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FBS通貨:機能分離通貨(365夢Screen115)

シルビオ・ゲゼルの「自由通貨」から、
「FBS通貨」という通貨形態を考案したのは
多呂ご兄弟だ。

日本の特許庁にも特許申請済みだ。

「FBS通貨」には
シルビオ・ゲゼルの「自由通貨」にはない
3つの機能が付加されている。

1つ目は、
「FBS通貨」が機能分離通貨であることだ。

2つ目は、「FBS通貨」が
円との等価交換を許容していることだ。

3つ目は、「FBS通貨」は
貨幣自体に“相場機能”が内蔵されていることだ。

「FBS通貨」の「FBS」とは何か?

「F」は「Flow」で、
貨幣の「交換媒介」機能を意味している。

「B」は「Balance」で、
貨幣の「価値尺度」機能を意味している。

「S」は「Stock」で、
貨幣の「価値保蔵」機能を意味している。

「FBS通貨」が機能分離通貨であるとは、
この通貨では、
従来の法定通貨が曖昧にしてきた、
「交換媒介」機能、
「価値尺度」機能
「価値保蔵」機能に
それぞれ別の媒体を用意して、
各媒体に固有の機能を分担させていることだ。


その3つの機能媒体を有機的に統合することで
「FBS通貨」が貨幣の3機能を
過不足なく実現する統合的通貨形態であることを
担保している
というわけだ。

端的に言うと、
「FBS通貨」では、
“交換媒介通貨”と“価値保蔵通貨”は別の
固有の媒体(紙幣)によって分担されている。

“交換媒介機能”の媒体を「Form」紙幣という。

“価値保蔵機能”の媒体を「Stamp」紙幣という。

“交換媒介通貨”の表面には、
「Form」の文字と額面が印刷されており、
それが流通用紙幣であることを明示している。

「Form」紙幣の裏面には、
「Stamp」を貼付する52枠が、
1年52週の同一曜日の日付とともに印刷されている。

つまり、この交換機能媒体である
流通用の「Form」紙幣は、
裏面に印刷されている期間を超えて
交換市場で流通することはできない
ということだ。

現行の法定通貨が、
たとえ、紙幣に何年発行と印刷されていても、
紙幣の物理的形体の劣化を除けば
紙幣の価値は理論的には
いつまでも額面通りに流通する
(という建前である)のとは対称的だ。

「FBS通貨」では
“価値保蔵通貨”の表面には、
「Stamp」の文字と額面が印刷されており、
それが貯蔵用紙幣であることが明示されている。

つまり、
この「Stamp」紙幣は貯蔵機能に特化した紙幣であり、
「Stamp」紙幣だけでは流通機能をもたない。

「Stamp」紙幣が流通場面に登場するのは、
流通紙幣「Flow」媒体の上に乗ったとき、
つまり「Flow」紙幣の裏面に
「Stamp」として添付されたときだけだ。

額面1万円の「Stamp」紙幣の裏面には、
購入時の初期状態では
50枚の「Stamp」が貼付されている。

そして、
この初期状態の「Stamp」紙幣が、
「円」との等価交換が許されている
「FBS通貨」媒体だということになる。

当面、
額面1万円の「FBS通貨」を発行すれば
「国民生活通貨」機能には充分だろう。

その場合、
裏面に貼付する「Stamp」1枚の額面は
200円ということになる。

つまり、
(商品の購買に使える)1万円の「Form」紙幣は、
1週間で200円減価する
ということだ。

「Stamp」紙幣は、減価しない。
しかしそれだけで単独には商品の購買には使えない。

これが、
「FBS通貨」の「Flow」媒体と「Stock」媒体だ。

残りのもう一つの機能、
「価値尺度」機能の現象形態については
次回にゆずる。

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