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観光に関する論文を読んでいく。vol.2

気になる論文をピックアップし、それをAIに要約させたものを読んでいく。
今回取り上げる論文は、

「口コミの言語解析による訪日訪中外国人の訪問パターンと観光地イメージの関係に関する研究」

著者:柴田 立、室町 泰徳

以下chatGPT-4oによる要約

主題と目的

本研究の主題は、訪日および訪中外国人観光客の訪問パターンと観光地イメージの関係を解明することです。目的は、外国人観光客の訪問パターンや観光地のイメージを把握し、日本の観光施策に有用な知見を提供することにあります。特に、リピーターの観光地選択の特徴を明らかにし、観光立国としての日本の戦略を強化するための基盤を築くことを目指しています。本研究では、口コミサイトであるTripAdvisorに投稿された215,012件の口コミデータを用いて、訪問パターンと観光地イメージの対応分析を行いました。

方法論

本研究は、口コミサイトTripAdvisorに投稿されたデータを用いて行われました。まず、日本と中国の観光地に関する英語の口コミを収集し、訪問年や居住地などの基準に基づいてデータをクリーニングしました。具体的には、2014年から2018年に投稿された口コミの中から、投稿回数が1回のみのユーザーや極端に多くの口コミを投稿したユーザーを除外し、最終的に215,012件の口コミデータを分析対象としました。次に、訪問パターンの分析、観光地イメージの抽出、訪問パターンと観光地イメージの関係分析を行いました。訪問パターンの分析では、各観光地の訪問有無から共起関係を計算し、クラスター分析を用いて地域ごとの訪問パターンを明らかにしました。観光地イメージの分析では、テキストマイニングを用いて口コミから認知的要素、情緒的要素、能動的要素を抽出し、対応分析を行いました。

主要な発見や結果

主要な発見は次の通りです。まず、日本は中国に比べて観光地がコンパクトに集まっており、周遊ルートが人気であることが分かりました。訪問回数が複数回にわたる場合、ユーザーは1地域のみの訪問が多い傾向にあります。日本では特に寺院やスキーがリピーターに人気であり、中国では自然景観が魅力とされることが明らかになりました。

次に、観光地イメージに関する分析では、日本と中国の観光地にはそれぞれ特徴的なイメージがある一方、両国ともに「街」や「美しい」観光地が人気であることが分かりました。日本では寺院やスキー、中国では自然景観が多くの口コミで推奨されていました。特に、日本のスキー観光地は他の地域に比べて推薦度が高く、中国では興味深い観光地が複数回訪問者に好まれる傾向が見られました。

対応分析の結果、訪問回数や訪問地域数に基づく観光地イメージの違いが示されました。日本に1回のみ訪れたユーザーは寺院やツアーを推薦する一方、複数回訪問者はスキーや食事買物を推薦する傾向がありました。訪問地域数による分析では、日本のスキー観光地が1地域のみ訪問者に特に推薦される一方、中国の博物館は複数地域を訪れるユーザーに推薦される傾向があることが明らかになりました。

結論

本研究の結論として、日本と中国の観光地に関する口コミデータを用いて訪問パターンと観光地イメージの関係を分析し、以下の知見を得ました。

  • 日本の観光地は中国に比べてコンパクトに集まっており、周遊ルートが人気を集める一方、複数回訪問者は1地域のみの訪問パターンが多い。

  • 日本と中国それぞれに特徴的な観光地イメージがある一方で、両国ともに「街」や「美しい」観光地が人気であり、地域全体で見ると人気のある地域間でイメージが類似している。

  • 日本への複数回訪問者はスキーや食事買物、快適な観光地を推薦する一方で、訪問地域数による推薦イメージの差異は小さい。

これらの結果を踏まえ、日本においては寺院やツアーといった観光地において、食事や買物といったリピーターに人気の魅力を発信することが重要であると考えられます。また、スキー観光客に対して他地域のPRを行うことや、周遊ルートを活用して博物館や自然景観の魅力を増進することが必要です。

今後の課題としては、観光地の分析精度の向上や低評価要因の検討が挙げられます。データクリーニング手法の改善や、観光地イメージの分析における認知的要素と情緒的要素の区別を可能にする手順の開発が求められます。また、他のデータソースへの適用や低評価口コミの分析を通じて、改善が必要な観光地イメージの抽出も重要な課題です。


感想

外国人客には日本の観光地を周る周遊ルートが人気のようだが、これは旅行者の出発地においてそのようなルートの認知が強い、つまり広報が充実しているということなのであろうか。
最近、調理器具・食品サンプルが豊富に揃う日本橋の合羽橋が外国人に人気であるとのことだが、その理由も現地でのガイドブックに掲載されているということが理由らしい。
「なぜ、そのルートが人気になったのか?」も気になるテーマ。

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