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語学教育における自動翻訳の使い方

語学教育における自動翻訳の使い方






冒険家の皆さん、今日もラクダに揺られて灼熱の砂漠を横断していますか?

さて、ただいま JLPT の準備で会場に向かっているところです。今日もインドのベンガルルールからお届けしております、むらキャスです。

今日は自動翻訳の使い方について話をしてみたいと思いますが、その前にひとつお知らせがあります。それは12月の15日と16日、これ平日なんですが、「南アジア日本語教育国際シンポジウム」(JLESA2021)というのがオンラインであります。これには Twitter のたくさんの方が発表の方で参加されています。発表の申し込みは締め切ってしまったんですが、発表じゃない一般参加の申し込みは受付中ですので、ぜひ皆さんご参加くださいませ。

Twitter で活動してる方としては、岩の城さんとか、Twitter 週報の宮崎さんとか、木村賢介さんとか、「にほんご☆ぼうけん」の皆さんとか、カナダのhinakoさんとか、「日本語文法ブラッシュアップトレーニング」の仲山淳子さんとか、edujapaの岡田さんとか、佐藤剛裕さんとか、りゅん丸さんとか、読書会のわかばさんとか、「山の日本語学校物語」のヒラサワエイコさんとか、「多読が好き」のドゥルガさんとか、北琢磨さんとか、香港Zoomシェア会のみなさんとか、とにかくオールスター総出演というか、紅白歌合戦のような予定になっていますので、ぜひお申し込みいただければと思います。

プログラム
https://drive.google.com/file/d/1KW8U_mJiJJ49VcaW1KhreEq_yRcdaFX-/view?ts=619d553a

お申し込み
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdgOaHk0PyG3ebGpERAbqMO9_LFVGXQw8CBMmkcpAxNP3KTzg/viewform

それで今日申し上げたいのは、自動翻訳の使い方です。これは日本語教育にとても便利です。まとまった論考としては英語教育の柳瀬陽介さんという方が7000文字で書いているブログに公開されている記事があります。

柳瀬陽介(@yosukeyanase)「【約7,000字】 AIの発展を踏まえた上でのこれからの大学英語教育についての一考察」
https://yanase-yosuke.blogspot.com/2021/05/7000ai.html

この文章では四技能ごとにAIが向いているのか向いていないのかとか、そういう事も細かく論考されているので、まずは時間のある方はそれを一読していただければと思うんですが、そこで書かれていないことの一つで、かつ僕自身の経験からもう一つ申し上げたいことがあります。

それは一つの原則なんですが、自動翻訳はどんどん使ってもいいんですが、特に作文の時、「翻訳された結果が自分で理解できなかったらそれは使うべきではない」ということです。実は僕自身も英語のメールを書く時などに、自動翻訳を使うこともありますし、ヒンディー語も特に自動翻訳を使っています。その時、もともとヒンディー語の文法の知識も語彙の知識もまだ初級の後半に入ってるかどうかというレベルで、特に僕の場合は映画をたくさん見ているので「分かるんだけど話せない」、つまりインプットはできるけどアウトプットができないというそういう特徴があります。で、特にこの AI とか自動翻訳というのは、そういう「理解語彙と表現語彙のレベルの違い」の差を埋めるものとして非常に役に立つんです。これは柳瀬さんの論考の中にも何度も出てきます。

外国語を使うときは「わかるんだけど言えない」ということがたくさんあります。それでまず日本語で、あるいは英語で書いたものをヒンディー語に翻訳して、僕のヒンディー語のインプットの能力で理解の能力で、読んで分かる能力として理解できれば、それは正しいかどうか、僕の言いたいことかどうか、わかりますよね。理解できるんですから。その場合はその自動翻訳の結果を採用するし、理解できなかったり、違う意味に翻訳されていたら採用しないわけです。

採用できなかったらどうするかと言うと、翻訳する前のオリジナルの文章を噛み砕くんです。長い文章だったらそれを短くするし、語彙が難しかったらそれをもっと簡単な語彙にしたりということです。つまり最近の「やさしい日本語」を自動翻訳の時にも使うということです。そうすると、一つ一つの文は結構短くなってあまりその専門的な感じには見えないんですが、それでも言いたいことはかなり言えるようになります。

実は最近ちょっとやってないんですが、ヒンディー語で僕が YouTube に動画をアップロードしてたりします。見たことない人も多いかもしれませんが。そういう時にもあれは実は僕が全部ゼロから話しているんではなくて、まず日本語か英語で書いたことをヒンディー語に翻訳して、それを喋ってるんです。でも喋る時は一応僕も理解できるレベルになっているので、その時はもうすでに僕の言葉にはなっているんですよね。原稿を見ながら読むわけでもないし、自分の言葉として自分の脳内にある文を言っているわけです。

つまり、僕の場合は、理解できる語彙や文法と、表現できる語彙や文型の間にすごく差があるので、そのギャップを埋めるためにこの自動翻訳を使っています。何でもかんでも無制限に言いたいことを翻訳させると、多分その場合はあまり身につかないこともあると思うんですが、「アウトプットされた自動翻訳が自分で理解できているんだったら使ってもいいよ」という感じで使わせればいいんじゃないかと思います。

それからそのためには「自動翻訳にインプットするオリジナルの方を簡単にシンプルにする必要があるよ」ということも一つのスキルなので、慣れてくればどんどん上達しますから、そういうスキルを育てる必要性も教えるといいんじゃないかなと思っています。

本日の音声配信、「むらキャス」はここまでとなります。本日もお聞きくださいましてありがとうございました。実はこれ反応が分からなくて、何人が聞いたかとかそういう表示がないし、すごく「誰も聞いてないんじゃないこれ?」とか思っちゃうので、もし気に入った方は一言でいいので「#むらキャス」のハッシュタグ付きで何かコメントいただければと思います。もちろん「面白くなかった」とかそういうのでも結構です。それでは今日も良い一日をお過ごし下さい。

そして冒険は続く。

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