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Skype Meet Now の利用場面

冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか?

さて、エドモントン時間の今朝7時半から福田さん主催の「こんな夜更けに会議かよ」に参加しました。今回は Skype が新しく発表した「Meet Now」というテレビ会議システムをみんなで体験するためのイベントです。Zoomなどとはかなり違うところがありますので、これまでの Skype と何が違うのかということと、良い所と悪い所に分けてご紹介したいと思います。

【これまでの Skype との違い】

まず、これまでの Skype と何が違うのかですが、僕が注目しているのは二つです。

1.ホスト以外は Skype のアカウントが必要ない
2.会議室をいくつも作ることができ、ホストがいなくてもビデオ通話を始めることができる。

現在Zoomが一人勝ちしているのは、 breakout room の機能が優秀だからと言われていますが、上記の2点を考えれば 、複数のテレビ会議室をいくつも作っておいて、その間は参加者が自由に行ったり来たりすることができれば、基本的にズームのブレイクアウトと同じことが出来るわけです。これは今までの Skype とは大きく違うところで、教育における利用の発展性を感じることができます。

【悪い点】

次に、悪いところですが、通信の品質が決定的に低いです。二人か三人の時は非常にスムーズで、全く問題ないのですが、5人ぐらいから音飛びが始まるようになり、7人ぐらいだともう実質的に使い物になりません。どうも音声よりも動画のほうが優先されているようで、口が動いているのが見えるのに、音声が飛んでしまって何を言っているのかわからないと言う場面が多発してきます。この辺は逆に、動画はコマ落ちしてしまってもいいので、音声だけは途切れないようにしてほしいです。

ズームのギャラリービューにあたるのは「グリッド表示」というものですが、これはページめくりができません。僕の環境では一番多い時でも四人しか表示されず、5人目以降は場合によって丸いサムネイルで画面の端に映ったりすることもあるのですが、基本的に現状では全員の顔を見ることはできないと思っておいた方がいいかもしれません。

話題の字幕機能ですが、これもオンにしていても表示される時と表示されない時があります。

【良い点】

三つ目に良い点をあげたいと思います。

表示されたりされなかったりして不安定な字幕ですが、表示さえされれば、その機能は iPhone や Google ドキュメントの音声入力よりも優れています。例えば句読点やクエスチョンマークなども自動的に挿入されます。これは上に挙げた他の二つの音声入力システムでは現状では実現されていません。日本語教育限定で考えれば、この字幕の機能は非常に教育的効果が高いと言えるでしょう。ただしまだ時々、誤変換は残ります。(ドイツ語やモンゴル語で喋ると無理やりそれに似た日本語になるので非常に面白いです)

Zoom のブレイクアウトのように、複数の会議室を渡り歩く使い方ですが、これはもしかしたらZoomよりも簡単かもしれないぐらいです。 最初はやはり どこかで URL を共有して、そこからそれぞれのビデオ会議室に入らなければいけないのですが、1度入ってしまうと、それが履歴として残るので、その履歴の一覧から行きたい会議室をクリックするだけで入れるのです。(以下の画像の緑色の「通話に参加」のボタン)
Screenshot 2020-04-08 at 08.18.59 - Edited.png

【具体的な利用の場面】

少なくとも現状では人数が多いと使い物にならないので、一斉授業でビデオ会議を利用することは想定できないでしょう。
しかし、人数が少なければ利用できますから、小さい班に分かれたグループディスカッションでは活躍するでしょう。
これまでと同様に、ビデオ会議とは別にチャットだけの使い方もできますから、クラス全体としては文字のチャットで、それ以外のグループディスカッションや個人面談ではビデオ通話を使うという方法がいいのではないかと思います。

そもそもズームにしても、何十人も一つの会議室に入っている時は、一人が喋っていて他の人は聞くという形以外の使い方はできません。もちろん順番に一人ずつがしゃべることもできるので、そこに価値がないこともないのですが、もし講師が一方的に話すようだ場面が長いとしたら、それは反転授業形式であらかじめ録画してしまってから配信した方が、学習者は自分の好きな時に好きなペースで見ることができるので、わざわざライブでやる必要はありません。ですから本質的な価値はやはりブレイクアウト用ので少人数で話すことができるというところにあるのではないかと思っています。

それを考えると、この Skype Meet Now は現状では例えば10人も一緒に使ってしまったらもうコミュニケーションが成立しないぐらいの品質ですが、このように小さなグループをたくさん作って、グループディスカッションを中心に利用することを想定しているとすれば、これはこれでいろいろな使い方が可能なのではないかと思います。

また、チャットの履歴は残るので(無限ではないようですが)、 Slack のチャンネルのように使うこともできそうです。普段は文字でのチャットで、ときどき数人のビデオ会議を行うような使い方では、仕事の現場でも利用できるかもしれません。

僕の作った会議室を一つ公開しますので、ご関心のある方は覗いてみてください。ただし、誰がアクセスしたかは後から入った人には見えてしまうので、そういう個人情報を残したくない人は、スカイプやマイクロソフトからログアウトした状態(たとえば Chrome ならシークレットモードなど)でご利用ください。
https://join.skype.com/Nx0CF4y6Pc4u

【#スカイプでハナキン!】

ということで、来週金曜日の午後9時から「#スカイプでハナキン」をやりますので、ぜひご参加ください!(こういう使い方には向いていると思います) 参加方法などは改めてご紹介します。

そして冒険は続く。

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【参考資料】
Skype Meet Now
https://www.skype.com/ja/free-conference-call/

Skype、アカウントもアプリも不要の無料Web会議サービス「Meet Now」を提供開始 - ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2004/06/news058.html

むらログ: #Zoomでハナキン
http://mongolia.seesaa.net/article/474409203.html


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