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Advanced Squad Leader (ASL) 勝利への道:[翻訳記事] ASL歴30年のベテランが教える「ASLの計画立案」

本記事は、ブログThe Bishop Saysで公開されているPlanning in ASLの全訳です。ブログ主のJim Bishop(ジム・ビショップ)さんは、ASL歴30年の大ベテラン。このたび、ご本人の特別な許可を得て、翻訳のうえ、日本のASLerにもこの有益な知見を共有すべく一挙公開します。なお、本記事の著作権はBishopさんに帰属します。

はじめに

ようこそ。この度、私のブログから厳選した記事をご紹介できることを嬉しく思います。長い間、当ブログの記事には互いに関連性があり、順番をたどって読むべきだと感じていました。それによって、ASLの計画立ての強固な基盤になると信じています。ただ、それが唯一の道(方法)だと錯覚しているわけではありません。“道”とはマンダロリアンだけが持っているものであり、そうありたいとは思ってはいても、いかんせん私はマンダロリアンではないので。

訳注:「マンダロリアン」とは、「スター・ウォーズ」スピンオフ作品に登場する戦士族。

私がブログを始めたのは、ふとしたきっかけでした。退職したばかりで、時間に余裕があったのです。ソーシャルメディアで、同時射撃の解決の正しいやり方の議論がなされていたとき、軽々しくもそれについて記事を書こうかなと提案しました。友人のビル・ストップルは、書くよう勧めてくれました。書いたのが18か月前のことですが、それ以来80本以上の記事を書いてきました。ほとんどは私のブログに掲載されていますが、その他にも『ASL Journal』、『Banzai!』、『A View from the Trenches』、『Hazardous Movement's Horizon』にも載っています。

この間、選んだトピックは行き当たりばったりでした。読者から提案されたトピックもありますし、誰かが間違ってプレイしていたり、ゲームの概念に苦労しているのに気づいて、それが新しい記事のネタにもなりました。掲載の順番には、あまり規則性も理由もありませんでした。これはおそらく、ずっとそのままでしょう。ASLに対する興味は、あちこちにあるのですが、この理路整然ではない見せ方では、より深く教えるための機会が失われてしまっています。

書いて考えているうちに、記事の内容やASLのプレイには、語られざる方法論があることがはっきりしました。私は最初に、これを「ASL Maxims」(ASLの大原則)シリーズの記事に書き出し始めました。これが、どのようにして基盤的なものとなるのか、まだわかっていませんでしたが。

それは、「ASLの野戦構築物」(Fortifications in ASL)の記事を書いているときに起こりました。そのとき、私は同じ内容を繰り返すのではなく、大原則の過去記事に言及していることに気づいたのです。その過去記事では、私の推論が概説されており、意味が分からなければ、その記事を読み返すよう伝えています。この時、私は何かをつかんでいると確信しました。

次に、私は「ASLにおける防御」(Defenses in ASL)を書きました。この記事は、『From the Cellar』のトビー・パイリングによる独創性に富んだ記事の後に登場しました。トビーの記事が掲載されたとき、私は自分の記事を書いていました。トビーの記事を読んだのは、私の記事を書き上げた後でした。それで、トビーの記事が先だったのです。興味深かったのは、「防御」に対する二人のアプローチがいかに似ているかということです。各々自分がやっていることを説明するのに違った言葉を使いましたが、概して同じアプローチでした。

大きな違いは、私にはソフトウェア開発の経験があることです。私にとっての「防御」は、パターンがすべてです。目標を認識し、適切な地形を認識し、そのパターンを適用するための資産を認識する。パターンは、"いつ撤退を開始すべきか"、"どのように資源を配分するか"、"どこにSWを配置するか "といった質問に答えるのに役立ちます。パターンによって、VCを達成し、ゲームに勝つという目標を、より小さな個別のタスクに分割できます。そして、そのタスクを解決するために、資源を適切に割り当てることができるのです。タスクを解決すれば、ゴールに到達し、勝利します。また、パターンは応用範囲が広いので、プログラミングと同じように、一度覚えたパターンを何度も応用できます。

このシリーズの最終回は、「ASLにおける攻撃」(Attacking in ASL)でした。これは、トビー・パイリングの後押しで書いたものです。悲しいかな、この記事は「防御」の記事ほどパターンに基づいたものではありません。防御とは反応することです。土地を支配しようとすることです。防御ではパターンが重要なのです。一方、攻撃はイニシアチブをとることです。攻撃箇所を決め、敵を粉砕することです。攻撃は何かを「起こす」ものです。攻撃は参加型スポーツです。それでも、大原則の記事は、攻撃の方法論を説明するための良い基盤となりました。これで、すべての筋道が通るようになりました。

しかし、これはあくまでも私の見解であり、このテーマに関する私見であることに注意してください。「間違った」方法と同じくらい、多くの「正しい」方法があります(ピート・"Wrongway"・シェリングはただ1人ですが)。これは私にとっては有効であり、ASLの計画立案の体系的なアプローチとして理にかなっています。しかし、あなたにとってはそうではないかもしれません。私がここで言うことすべてに、あなたは強い異論を唱えるかもしれません。私が確実に知っているのは、これが私にとって有効であり、しばらくの間有効であったということだけです。私はプレイしながら進化し続けているので、将来は考え方が変わるかもしれません。ですが、さしあたり本稿で紹介することは私には有効なのです。あなたにも有効だと思います。

訳注:ピート・"Wrongway"・シェリングは、ASLの著名シナリオデザイナー。"Wrongway"は、氏のハンドルネームのようなもの。

私は、30年にわたる自身の学びを、本稿に凝縮しました。基本的なフレームワークと、そのフレームワークをASLにおける防御、野戦構築物、攻撃にどのように適用するかを説明しています。これは、新規のプレイヤーがASLに対する独自のアプローチを確立するのに非常に役立つと確信しています。本稿でまとめて提供できることをうれしく思います。これらの記事がいかに一貫したフレームワークで結ばれているか、最後までご覧いただければと思います。そして、本稿があなたのASLをより楽しむための一助となることを願っています。

