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【ポケモンSVシングルランクバトル】キョジオーン軸ミッドレンジサイクル構築【シーズン10最終171位/レート2020】

シーズン10お疲れ様でした。
前回の記事からもシーズン最終3桁は達成できていましたが、今の目標である最終2桁への到達がなかなか上手くできず悪戦苦闘していました。
その中でも、今回は目標達成にかなり「惜しかった」と言える結果だったのとGameWithさんの上位構築一覧に載るTOP300以内には入れていたので、構築記事を書く契機となりました。


構築経緯

レギュレーションD開始より、シーズン8の攻め意識さんシーズン9のたなけーさんなど、これまでの最上位者の構築に全てキョジオーンが採用されており、自分で使ってみても他のサイクル駒よりも詰め筋の目処が立ちやすく、また他の物理クッションよりも対パオジアンへのクッション性能に優れていたためキョジオーン+カイリューのクッションサイクル軸を主軸として構築することにしました。当初はキョジオーンへの主流なメタとしての隠密サーフゴーへの対策として、光合成で回復できて1クッション以上の繰り出し性能が確保できる炎オーガポンを3枚目のクッションとして採用していましたが、その基軸では遂行力が損なわれて相手の受け崩しにかなりシビアなプレイを重ねなければなりません。そこでサーフゴーへのクッションを眼鏡イーユイにして遂行力を最大化し、相手のサイクルを許さない構成にしました。ですがこのままではガブリアスに対する性能が弱いため、後述の調整型テラフェアリーカイリューを開発し、対ガブリアスだけでなく幅広い対応範囲を実現できたので、積極的にキョジオーンを選出していける構築にしようと、その段階から考えていました。この段階でキョジオーンメタとして困るのが隠密や身代わりです。隠密には当初キョジオーンに地割れを採用することにより低火力による詰ませを対策できていましたが、A無振りキョジオーンの塩漬耐えの身代わりからの詰み(主に身代わり瞑想ハバタクカミなど)への対応に難があるため、結果、テラ鋼の鈍い地震との両採用で解決させることにしました。これで基軸が完成したので、残りは相手のキョジオーンや身代わりへの強烈なメタとなる特性すり抜けのテラ鋼竜舞ドラパルトを採用し、環境で拘り持ちが多かった相手の霊獣ランドロスに後出しから起点にできるように珠剣舞テラフェアリー霊獣ランドロスを採用しました。この霊獣ランドロスの剣舞フェアリーテラバと眼鏡イーユイのテラ炎オバヒを両方耐えられる非テラディンルーはHB特化のチョッキ持ちのみです。つまり先発に出されることが多いディンルーへの解決を2通り用意できたことで序盤から数的優位を取りやすくなっています。そして最後に、対面選出をするためとパオジアンやハバタクカミやテツノツツミなどへの対面処理を意識して調整テラ毒襷剣舞ドレパン悪ウーラオスを採用し、構築の隙を埋めて完成としました。

構築詳細

ドラパルト

特性:すり抜け
持ち物:竜の牙
テラスタイプ:鋼
ステータス:163-172-96-X-95-213 陽気AS
技:ドラゴンアロー/テラバースト/竜の舞/身代わり
・竜の牙を持つことで1回竜舞を積めばCSテツノツツミがドラゴンアローで確定1発撃破可能

主に対キョジオーンやテツノツツミ、ハバタクカミが重い時に選出します。テラ鋼を切って身代わりすることでキョジオーンの塩漬けを2発身代わりが耐えるため、起点に龍の舞を何回も詰めて、1回詰むだけでCS最速BEテツノツツミを抜いて竜の牙を持たせることでドラゴンアローで確定1発撃破が可能なのもあって、全抜き性能も実現できています。また特性のすり抜けにより相手の身代わりを貫通しながら攻撃できるのも、キョジオーン軸を使う上で非常に役に立ちました。また、最終日には先発から眼鏡ハバタクカミで猛攻を仕掛けてくるプレイが多発していたため、それへの解決策としても重宝しました。先発からこのドラパルトでテラ鋼を切ってテラバーストで眼鏡ハバタクカミを上からノーダメージで処理し、数的優位を取ってからサイクルを回せるのでかなり良い動きができました。

霊獣ランドロス

特性:威嚇
持ち物:命の珠
テラスタイプ:フェアリー
ステータス:165-197-110-x-100-157 陽気AS
技:地震/岩雪崩/テラバースト/剣の舞
・HBサーフゴーが地震で高乱数撃破可能
・剣舞1回のフェアリーテラバでHB厚めのディンルーが高乱数撃破可能

この構築の物理方面のサイクルクラッシャーです。元々、キョジオーン軸の構築には鉢巻霊獣ランドロスがしばしば採用されいて、攻め意識さんなどが高度なプレイングテクニックで相手のカイリューへ鉢巻地震を押して相手が繰り出してきたサーフゴーやキョジオーンを1発撃破するような解決策で対応していたのを見て、これを構築で更に洗練できないかと考えた結果、鉢巻と火力指数が近い珠で打ち分けしながら、相手の交代際に剣舞を詰んで一気に受け破壊までやってしまおうと考えました。それは実際に上手く機能し、通常ならテラ飛行になるところをテラフェアリーにすることで対カイリュー、ガブリアスなどへの対面性能から、対ディンルーへの剣舞からの1発撃破などの副産物も手に入れられました。先発でこの霊獣ランドロスよりも遅いイーユイやサーフゴーなどと対面した時は、思い切ってカイリューなどの飛行タイプの交代を読んで剣舞すれば、そのまま勝負が決まることさえありました。これで得られた成果を一般化すれば「高火力で打ち分けする方がサイクル下では有用性が高い」ということです。

