カタルシス。文。

 これだ。

 と、こうやって胸の奥につっかえたモノを何かに放出するのも一説だろう。
 エロゲ、配信視聴、ゲームプレイ。全てはコレを体験し、脳をバグらせたいのだ。

 NTRモノの同人エロゲをやっている。丁寧に丁寧に、ターゲットの女性と接触し情報を収集。自分の欲を水面化で煮えたぎらせ、いつの日か来るその時を待つ。
 このゲームはその過程をしっかりと描き、体験させてきた。俺は夜勤からの現実逃避と半日以上の覚醒で心臓がバクバクだったが、ステップが1つ進む度に描かれる主人公と女性の言葉や、須臾の如くしか無い触れ合いを積み重ねほんの少しでも知っている情報を元に「今の言葉・態度は女性らしくない」という瞬間の描写。進む度に視線に、吐息に、投げかけられる言葉に熱が帯びていく浸透。心の臓の脈動が右手の人差し指の押し込みの間隔より早くなるあの情操。俺は、今、主人公であった。

 すまない。これを書いてる時も夜勤中でやるべきことから逃げている最中なのだ。ペンを持って書き物をしたくない。なぜキーボードでこの文章を書いているのに俺の汚い字で美しい白背景を汚さなくてはならないのか。あ、もうそんな詩的な表現いらないか。
 ともあれ、フィクションだから出来ることの1つであるNTR。されるのは嫌だがする方はいいだろ、という強欲すぎる欲望を胸に遊んでいたのだが情事に至るまでの過程が濃密すぎて心臓がバクバクしていたのだ。あれは絶対に寝不足やストレスから来る負の脈動では無い、未知なるモノを、神秘なるモノを暴く好奇心からくる性の脈動だったのだ。
 主人公の動機は一目惚れという直接的なモノだが、女性を取り巻く環境から「本当に俺はこんなことをしていいのか」という逡巡を駆け抜け、それでも、と自分の欲望に突き進む姿に俺はいつしか激励を送っていた。
 諸々省いて申し訳無いが、苦節の果て辿り着いた女性との結合、俺はただこの2人の言動をつぶさに観察して、良かったな……と胸を撫で下ろしていた。
 勿論、主人公が悶々とする中プレイヤーだって悶々とする。だがその劣情を外的要因で解決してはならないのだ。彼が溜めて溜めて耐えているのだ、俺もそうしなければこのゲームに失礼だろう、そんなバカな考えだった。
 一度見たシーンを再度回想し、彼と共に知った彼女の日常での仮面と目の前にあるあられもない姿と比較する。達するにそう時間はかからないというものだ。
 賢者となり改めて振り返る。清々しいなぁ、なんてちょっと斜めな感想を抱いたモノだが、夜勤中の現在、更に思い返すと「俺はあの感覚が常に欲しいんだ」とも辿り着いた。これが所謂、カタルシス、というものらしい。意味と照らし合わせしっくり来たのがその言葉だったのだ。

 エロいのを見て、悶々とし、果てる。
 配信者が苦労をして、やっとの思いでクリアした瞬間。
 緻密に交錯する伏線が一つ一つ紐解かれる物語。
 パッと思いつき、あんま並べるのもどうかと思ってしまうが記載しておく。
 最近だとDJ配信なんかもカタルシス体験をするにあたってよく見ているな、と解った。サビ前の重く地を揺らす低音のビート、煽るMC、上がっていく歓声と腕……そして解き放たれた激しい音楽の奔流や心を燃やし尽くしてくれる歌詞やメロディによって鬱屈とした感情を、溜めに溜めた肥大する感動を、デカい音と共に爆発させたいのだ。
 勿論DJ、音楽はそれだけでは御座いません。自分がどうしても好きだな、印象に残っているな、と思うのが上記の一節ですので。ローな同BPMによる緩やかな繋ぎなんかも好きです。
 とまぁ寄り道から帰ってきて。いや、本題か。理解した瞬間というのも一瞬の解放なんですが、さらにそれを何処かに伝える、残すのも解放。人それぞれその趣向は違って良いですが、何卒人様に迷惑をかけないように。生き物全てか。

 多分ドーパミン的なやつでしょそれ、で済む話なのだが、あまり関連性の無い事をコレだけやってるのに、何か共通してアガる瞬間がある、と自己対話をしてるいる時に気付いたことを文章にしただけでした。多分無意識的にみんな分かってることだと思うよ。ツラツラここまで書いたけど当たり前体操を当たり前にやっただけでした。

 でも、マジで今やってるNTRモノは凄く楽しい。まだラストチャプターが残ってるらしいので夜勤が終わったら速攻終わらせる。そしてざっくり感想を述べたいと思います。
 それでは、気持ちは乗らないけど流石に時間がやばいな、と夜勤業務に励み始める人でした。さらば。

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