編注:この最初の記事は、他の全記事の基礎となるものです。これらの「大原則」(Maxims)は、私のASLのプレイの基礎となるものです。攻撃、防御、ASLの一側面について記すとき、常に私の思考の中に存在しているもののです。これらの大原則は、私の思考を集中させ、ASLをプレイする際の判断のフレームワークを形成するのに役立っています。私の意見では、これは記事全体の中で最も重要なものです。本稿の他の記事を読めば、私が常にここにある考えをふまえていることがわかると思います。

訳注:Maximsには「格言」「極意」といった意味がありますが、「大原則」と統一しました。

私のASLの戦術の大原則

これは、戦術的なヒントに関するシリーズになるかもしれない最初のものです。そのためには、いくつかのことを前もって伝えておく必要があります。物事を行うには常に複数の方法があります。あるやり方は他のやり方より「正しい」ですが、「間違った」判断でもうまくいくことがあります。そのうえで、私は世界最高のプレイヤーですと主張しているわけではありません。ASL Player Ratingsによると、私のプレイヤー・レーティングはいつも1700±100ポイントです。これは私が、好ましくて、健全な、戦術的なアドバイスを提供できないということではありませんが、他の多くの人が少なくとも同じくらい、中にはそれ以上の資格を持っていることを認識しています。

この記事の最後に、私がシナリオにアプローチする際に用います。フレームワークを理解していただければと思います。今後、戦術に関する記事を書く際には、これらの原則にあたり、あるときは従い、あるときは曲げ、またあるときは完全に無視します。これまでの多くの記事とは異なり、この記事はほとんど私見に基づいているので、誤解のないように。それでは始めましょう。

私のASLの大原則

ASLには大原則はほとんどありません。私は個人的に4つ持っていますが、正直に言うと、古い米陸軍作戦計画の頭文字のMETT-Tを変形させたものです。さて、私のASLの大原則は次の通りです。
1. 勝利条件:任務であり、何よりも成功とは何かを定義する。
2. 地形:任務の舞台となるキャンバス。
3. 時間:任務を達成するための制限時間
4. 戦闘序列: 要求を満たすために利用可能な資源(資源)
1は、私の意思決定の原動力です。他の3つは制約であり、1を達成するために努力を集中させます。これらを組み合わせることで、私の初期配置とゲームプレイを推進させます。これらが私にとってどのように作用しているか、またあなたにとって有用かどうか見てみましょう。

第0の大原則

はっきりさせましょう。勝つためにプレイすることと、楽しむためにプレイすることは、相反することではありません。「私は気軽にしかプレイしない」「私は楽しむためにしかプレイしない」と聞くと、正直気が狂いそうになります。勝つためにプレイしてもいいし、楽しくプレイして良いプレイヤーでいることもできます。勝つためにプレイしても、ASLをプレイするのは楽しいものです。ベストを尽くし、勝つために努力することは、ゲームから楽しみを奪うものではありません。ただ、悪い行いは、誰が勝っても負けてもゲームから楽しさを奪ってしまいます。

勝利条件

勝利条件は、成功・失敗を定義するものです。それを満たせば勝利、失敗すれば敗北です。あなたが行うすべての行動と決定は、勝利条件を満たすためのステップとすべきです。勝利条件は、常にあなたの頭の中にあるべきものです。もし勝利条件(VC)が最後にユニットを残すことを必要としないなら、勝利のためにすべてを犠牲にすることは実行可能な選択肢です。ゲーム終了時に戦車が残っている必要がない勝利条件なら、なぜ戦車が撃破されることを心配するのでしょうか? VCを満たすために戦車が撃破されるのであれば、その撃破は正しい方向への一歩となります。他のOB(戦闘序列)の駒も同じです。もしそれがVCを満たすために使われているのなら、正しく使われているのです。

VCというからには、それを実現するために何が必要かを理解しましょう。建物Xを支配する必要があると知るだけでは十分ではありません。他のあらゆる種類の支配条件についても同様です。これを怠ると、意識してVCを実現することが著しく困難になります。

私は以前、ショーン・デラーと対戦したとき、盤上に1枚も駒が残っていない状態で勝ったことがあります。防御側の私が勝つための条件は、ショーンが幾つかの小屋を支配するのを阻止することでした。最後に誰かが生きていることが必要条件ではありませんでした。指揮官やMMCも含め、OBにあったものがゲーム終了時にはすべてなくなっていたか、故障していたのです。が、それでも私は勝ちました。結局、ショーンは小屋を支配するために必要な場所に行けなかったというだけで、それがすべてだったのです。何はなくともVCなのです。

地形

私が地形を2番目に挙げたのは偶然ではありません。勝利を決定する上で、VCよりわずかに重要性が劣るというのが私の考えです。地形はプレイが行われる舞台であり、盤上を移動するペースを決定します。地形の一部は、しばしば我々の目的地を限定します。地形は、行動すべき空間を制限します。また、初期配置するエリアも限定します。"ファースト・ゴー "の地形は、素早く進撃できます。"スロー・ゴー"の地形は横断に時間がかかります。"ノー・ゴー"の地形は、動きを遮断します。これにより、戦場での移動方法が制限され、VCを遂行する能力に影響を与えます。

また、地形によって火力の発揮の仕方が制限されます。直接観測して直接射撃できるものもあれば、そうでないものもあります。地形は地形効果修正(TEM)という形で、両軍に防御の利を与えることができます。地形は、妨害という形で隠れる場を提供し、両軍を射撃から守ることができます。開けた射界のある強固な防御地形に打ち勝つのは困難です。

