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Advanced Squad Leader (ASL) 勝利への道:CHESTNUTS! HOT CHESTNUTS!(攻撃側の視点から)

(For English speakers, DeepL translator app is useful. -> https://www.deepl.com/translator)

シナリオの概要

1944年7月8日、フランスのビュロン村
要衝カーンの攻略の一環として連合軍は、チャーンウッド作戦を発動。カナダ軍ハイランド軽歩兵は、ドイツ軍防衛の要であるビュロン村の占領を命じられます。守備にあたるヒトラーユーゲント師団は、地雷原と対戦車壕の背後に陣取っていました。
7月8日の朝、カナダ軍の歩兵部隊は、戦車と第6野戦砲連隊の支援を受けながら村に突入…という史実に基づくシナリオです。

史実では、アルデンヌ修道院から数台の戦車を得て、ドイツ軍は決死の覚悟で村の建物を保持。カナダ軍は、戦力が半減する多大な犠牲を払いながらも、占領に成功します。

今回は当方が攻撃側のカナダ軍を担当。プレイエリアは以下のとおり。

カナダ軍の勝利条件は、ゲーム終了時にマップ12のM~V列間の全建物・瓦礫を支配することです。

防御側のドイツ軍の初期戦力は以下のとおり。SANは5、ELRは3です。

ドイツ軍は第4ターンに、パンター中戦車3両の増援があります。南側(以下「左」と呼ぶ)盤端より進入します。

攻撃側のカナダ軍の初期戦力は以下のとおり。SAN3は、ELRは4です。北側(以下「右」と呼ぶ)盤端より進入します。

SSRは以下のとおり。
1. ECは普通、開始時は無風。放火はNA。
2. ドイツ軍OBにある塹壕は対戦車壕(B27.56)である。林/建物/瓦礫に隣接して配置された対戦車壕は林/建物/瓦礫の絵柄とつながり、共有ヘクスサイドに沿った AFVの迂回を禁止する。ドイツ軍は 84 対人地雷原戦力(一部でも全部でも対戦車地雷戦力に変換できる)を有し、そのうちの 60 戦力は確認状態の地雷原として配置する (F.7)。対戦車壕も確認状態で配置する。
3. ドイツ軍分隊1個相当とスタックする指揮官/SWをHIP配置できる。
4. 地形が許せば、ドイツ軍ユニットは適切なサイズの単独壕内に配置できる。
5. ドイツ軍は適切なタイプの瓦礫カウンターを8個、 建物ヘクスまたは瓦礫となった建物ヘクスに隣接して配置することができる。瓦礫で地上レベルへの経路がなくなった建物区域に、ユニットを配置するのは不可。
6. カナダ軍は80mm OBAが与えられ、ドイツ軍の初期配置前に、レベル2の盤外観測員を北端に沿って秘密理に配置する。

第1カナダ軍ターンの考察と進行

ドイツ軍の初期配置は以下のとおり。

村落への正面からの侵入を拒むように、対戦車壕、地雷原、瓦礫がずらっと並べられていますが、これは想定の範囲内。さて、どうしましょうか。

まず、カナダ軍の戦闘序列は3グループに分かれており、各グループは「1ターン目かそれ以降に進入する」とあります。が、2ターン目以降に進入する妥当な理由はないので、全軍一列に並んで1ターン目に進入します。

盤外観測員の位置取りは、真ん中のマップの中央としました。

カナダ軍歩兵は、SWがかなり充実しており、展開するのはSW を持たない4-5-7分隊2個(→2-3-7×4)にとどめます。

進入時点で、村の建物のレベル2のドイツ軍スタック3個の射界内に入ります。それらはいずれも?マーカーが3つ。てっきり、1個分隊+HMGや+MMG&指揮官からなる?マーカー4つが、2か所に置かれるものと予期していたので、これは意外です。

なんとなくダミーっぽさがあります。ドイツ軍には?マーカーが8個与えられており、建物のレベル2のスタック3個(?×9個)全部をダミーにはできません。それでも、1~2スタックはダミーと勘繰ります。

