見出し画像

【学会誌】陽極酸化で抗菌構造

こんにちは。
『表面技術』2023年4月号を読んでいます。
読んだ記事について、気になったポイントをメモしておきたいと思います。

今回読んだ記事のタイトルは「バイオミメティック表面構造を利用した抗菌素材の開発」で著者は㈱地球快適インスティチュートの齊田さんです。

内容

バイオミメティックといえば、昆虫の羽の構造やサメの皮膚の構造を模倣して機能的な表面構造を作製する手法です、・・・よね。

この記事では陽極酸化で作製したポーラス構造をナノインプリント型として利用し、抗菌作用のあるバイオミメティックな表面構造を作製する技術が紹介されています。

ポイント

  • 陽極酸化プロセス条件や浴組成を調整することで、孔間隔やサイズを自在に制御可能

  • PP樹脂の熱インプリントによりポーラス構造を転写し、ナノピラー構造を作製

  • 作製したナノピラー上に緑膿菌を放置すると殺菌率が5倍程度に上昇

    • ナノピラーが緑膿菌の細胞膜を破壊することで殺菌される

殺菌作用のある表面ナノ構造の話は以前からよく聞きましたが、殺菌のメカニズムをデータで示しているのは初めて見ました。ナノピラーで細胞膜に穴をあけて細胞質を流出させているようです。小さな細菌でも、何かに刺されると致命傷になるんですね…

ナノポーラス構造を型にする場合は、あまり再利用する話はありませんが、こちらの記事でも溶解する方法を推奨しているように読み取れません。

再利用できないと歩留まりが悪くて高くなる気がしますが、この分野は品質を確保する段階なのですかね。

今日は以上です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?