攻撃や防御を計画する際には、地形の影響を考慮しなければなりません。強固な防御地形を選ばないと、攻撃に耐える能力が阻害されます。地形上の移動を考慮しないと、第3の大原則に抵触することになります。各陣営は "高速進入経路"を強く意識する必要があります。これはVCエリアへの最短距離であり、攻撃側が勝利する近道です。防御側はこの経路の使用を阻むか、その地形を使用するための通行料を法外に高くしなければなりません。

時間

時間は暴君です。ASLというゲームにおいて、時間は有限です。たとえ20日間にわたるキャンペーンゲームをプレイしていたとしても、攻撃側が勝利するために必要な時間は有限なのです。時間は刻々と過ぎていきます。時間が攻撃のテンポを決するのです。新参プレイヤーにとって最も難しいことの1つは、攻撃のテンポだと思います。防御側としては、序盤で相手の攻撃を遅らせることができれば、終盤でもっと危うい行動を取らなければ勝てないというプレッシャーを与えることができます。

私の場合、最初に盤面に向かったとき、VCと初期配置の制限を確認します。勝利するためには、何ヘクス進まなければならないかを確認します。これを時間で割ると、毎ターンどこまで進まなければならないか、おおよその見当がつきます。これによって、自分が「予定より進んでいる」のか「遅れている」のかを知ることができるのです。

悲しいかな、こんなに簡単なことはないのです。前面に広がるヘクスを数えるときは、スロー・ゴー地形やノー・ゴー地形を考慮しません。計画を立てる際にこれらの要素を含めます。防御側として、あなたは攻撃側に対して可能な限り、ファースト・ゴー地形の進撃を阻もうとします。もし相手がファースト・ゴー地形を使用するなら、できる限りVCから遠ざけたいものです。移動障害物(鉄条網、AT壕、地雷など)は、簡単に迂回されないよう、できるだけノー・ゴー地形と接続させます。地形と障害物を利用して、攻撃側をキルゾーンに誘導し、足止めして前進を遅らせるのです。

もうひとつ、気をつけるべきは、垂直性です。丘のような垂直性ではなく、建物のような垂直性です。VCの建物は、階ごとの確保に1ターンかかると考えればよいでしょう。上階の包囲と掃討の併用が鉄則です。上階から敵ユニットを排除するのは時間がかかるので。

戦闘序列

戦闘序列は、勝利を手にするために与えられた道具です。ここに来るまでに、多くのことを考えなければなりません。あなたはすでにVCを学び、マップを見て、これらが対戦にどう影響するかをすでに考えています。VCを達成するために、攻撃側が維持すべきタイムラインと「スケジュール」もすでに確認しています。残る作業は、VCを達成するために自分の資産をどう有効に使うかを決めることです。

この時点で検討すべきことがいくつかあります。
▪ VCを達成するために必要なユニットはありますか? VC を達成するためにはどのユニットが必要ですか?
o 歩兵だけが建物を支配できます。
o 統制状態のユニットだけが EVP のために退出できます。
o 橋を破壊するためにDCの設置が必要ですか?
▪その資産をどう守るか、勝つために必要な場所にどう安全に行かせるか。
▪防御側として、どのようにしてこれを防ぐつもりですか?
▪どちらの側にもCVPの上限がありますか?
o あなたの計画はこの可能性を考慮する必要があります。
o 攻撃側として、どのようにして自軍を護りますか?
o 防御側として、どのようにして攻撃側をCVPの上限に押しやるつもりですか?
• あなたのOBは相手のOBより何か有利な点がありますか?
• あなたのOBは相手のOBにどう対処するつもりですか?
o 場合によっては、それは明白ではないかもしれません。
o もしかしたら、あなたの対戦車資産は「意図的な走行不能」にしか役に立たないかもしれません。
o あなたの対戦車資産は狂信的な歩兵だけかもしれません。

まとめ

冒頭で述べたように、これが唯一のアプローチというわけではありませんが、これが私のやり方です。今後、これを参考にしながら進めていきます。先に進む前に、必ず時間をかけてこれを理解してください。もし何か混乱することがあれば、戻って該当部分を読み直し、理解してください。これは、後に続くすべての基礎となるものです。基礎がしっかりとしていることを確認してください。

編注:私の「ASL Tactical Maxims」(ASLの戦術の大原則)の記事は、ASLの戦術について書いた最初の記事でした。当然のことながら、実行の詳細については短いですが、アイデアについては長いです。これは新参プレイヤーにとって特に役立つものではありませんが、私は自分のためにこの記事を書いていたのです。私は少し落ち込んでいました。勝てるはずの相手に負け続けていたのです。なぜ敗北するのか理解しようとしていました。そのとき私は、必ずしも勝てる状態に自分を置いていないことに気づきました。すべての選択肢を考えていたわけでも、勝つために適切な計画を立てていたわけでもなかったのです。ただ、盤上に駒を並べ、自分の才能だけで勝てればいいと考えていたのです。でも間違いでした。

計画について考え始めたとき、米軍にいた頃のことを思い出し、そこで紹介された計画の頭文字を思い浮かべました。その計画の頭字語を、自分の目的に合うように簡略化し、このようにアレンジしました。すると、すぐに良い計画が立てられるようになりました。不意打ちを食らうことが少なくなりました。勝つために何をすべきか、そして自分の資産を相手の資産にどう対抗させるかを理解したのです。

この理解によって、私の資産はしばしば相手の資産と対抗できる場にあることに気づきました。もう、勝負にこだわるのではなく、勝つことにこだわるようになりました。苦悩が薄れ、ゲームの楽しさが増してきました。悔しさも薄れてきました。個人的な士気も高まってきました。攻撃も防御も臨機応変に対応できるようになりました。イライラがなくなると、一緒にASLをするのが楽しくなりました。不機嫌さが消え、態度がよくなりました。またASLをプレイできることが嬉しくて、それが表に出ています。