キョジオーン

特性:清めの塩
持ち物:食べ残し
テラスタイプ:鋼
ステータス:207-120-188-x-122-55
技:塩漬け/地震/鈍い/自己再生
・A172パオジアンの聖剣を最高乱数以外2発耐え
・C198眼鏡ハバタクカミのテラフェアリームンフォを確定耐え

この構築の始点です。対パオジアンへの受け出し性能と自己再生による回復力、塩漬けによる詰ませ性能、無駄のない種族値配分など、素晴らしい性能に恵まれている物理クッションであることが採用理由です。当初はステロ+守るで採用していましたが、最終日が近付くにつれ、ステロを撒く暇がなくなりがちで、TODを狙う身代わり+守るも、相手の隠密や身代わり積みなどで突破されてしまう課題に悩んだため、マジカルフレイムや地面テラバを採用していない瞑想+身代わりハバタクカミや、隠密サーフゴーを解決できるテラ鋼で鈍い+地震にしました。当初は守る+地割れでテラ水でしたが、やはり身代わり対策の方が、勝負を終わらせないためにも必要なので鈍いは確定しました。一応、カスタマイズ案として鈍い+地割れという構成も対応範囲はかなり広いため構築次第では強そうだと考えています。今期のキョジオーンは全体的に隠密や身代わりによるメタを誘って返り討ちにする戦法が流行ったように思います。この型もその方向性で使っているため、今期のトレンドに乗った形となりました。

カイリュー

特性:マルチスケイル
持ち物:ゴツゴツメット
テラスタイプ:フェアリー
ステータス:191-176-128-x-122-120
技:神速/地震/竜の舞/羽休め
・ASガブリアスを1舞地震2発で高乱数撃破
・ASパオジアンを1舞神速2発で高乱数撃破
・A200悪ウーラオスの暗黒強打をマルスケ込み2発耐え
・竜舞1回で最速オーガポン抜き

主にウーラオスなどへの対物理クッションから、竜舞からの全抜きまで幅広く仕事をこなせる汎用カイリューです。この汎用カイリューが絶妙な仕事をできるからこそ、この構築が完成したと言っても過言ではありません。ガブリアスが先発から来そうならこのカイリューも先発から展開して即テラフェアリーを切って竜舞→地震2回でガブリアスを突破して数的優位を取るプレイは何回もありました。カイリューの調整としては珍しい、竜舞1回で最速オーガポン抜きまでS努力値を割いているため、非常にシビアな火力や耐久になってはいますが、どれも最低限を確保できているため、シーズン10の環境では大いに役立ちました。また対パオジアンなどへの、最後までテラを隠し通せば神速地震を見た相手がテラノーマルだと確信して噛み砕くを打って来た時にテラフェアリーを切って倒すこともありました。この珍しい構成は一見アンチシナジーに見えますが、この構築のカイリューに求められた仕事をフルに引き出すためにはこの構成の型でしか実現できません。

イーユイ

特性:災いの珠
持ち物:拘り眼鏡
テラスタイプ:炎
ステータス:131-x-100-205-140-152 控目CS
技:大文字/オーバーヒート/火炎放射/悪の波動
・HB基調の非チョッキディンルーをテラ炎オバヒで確定1発撃破

この構築の特殊方面のサイクルクラッシャーです。積極的に先発から出して行き、ディンルーなどの有利対面が発生すればいきなりテラ炎を切ってオバヒで1発撃破して数的優位を取るプレイを多用していました。ディンルーの他にカバルドンやドオー、へイラッシャ、ブラッキーなどの物理クッションを崩すために重宝し、また眼鏡テラフェアリーハバタクカミへも対面で勝てるテラ炎がとても役立ちました。ですがやはり拘り眼鏡なため、テラフェアリーヒードランなどのサイクル構築にはかなり厳しいプレイを要求されることが多く、後から思えばこのポケモンもテラフェアリーなどにして悪巧みで打ち分けする型にした方が強かったのではないかと振り返っています。

悪ウーラオス

特性:不可視の拳
持ち物:気合の襷
テラスタイプ:毒
ステータス:191-200-121-x-81-133
技:暗黒強打/不意打ち/ドレインパンチ/剣の舞
・ドレパンでCSテツノツツミを高乱数撃破

対面性能が高く、剣舞からの暗黒強打やドレパンなどを連打することによる崩し性能も高いことから、耐久調整かつ襷かつテラ毒で採用しています。Sを下げることにより、ミラーで下からドレパンを打てるため、テラ毒も合わせてミラーにも対面有利です。このポケモンの特徴を一言で表すなら「隙の無さ」に集約されると考えており、この構築で重たいテツノツツミやハバタクカミへの対面性能を確保しながらも崩しや詰めに参加できるため、対面選出からサイクル選出まで、先発からアンカーまで、幅広く選出できました。対キョジオーンには剣舞を積み切ってからドレパン連打するだけで、相手がテラフェアリーを切ってきても解決可能なところが非常に便利な特徴です。

最終結果

最高48位/レート2052
最終171位/レート2020

謝辞

このシーズンに色々相談に乗って頂いた、破滅さん、あるけみぃさん、Cygnusさん、ぶるーさん、Alterさん、麻婆豆腐さん、あざむきさん、いずみさん、くりぷとんさん、ありがとうございました。