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【主権者教育】投票率の低さと生徒会選挙

若者の投票率の低さが問題になって久しい。

私は18歳選挙権が初めて導入されたとき、ちょうど18歳だった。当時は主権者教育が盛んに取り上げられ、自分の学校の実践も新聞に取り上げられたりしていた。
https://www.asahi.com/articles/ASJ774VXCJ77UTIL02K.html

いかにも主権者教育という授業を受けて、投票の重要性や行く意味は頭では理解したし、とりあえず投票所に行くようにはしているが、心はついていっていない。正直に言ってしまえば、「行っても変わらないだろう。」という本心がある。

なぜこんなことになってしまっているのか、自分が所属している『せんせいのたまご』という団体で主権者教育をテーマにしたワークショップを開催することになり、考える機会があった。

ワークショップは団体の他のメンバーが主メンバーなのでリハーサルでの模擬投票を見て、「いやー模擬投票っていろんなところでやるし、やり方や理屈は分かるんだけれど、投票に行こうという主体性・能動的な行動を引き起こすにはちょっと弱いんだよな。なんでだろう?」というモヤモヤを抱えながら考えていると、少し前に大学の授業で生徒会・児童会活動について扱ったことを思い出した。

生徒会・児童会の目標は
『異年齢の児童同士で協力し、学校生活の充実と向上を図るための諸問題の解決に向けて、計画を立てて役割を分担し、協力して運営することに自主的、実践的に取り組むことを通して、第 1 の目標に掲げる資質・能力を育成することを目指す。』
である。

しかし、自主的・実践的に取り組めている学校がどれほどあるだろうか。
生徒会選挙の候補者が学校の改善点を挙げ、自分が理想とする学校像に投票し、それが実現されたという経験がある人がどれほどいるだろうか。
実際の生徒会選挙は人気投票だったり、内申点稼ぎ、先生の雑用係のようなイメージが強いと思う。

主権者教育で模擬投票が行われるが、生徒はすでに生徒会選挙で投票を経験しているにも関わらず、投票率が低いのである。これは経験した投票(生徒会選挙)があまり自分の学校生活に寄与しない。投票に自分の意思が反映されない。
投票しても何も変わらないということが学校生活で染み付き、隠れたカリキュラムになっていると考えることはできないだろうか。

逆に、投票率の高い世代では、学生運動などといった自分達の行動で生活環境が変化したという実感を持った経験ができたからこそ、今でも投票に積極的に行っているのではないだろうか。

生徒会選挙が本質的に意味をもつものになり、投票で自分の意思が反映され、学校生活が改善される経験をもつことで、日本の投票率は少しずつ上がっていく可能性を秘めているのでは。


【補足】普段は環境教育をメインに学んでいるので、主権者教育は専門外です。皆さんのご意見が頂ければ嬉しいです。宜しくお願い致します。

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