ブログの掲載順では2番目の記事が、本稿の次項にあります。そこでは、ASLにおける野戦構築物を扱います。この記事を書いている間に、戦術面の大原則の力を理解し始めました。野戦構築物をいつ、どこに配置するかを考えるとき、私はVC、地形、時間、敵のOBという観点で考えていることに気づいたのです。防御側が勝利するために、野戦構築物をどう使うかという観点で考えていたのです。このとき、私は何かを掴んだと思ったのです。

ASLにおける野戦構築物

「野戦構築物」は ASL の総称的な用語であり、主に⅝カウンターの様々な地形の変化を表現するために使用されます。私は、この呼称では汎用的に過ぎ、下位分類が見え隠れすると考えています。私見ですが、"野戦構築物"と"障害物 "があるという方がより正確でしょう。この記事では、この2つの違いを分解し、両方の使い方の一般的なアドバイスを提供することを目指します。また、その使い分けに関するルールやQ&Aについても考察していきます。この記事を読み終えたとき、"野戦構築物"の使い方をより深く理解していただければ幸いです。

洞窟とパンジーは野戦構築物ですが、この記事ではそれについて掘り下げません(私が何をしたのかわかりますか)。洞窟はトーチカに似ていますが、これは非常に単純化されたものです。パンジーは鉄条網によく似ています。とりあえず、他のものに焦点を当てましょう。

その前に、この記事は主にETOのプレイに焦点を当てていることを明確にしたいと思います。一般的な原則を説明したいからです。PTOとDTOのプレイにはいくつかの特殊性がありますが、この記事では無視します。これは私が意識的に決めたことです。適切と思われる場合には、それらの具体的な内容について言及することにします。

野戦構築物を配置する際の考え方

野戦構築物を配置する前に、攻撃側がどのように防御を乱すのかを考える必要があります。ASLでは、3つの方法があります。
1. 火力―ユニットが他のユニットを撃つこと。
2. 機動―ユニットを有利な区域へ移動させ、友軍のリスクを高める。
3. 1と2の組み合わせ
額面通りに考えれば、攻撃側がある場所に到達するまでの時間は限られているため、機動の方がはるかに効果的です。ほとんどすべての場合において、攻撃側はただ座っているだけでは負けます。機動は攻撃側の最も重要な武器なのです。

ASLにおける野戦構築物と障害物の適切な配置は、それらを協調的な防御に適合させることが前提です。障害物は敵の機動力を低下させます。野戦構築物は、攻撃側の火力から歩兵を守り、自軍の火力を維持するのに役立ちます。これらの連携の原則は、この記事の枠を超えています。私の方法を見るには、My ASL Tactical Maximsの記事を読むことをお勧めします。私の方法を実際に見るには、私のシナリオ分析記事を見ることをお勧めします。

[編注:「Tactical Maxims」(戦術の大原則)の記事へのリンクに注目ください。この記事を読みながら、当該記事へのリンクやその中に含まれるコンセプトをすべて拾い上げられるかどうか試してみてください。]

隠匿初期配置

ルールで記されているとおり、野戦構築物はすべて HIPで配置されます。隠蔽地形においては、野戦構築物は統制状態の敵軍地上ユニットが16 ヘクス以内にLOSが通るか、野戦構築物にいるユニットが防御TEMを適用するか、野戦構築物にいるユニットが隠蔽を失うまでは、隠匿状態を維持します。隠蔽地形にない野戦構築物も同様に隠蔽状態を失いますが、LOSの長さは問題となりません。さらに、隠匿野戦構築物は隠匿されているかぎり、進入と退出にMP/MFを消費しません(脚注1)。ただし制限があるので、A12.33を参照してください。これは重要なポイントです。自軍ユニットは隠匿鉄条網を通って後退できますが、その際に鉄条網の「下」に入る退出判定をおこなう必要はありません。これで追撃してくる敵ユニットを驚かせることができます。

では野戦構築物から始めます。

野戦構築物の配置

野戦構築物を配置する目的は、歩兵にさらなる「耐久力」を与えることです。壕、トーチカ、および要塞化された建物区域には、地形効果修整(TEM)を追加するという共通点があります。このようなTEMは敵の射撃の効果を減少させ、自軍の歩兵の防御力を増加させます。しかし、これだけではありません。後ほど、いくつかの追加効果について説明します。

この追加TEMはすべて重要です。攻撃側は、殺戮の場へと流されていきます。攻撃側の火力が集中すると、防御ユニットへの危険性が高まります。野戦構築物は襲い来る攻撃の質を低下させることで、歩兵の安全を確保するのに役立ちます。歩兵の生存能力が高まれば、防御陣は敵に射撃し続けることができ、勝利の可能性が高まります。[編注:大原則1]

単独壕は、大好きな人もいれば、(筆者も含め)無関心な人もいますし、絶対に嫌だという人もいます。ベテランプレイヤーの中には、しばしば "死の罠"と呼ぶ人もいます。新参プレイヤーは、単独壕の中でユニットが全滅するのを見る前に、これを防御の防波堤として見ています。単独壕の"死の罠"としての悪評は、部分的には当然であり、部分的には単独壕の適切な使い方に対する誤解であり、大部分はASLでルール化された入退出によるものです。
土塁については特に説明しませんが、単独壕に近い存在です。それぞれ同じような長所と短所があります。残念ながら、土塁はプレイ中に構築できず、OBから与えられた野戦構築物としてのみ利用可能です。