…そう思わせて、ダミースタックと重ねてHIPのHMG分隊が潜んでいる可能性もあります。推測に推測を重ねてもキリがないので、これくらいにしておきましょう。

75mm対戦車砲の位置については、皆目見当もつきません。

一方、戦力不明ながら確認状態ではある10個の地雷原は、ほぼほぼ6戦力の対人地雷原と確信できます。すぐ背後に対戦車壕と瓦礫の列があるので、対戦車地雷原ということはないでしょう。屋上屋を架すような真似をする理由がありませんから。

次に考えるのは進撃ルートです。戦いの焦点となる村は、3枚のマップの中央マップの真ん中に限られます。なのに、上と下にマップがあることで、カナダ軍は、正面からの突入は避け、迂回して村の裏手から接近するオプションが与えられています。

…そのオプションをとるべきかどうか、メリットとデメリットを検討してみましょう。

メリットは、いうまでもなく村の前面にずらっと敷かれた地雷原、対戦車壕、瓦礫をさくっと回避できることです。

デメリットは、第一にそこにたどり着くための時間がかかりすぎることです。上のマップで3~4ターン、下のマップは道路が延びているため若干早くなりますが、それでもタイムロスは無視し得ないものがあります。

そして、仮に迂回路をとった場合、ドイツ軍は何の障害も抵抗もなく、村の背後へ入れてくれるはずはないでしょう。路上にHIP対戦車地雷原を置き、後背のどこかに75mm対戦車砲を潜ませ、痛撃を与えるであろうことは容易に想像できます。さらに確実な話として、4ターン目に3両のパンターがやってきます。せっかく村の背後を突いたとしても、その背後から致命的な打撃を受けるわけです。

そもそも全戦車は11両しかないので、跨乗兵も11個分隊が限度です。残りの7個分隊は、助攻として正面から突入させるのでしょうか?

よって迂回ルートを取る案はボツです。正面から真っ向勝負です。

最初の3ターンは、ひたすら接近そして啓開路をつくります。戦車は地雷や林を通行して轍をつくります。一部は、瓦礫に進入します。

対人地雷原に進入/退出する際に走行不能となる確率は、ピンゾロ×2回で6%。瓦礫に進入してボグになる確率は42%(瓦礫+3DRM、中接地圧+1DRM)。林に全移動力を消費してボグになる確率は、8%(中接地圧+1DRMのみ)。ボグになったとして、次のターンにボグから離脱できる確率は66%。賭けてみて悪くはない確率です。1戦力の対戦車地雷原を無事通過できる可能性(66%)に賭けるよりマシでしょう。そちらは踏んだら即走行不能ですから。

対人地雷原やボグから走行不能となる戦車は、辛く見積もって3両。残る8両で、歩兵と協調しながら敵拠点に突入します。

歩兵は、開豁地を突っ走りながら、戦車が切り開いた道へとりつくのは3ターン目。その次のターンに、パンターが急行してきます。瓦礫でもがいている戦車はいいカモです。ヒトラーユーゲントの若い兵士だって、のんびり見物するはずもありません。

うーん、4ターン目からのいい絵が描けませんね。OBAは当てにならないので、除外していますが、当てにしなくてはいけない様相です。他に名案と呼べそうなものも思い浮かず、上記の方針でやってみます。

開戦の火ぶたが切って落とされました。

以下3本のYouTube動画は、第1カナダ軍ターン~第2カナダ軍ターンの進行となります。

序盤では、ほぼ語ることはありません。カナダ軍はひたすら前進あるのみです。

歩兵はAFVの援護なしで移動するなか、ドイツ軍は全火力で撃ってくるかと思いきや、予想の反しておとなしいものです。「2個分隊は犠牲になるだろう」と覚悟を決めていたので、ある意味拍子抜けた感じ。それでも1個分隊が、敵のLMGで損耗しましたが、まったく許容範囲です。

戦車は1両が対人地雷で走行不能になりました。また1両が瓦礫でボグってます。

ここまでは囲碁でいう「布石」のようなもの。本当の戦いはこれからです。

第2カナダ軍ターンの終了時

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