【初めて曲を作った時の話】

「丸山君は曲を作ったらいいよ。変だから」


前回の「初めてシリーズ」でこのことを書こうと思っていたんだけれど、
ただ「Fが弾けた」ということだけで、一つnoteを書いてしまった。
初めてのことというのは印象深いのかも知れませんね。どんなことでも。
些細な初めてを気に留めながら生きていきたいものです。

早速ですが僕が曲を作り始めたのは、確か22ー23歳ごろだった。
YAMAHAを辞めて、それでも何となくギターを弾けるようになった僕は、家で好きな時に好きな弾き方でギターを弾いて、既存の歌を歌う暮らしをしていた。

しかし人間というものは、出来るようになると新しいこともしたくなる生き物。(諸説あり)

曲を作りたいという想いもあったが、
歌詞を読むことが好きだったので、
どちらかというと、
歌詞を書きたいと思っていたような記憶がある。

今も歌詞を書く時間が一番好きだ。
嘘ついてないか向き合う時間は、
大変でもあるけど。

思い返せば、当時から漠然と、「歌詞なら何でも言っていい」と感じていた節はある気がする。音楽の力があれば、誰かは聞いてくれるでしょ!みたいな。 

そんなふわっとした憧れを抱きながら22か21才くらいの頃、「こういうのは教わった方が早いよね!」
ということで、ストレートに作曲教室というところへと、通うことにした。

そこはギターを習うこともできる場所だったので、
ついでにあの頃を払拭する気持ちで、ギターも同時に習うことに。

新たなる音楽生活の幕開けだ!
…という程、わくわくに満ちたようなことがあるわけでもなかった。
まず作曲教室は、めちゃめちゃ座学だった。

「ダイアトニックコードがうんたらかんたら」
「Logic(作曲ソフト)の使い方がうんたらかんたら」
「ディグリーネームがうんたらかんたら」

…というような音楽理論だったりPCの使い方だったりを学ぶという場所だったのだ。
言ってる意味が全然わからなくて、マンツーマンの授業で寝るという
ド失礼を何度もかましたが、先生は優しい方だった。

それでも常人が理解する3倍くらいの遅さで、色々なことを理解していくことができた。でもPCで作るのだけは今も出来ない。Macの中でlogicは今も、すやすやと寝息を立てている。

後、ぶっちゃけわざわざ教室に通わなくても、今は調べたら理論もlogicの使い方も全部出てくるので、行かなくていいと思う。

作曲教室に通い、曲が出来たのか…というと別にそんな事もなかった。知識だけがふわっと、増えていくが使い方も組み立て方も分からないまま、
時に起き大体うつらうつらとしながら通い続けてはいた。

けれど、曲を作るきっかけになったのは、
ギター教室の方だった。
この時、ギター教室に通ったのは何を隠そう
「ついで」
曲を作るのになんか役に立つかなぁ。
くらいのノリで通っていた。

僕はアコギが弾きたかったので、
エレキギターの教室しかなかったことも、
モチベーションを大いに下げた。 

「どうして宿題をやってこないんですか」
と怒られたこともある。その度、
(何だこいつ生意気だな。ついでの分際で)
と思っていた。
相手も生意気だと思っていた事だろう。
どうしようもない関係性である。

僕があまりにも練習をしてこないので、
一時間のレッスン中、ただただ喋るだけになる事が多かった。
そんなある日僕が、

「茅ヶ崎の映画館にクレヨンしんちゃんを見に行ったら、自分以外誰もいなくてテンションが上がったので、とりあえず一番前の席まで行って、でんぐりがえしした」という話をすると、
先生はそれがえらく気に入ったようで、 

「丸山くんは変だから曲を作った方がいいと思う」

ということになり、
なぜか作曲の方ではなくギターの方で曲を作り、発表する事になった。
でも今まで曲を作ったことはもちろんないし、
憧れはあったが、
歌詞だってどうしたらいいか分からないということを伝えると、
こんなアドバイスが返ってきた。

・簡単なキーで作る。(C)
・思ったことを書く。

正直全然役に立たないアドバイスではあったが、
そこから数ヶ月が経ち、
生まれて初めての、「自分の曲」が出来た。
「へんてこ」と言う曲だ。

この曲を先生の前で歌った。
今でこそ「オリジナルだから」
と言う理由で、前向きに歌うことができるが、
この時ばかりは、「オリジナルだから」と言う理由で、
気持ちがとてもざわざわと落ち着かなかった。
というか、恥ずかしがってたような気がする。

今は、恥ずかしくはないけれど、新しい曲を歌うとき、
いつもこの時のような気持ちを思い出す。

僕は音が取れないので、キーがCじゃなくて、Gになったり、
なんか途中で、転調してしたり、大変忙しい形にはなってしまったのだけれど、初めての曲は、とても褒めてもらえた。
そしてここからたくさんの曲が生まれることになる…!



はずだった。





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