図1

脚注1:A12.33, B26.42, B26.43, B26.44, B27.55, B27.56, G9.4, G9.422, G9.46, G9.53

Q:A12.33によれば、「ユニットが隠匿された野戦構築物(鉄条網は含むが、パンジーは含まない)に進入/退出する場合、その野戦構築物の隠匿状態が保たれているなら、歩兵/騎兵(だけ)が道路障害ヘクスサイドを横断する場合も含めて、その野戦構築物に進入/退出する為のMF/MPを消費する必要はない」とあります。これは鉄条網/パンジーの「進入」にもみなされ、MFは0になるのでしょうか?
A. 歩兵が鉄条網の下を通ることは「鉄条網からの退出」であり、隠匿されていれば鉄条網のMFがかかりません。しかし、車両はそうではありません。G9.4の最後の文にあるように、パンジーは全く別のものです。
Q:MFに関係しない制限は適用されますか? 例えばCX/ダッシュのユニットがHIPの鉄条網[B26.46]を横切ることができますか?
A:はい。いいえ。

ゲーム内での構築と目的

単独壕は、プレイ中に構築できる2つの野戦構築物/障害物のうちの1つです。詳細は B27.11に書かれています。基本的に、「単独壕」を構築するためには、ユニットは準備射撃フェイズに築壕判定をおこないます。指揮修整、作業カウンター、ユニットのサイズ、および国籍の別をすべて修整した後、その DR が 5 以下であれば、ユニットの上に1S 単独壕を配置します。掘ったばかりの単独壕は、OB から与えられた単独壕とあらゆる面で同じです。どれも、同じ長所と短所があります。

図2

壕の主な目的は、OBAと敵の車両から歩兵を守ることです。このことは、カウンターで確認できます。単独壕のTEMは、OBAと蹂躙(OVR)に対して+4です。それ以外の火力に対しては、TEMは+2しかありません。しかし、この単純なカウンターの中には、「死の罠」と呼ばれるに至った致命的なデザイン上の決定が隠されています。

死の罠

B27.4において、MPh/APh において単独壕に出入りするユニットは、単独壕に出入りするために1 MFを消費します。これは単独壕のある場所に進入するのに費やすMFに加算されます。その場所が開豁地であれば、FFMOは単独壕に入る前に費やされた移動に適用されます。

防御側にとって、あたりに敵兵がいる開豁地の単独壕は「死の罠」を意味します。開豁地にある単独壕から出る場合、最低でも-1のDRM を受けます。隠蔽ユニットがそこに突撃しようとする場合、敵ユニットのLOS内の開豁地にまず移動した時点で、隠蔽状態を失います。

開豁地でない場所に設置された単独壕でも、スカルキングの問題が発生します。単独壕を出るには 1MFを要します。LOSの通る敵ユニットは、これらのユニットが退出しようとするときに射撃できます。ユニットが非警戒移動をしたら、隠蔽を失います。同じ樹木線にいて単独壕にいないユニットは、隠蔽を失うことなく簡単に逃げたり、退却したりできます。防御を計画する際には、この弱点を念頭に置かなければなりません。

適切な使用方法

これまで説明した長所と短所を踏まえて、単独壕をどのように使うのがベストなのか、考えてみましょう。まず、開豁地には設置しないでください。もし他の+2TEMかそれ以上のものがあれば、そちらを代わりに使用します。ユニットをそこに配置し、射撃を避けるためにスカルキングを期待してはなりません。他のTEMがない場合、単独壕はピンチの時に役に立ちます。開豁地でない区域で使用し、警戒移動にすれば、単独壕から出るリスクを多少軽減できます。敵が使える武器も配置の目安になります。

[編注:単独壕に関するこのセクションに共通するのは、プレイヤーとして与えられたOB(大原則4)の検討です。あまりにも多くのプレイヤーが、配置やその結果について考えることなく、ただ単独壕を置き、そこに部隊を配置しています。このテーマは、この野戦構築物の記事全体に現れています。]

適切な使い方:最後の砦

単独壕の最も分かりやすい使い方は、最後の砦となる防御陣地を作ることです。この陣地にいるユニットは、自分たちを排除しようとする敵のユニットを拘束し、命を高く売り渡すことが期待されます。私は、「HazZmo 5 - The Blood Of Lambs」のシナリオ分析で、この好例を示しました。

この防御計画では、Festung One内のユニットは、最後の一兵になるまで戦うと決めます。私は、最後の抵抗が行われることを想定して、OBに与えられた単独壕をこのエリアに配置しました。OBに与えられた単独壕の他に、OBで与えられなかった単独壕を隣接しない場所に追加で掘る予定です。隣接していない単独壕を掘ることで、ソ連軍ユニットにTEMと生存力を与えることができます。隣接していないことで、攻撃側が陣地を減らそうとするときに、より良いTEMの恩恵を受けられなくなります。

図3

[編注:この記事は時系列的に「ASLにおける防御」の記事の前にあることを忘れないでください。私が自分の考え方を限定するために、後に説明する用語を使用していないことがおわかりいただけると思います。ここでは、「死守」と「アラモ防御パターン」を組み合わせた方法を明確に定義しています。この時点ではまだ自分の考えを言葉にしていないので、後の記事との整合性が取れていません。この時点で、私の考え方は進化しています。]

適切な使い方:スカルキング

単独壕は石垣や生け垣と一緒に使用することで、「潜伏(スカルク)」状態を作り出すことができます。単独壕にいるユニットが石垣/生け垣の背後にいれば、石垣/生け垣のヘクスサイドをまたいで、『隣接』する同一レベル以下のレベルの区域を超えた場所には LOS を有しません。石垣/生け垣の後方にいるユニットは警戒移動で単独壕に入り、LOSを失ってから警戒移動で単独壕を出て、防御任務を継続できます。

[編注:スカルキングとは、MPhで戦線離脱し、APhで戦線復帰するASLプレイヤーに使われる蔑称です。これを嫌う人もいますが、好むと好まざるとにかかわらず、これはゲームの一部であり、防御側のツールキットの重要な一部なのです。多くの点で、スカルキングは防御と同義語になっています。もしあなたがスカルキングをしないのであれば、適切なプレイをしているとは言えません。

