします。
諸行無常。

まとめ

ランダム性と非ランダム性の絶妙な融合により、
運の要素がありながら運の要素でゲームを片付けさせない、
無限の可能性を常に模索できるゲーム、
それがイーオンズ・エンドです。

興味の沸いたあなた!
経験に勝るものはありません、まずはやってみましょう!
面白さはお墨付きですし、かなりのペースで日本語版が展開されているので、
今後も加速することを考えると、早いに越したことはありませんからね!

さて、次回からは敵味方問わずキャラクターの紹介をしようと思ったのですが、
よくよく考えると、相性の良いカードなども含めた紹介になると思うので、
先にカードを紹介しないことには始まらないかな、と思い至りました。
ということで、次回からはしばらくカードの紹介&考察をしたいと思います。

更新ペースは不定期です、記事ができ次第随時の予定。
では、次回もよろしくお願いします。

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