私はこのゲームの初期のプレイヤーに話を聞いたことがありますが、彼らはスカルキングは最初からあったと言いました。最上のプレイヤーは、スカルキングをしていたのです。良いプレイがプレイヤーたちに広まるにつれ、スカルキングはより一般的になっていきました。あなたが何かシナリオをプレイしているなら、プレイテストでスカルキングが使われたのはほぼ間違いないでしょう。もしスカルキングをしていないなら、自軍を不必要な射撃にさらして攻撃の効果を高めていることになります。]

適切な使い方:OBA/OVRに対する防御

OBAとOVRに対する+4TEMを考えると、単独壕がそれらの攻撃に対する防御に優れているのは当然のことでしょう。しかし、それは見かけほど良いものではありません。ユニットが単独壕にいて、開豁地へのOVR となる場合、FFMOの-1 DRM(D7.15) がまだ適用されます。林にいるユニットが間接射撃で攻撃された場合、空中炸裂(B13.3)の-1 DRM が適用されます。これらのケースはそれぞれ、単独壕の効果を減少させます。

この2つの地形のマイナス効果は、役には立ちません。開豁地に初期配置するとOVRになり、林に初期配置すると間接射撃を招きます。敵のOBに車両や間接射撃が含まれていなければ、これらは気にする必要はありません。

適切な使用方法:潰走

単独壕の最も優れた使用法は、開豁地を通る潰走路を作ることです。B27.41において、潰走ユニットは、単独壕に入る/出るためのMF と、別の区域に入るための他のMFを組み合わせて使用できます。これにより、ユニットはゆっくりとではありますが、開豁地を通ることができます。2つの建物の間の非舗装道路に単独壕を配置することで、混乱ユニットは阻止されずに道路を通れます。

図4で考えてみましょう。混乱状態のドイツ軍ユニットを潰走させます。単独壕に進入するコストと単独壕を出るコストは、次の区域への進入コストと合計されるので、混乱ドイツ軍ユニットは単独壕に進入して計2MF。その後、S5に進入し、さらに3MFを消費します。このように組み合わせたMF消費によって、阻止と降伏を避けられます。

図4

[編注:この潰走の項では、戦力温存の概念について話します。この時点で、このトピックは明らかに私の考え方の一部にもかかわらず、時系列的なものではありません。このトピックについては、次の「ASLにおける防御」で詳しく触れる予定です。]

塹壕

塹壕は、シナリオOBから与えられた場合にのみ登場します。単独壕と同じような長所と短所があります。塹壕に入るにも出るにもMFがかかります。OVRと空中炸裂が適用され、-1のDRMを受けます。

さらに、塹壕はSSRを除いて隣接地形に繋がりません。ユニットが、塹壕から隣接した林または建物に移動したい場合、そのユニットは塹壕の区域で1MFを消費して塹壕から出なければなりません。ここが開豁地であった場合、ユニットには-1 FFMO DRMが適用されます。いくつかのHASLモジュールにはこれを「修正」するSSRがあり、これらのSSRは現代の多くのシナリオに忍び込んでいます。この効果を期待する前に、SSRに特に注意しましょう。

図5

長所

塹壕は、崖や水障害によって隔てられていない『隣接』する塹壕カウンターと自動的に連結します。ユニットは、塹壕から地形に応じた進入コストを消費することなく、『隣接』する繋がった塹壕に移動できます。地形に関係なく、接続する塹壕間の移動は、より高い地形に移動しない限り1MFです。より高い地形に移動する場合、地形に関係なくそのコストは2MFです。塹壕線に沿って移動する場合、FFMO/FFNAMは適用されず、非警戒移動を行うユニットは隠蔽を失うことなく移動できます。塹壕にある地雷原は、塹壕内を移動しているユニットを攻撃しません。石垣、生け垣、鉄条網は、塹壕内を移動するユニットにとって障害とはなりません。

塹壕を支配する自軍ユニットは、1MFの進入コスト(B27.6)を消費することなく、低い『区域』から直接塹壕に移動できます。この移動には、移動する側がまず塹壕を支配するか、自軍のOBになくてはいけません。

また、この低い高度での出入りは土塁にも適用されます。

完全装軌車両のみが塹壕『区域』に進入できますが、進入時にボグチェックをする必要があります。それ以外の車両の進入は禁止されています。塹壕は野戦構築物としてだけでなく、いざとなれば障害物としても機能するわけです。ボグとなる確率は低いですが、トラックやハーフトラックの動きを阻害することは、敵の機動力を大きく低下させる可能性があります。ただ、塹壕は隣接地形に接続しないので、注意が必要です。車両はこの「急ごしらえ」の障害物を簡単に迂回できるので、それなりの計画を立てましょう。

塹壕で回復するユニットは-1地形ボーナス(A10.61)を適用します。興味深いことに、塹壕は正規の潰走目的地ではありません(A10.51)。塹壕を設置する際には、あなたのユニットがどのように潰走するかを念頭に置いてください。計画を誤ると、あなたのユニットは潰走する際に、阻止の対象になるでしょう。

適切な使用方法


特に塹壕カウンターが連結された形であれば、塹壕を使用することにデメリットはほとんどありません。丘の上に配置されたユニットは安全に低い地形に潜り込み、CXの心配をすることなく、林にさえも突撃できます。回復ボーナスにより、良好な回復地点となります。ただし、近くの場所に適正な潰走目的地を含めるようにしてください。

[編注:「回復ボーナス」地形と「潰走目的地」地形には違いがあります。回復ボーナス地形は回復の試みに-1のDRMを与えます。潰走目的地はユニットが潰走する際に向かわなければならない地形です。潰走目的地もまた回復ボーナスを与えるので、回復ボーナス地形と潰走目的地を混同するプレイヤーもいます。これは間違いです。塹壕は潰走目的地ではありません。

ここで潰走先を含める必要性について言及したのは、こういうことなのです。潰走で塹壕を離れることを余儀なくされるのは、悪い計画です。塹壕を離れることで阻止の対象となる場合、そのユニットは士気チェックを受けなければなりません。さらに、塹壕線に戻れば、ユニットが射撃にさらされる可能性もあります。]

巧みに構築された塹壕線は、特に高台にある場合、突撃が非常に困難です。低い『区域』から塹壕に直接侵入するには、その塹壕は突撃する側が支配していなければなりません(またはその陣営のOBに含まれていなければなりません)。低い『区域』から突撃する敵は、塹壕の場所を支配するために、まず低い所から開豁地に誰かを移動させなければなりません。上に移動したこのユニットは、TEMの恩恵は受けられません。それに合わせて、痛めつけましょう。

うまく配置された計画的な塹壕線は、防御の防波堤となります。塹壕内のユニットは動きがないため、良好な射界とVCへの支援を確保しましょう。SSRで、塹壕を隣接地形につなげられる場合、それを考慮に入れてください。このようなSSRは、戦術的な再配置を容易にします。

[編注:これは明らかに大原則1にかかわるものです。これも本シリーズで一貫して登場するテーマです] 。

塹壕の例

図6を参照。攻撃側は、絵の中のレベル3の丘ヘクスをすべて支配する任務を帯びています。防御側にはOBの一部として4個の塹壕カウンターが与えられています。防御側は図の上方から来る攻撃から防御するために、どのように塹壕を配置するのが最善でしょうか?

P5/Q6とP6に配置された塹壕は、崖のヘクスサイドのため接続されません。塹壕は、有効な潰走目的地ではないことを思い出してください。塹壕で混乱したユニットが潰走する場合にも、有効な潰走目的地が必要です。Q6/P5で混乱したユニットはP6に移動しなければなりません。これは Q6にいるユニットにとって問題です。P5を潰走することで確認状態の敵ユニットに接近する可能性があるためです。

N6のヘクスはより良い潰走目的地です。接近してくる攻撃側のLOS から外れているだけでなく、稜線上の塹壕線から下り坂となっているからです。混乱ユニットは、塹壕からの退出コストを消費することなく、直接低い所に退出できます。塹壕に戻るとき、進入コストをかけず直接進入できます。

図6

私の解決策

4つの塹壕カウンターがあるとして、M5、N5、O5は塹壕に最適な区域です。これらの塹壕にいるユニットは、良好なTEM と潰走の選択肢があります。N6 にいる司令官は、混乱ユニットを回復させることができます。N6は、戦線に生じた間隙を埋めるため、増強部隊を控置するのにも良い場所です。N6から丘の上に移動するユニットは、直接塹壕のカウンターに入れます。

最後の塹壕のカウンターは、ちょっとジレンマです。P5は興味深い選択です。P5は側面への射撃機会が多く、最良の選択と思われます。P5の混乱ユニットは、ほとんどの場合、N6 に移動できます。M4とN4も良い選択肢です。攻撃側ユニットにとって最適で最も近いTEMは、M4の林です。その『区域』に塹壕を設置することで、攻撃側を丘の上から遠ざけることができます。N6は悪い選択肢ではありませんが、おそらくベストではありません。個人的にはP5を選びます。

最後に、防御側のターンでは、塹壕からM6、N6、O6にスカルキングし、防御側ユニットを攻撃から守る必要があります。防御側に予備があれば、常に隠蔽ユニットを丘の上に入れ替えておくことができます。攻撃側が接近してきたら、隠蔽状態は防御側ユニットをより大きな攻撃から守ることができます。

図7

A-T壕

塹壕に関するルールは、A-T壕にも適用されます。最も大きな変更点は、車両は進入できないことです。歩兵はCOTプラス2MFでA-T壕に出入りし、1MFで A-T壕に沿って移動できます。塹壕との類似点に、隣接地形に接続されないというのもあります。車両はA-T壕を迂回できます。これは多くの新米ASL プレイヤーを驚かせます。

適切な使い方

A-T壕は、通常の塹壕と同じように使用できます。これは意図したものではなさそうですが、ルール上では可能です。このような使い方はすでに説明しました。また、歩兵/騎兵が A-T壕の「片側」から「反対側」へ、あたかもそこに壕がないかのように渡れるのも興味深いです。これには、砲を押してA-T 壕を横切るような行為も含まれます。ワゴンは車両であり、A-T壕に入ることはできません。

図8

基本ルールでは、A-T壕は塹壕と同じ弱点を持っています。隣接地形に接続されないのです。防御を設定する際には、A-T 壕を地形や防御網に組み入れるのを忘れないでください。車両は、A-T壕線の端に「ぶら下がって」、A-T 壕を迂回できます(実際、迂回するでしょう)。多くのベテランASLプレイヤーは、この点を新参プレイヤーに厳しく教えています。

サードパーティ製品の中には、A-T壕を隣接地形に結びつけるSSRが付されたものがあります。そのようなSSRがない場合、ノー・ゴー地形自体にA-T壕カウンターを1つ配置することを検討してください。ただし、隣接『区域』が迂回可能であったり、火災があるかを確認しましょう。ヘクスサイドにある残骸も迂回移動を妨害できます。

[編注:再び、大原則4を思い出しましょう。]

A-T壕の例

図9を参照。G3とG4に配置された A-T壕はG2とG5の地形と「つながって」いません。ドイツ軍プレイヤーは初心者のミスだと思い、G2/G3 ヘクスサイドにある障害物を迂回します。しかし、米軍プレイヤーは新人ではありません。彼は障害物を火力でカバーし、G2/H2/G3の頂点にLOSのある J4に隠匿AT砲を出します。AT砲はLOSが通るだけでなく、パンターの弱点の側面も攻撃してきます。G2/G3 のヘクスサイドでパンターが走行不能/破壊となった場合、他の車両はこのヘクスサイドでVBMできません。

図9

トーチカ
トーチカはOBでのみ与えられます。トーチカは、開豁地、林/ジャングル、繁み/竹林、または麦畑/クナイ『区域』に設置できます。他の野戦構築物と同様、トーチカはHIPで設置され、敵ユニットがLOSを通すまで隠匿状態でいられます[例外:PTOをプレイする場合 G.2 参照。]他の野戦構築物と異なり、トーチカの中身もHIPで初期配置されます。確認状態になっても、トーチカの中身は隠匿されたままです。それは、(B30.7)に従って確認状態となります。ただし、トーチカの内部に対する攻撃は半減されず、事例Kは適用されません。

図10

トーチカは、ヘクス内に2つ目の『区域』を生み出します。トーチカへの進入/退出のために消費されるMFは他のMFと合算できません。ユニットが進入/退出するためにMFを消費した時点で、そのユニットに向けたすべての射撃は、進入/退出したばかりの区域で受けます。トーチカの外側にいるユニットに向けた射撃は、トーチカ内のユニットを攻撃することはなく、その逆もまた然りです。『煙幕』はトーチカの中に配置できないため、『煙幕』区域からの射撃による+1 DRMは、トーチカ内のユニットには適用されません。すべての野戦構築物は、HIP(A12.33)で初期配置でき、トーチカの場合、その中身も隠匿される(B30.7)ことを覚えておいてください。

PTOにおけるトーチカ

日本軍がトーチカを使用する際には、G1.632を読むことをお勧めします。G.2に従い、トーチカを確認状態にします。トーチカ内で初期配置をするユニットは、日本軍が通常受ける特典に加えてHIPとなれます。日本軍のトーチカはまた、多くの邪悪な目的を持つトンネルの入り口とともに初期配置できます(B8.6-.63)。トーチカ内の日本軍ユニットは凶暴化せず、代わりにクラス上昇します(G1.62)。

トーチカの仕組み

トーチカの最初の数字はスタック容量、2番目の数字は射界内の防御修整、最後の数字は射界外の防御修整を表しています。トーチカには、茶色と灰色の2種類があります。唯一の違いは、茶色のトーチカはより撃破されやすいということです(B30.92)。

トーチカは回復地形であり、混乱ユニットには-1地形ボーナスDRM(A10.61) が適用されます。また、トーチカはより近い地形が存在するか、トーチカが無視されない限り、ユニットをそこに向かって潰走させる有効な潰走目的地となります(B30.5)。トーチカ内ではオーバースタックできません。満員でも、トーチカは混乱ユニットにとって「潰走の磁石」であることに変わりありません。同じ場所に塹壕を配置することで、トーチカへ潰走するユニットの影響を軽減できます。トーチカの中にいる指揮官は、トーチカの外にいるユニットを回復できません。トーチカ内で混乱したユニットは、敵ユニットに『隣接』している場合でも、トーチカからの潰走は強制されません。

敵ユニットが占有するトーチカには、そのユニットが混乱していても、自軍ユニットを進入できません。トーチカを支配するためには、自軍ユニットがそのトーチカに進入しなければなりません。トーチカのあるヘクスを支配するためには、そのヘクスにあるトーチカも支配しなければなりません。不意打ちや浸透が可能でない限り、トーチカの支配を得るには2 ターンの奮闘が必要なことが多いのです。

トーチカのTEMは、その区域の他のTEM(例外:泥濘/深雪)とは累積しません。その区域の妨害は通常通り適用されます。

また、B30.2のトーチカとのLOS や、トーチカ内からの自身のヘクスでの射撃制限には、特に注意しましょう。

トーチカ内の砲

トーチカ内に初期配置した砲は、設置されてもいます。トーチカ内の砲へ砲兵器で撃つ場合、砲の目標サイズは適用されません(B30.32)。トーチカの内部を撃つ場合、事例Kは適用されません。これは、HIPによる隠蔽の場合もです(B30.21)。

トーチカ内の砲は、AP弾(B30.35)のHE相当射撃に脆弱です。この件に関しては、私の以前の記事を読むことをお勧めします。致命的命中によって砲とその操作班を除去することは、多くのプレイヤーが思っているよりずっと簡単です。

掩蔽壕

隣接しており突撃可能なヘクスに塹壕を有するトーチカは掩蔽壕です。覚えておいてほしいのは、ヘクスはそれ自体に隣接しているので、塹壕は同じヘクスまたは隣接ヘクスに置けます。この場合、トーチカはいまだトーチカです。しかしユニットは、隣接する塹壕からトーチカへ、またはその逆へと、トーチカが塹壕であるかのように移動することができます。ただし、敵ユニットがトーチカの区域にいる場合、この移動にはいくつかの制限があります。詳細はB30.42、B30.44、B30.6を参照しましょう。

適切な使い方

以上の記事では、トーチカの全容を説明することはできませんでした。しかし、このことから、トーチカは塹壕システムの一部であれば、強力なことがわかります。トーチカを掩蔽壕に変える、特にトーチカのあるヘクスに塹壕を配置した場合、より効果的になります。トーチカの場所に塹壕を配置することで、トーチカ内のユニットは、トーチカの CA 内だけでなく、全周火力を発揮できます。トーチカには必要であれば潰走できますが、オーバースタックはできないため、潰走上の問題が発生する可能性があります。

トーチカは、可能であれば防御の中心部に配置します。高いTEMと回復ボーナスにより、中にいるユニットの回復力が高まります。トーチカとその中のユニットはHIPで設置されるため、特に強力なエリアを隠すのに使用できます。

結束した防御の一部として、設定した任務を達成する視点からCAを合わせます。これは、ある特定の攻撃経路を射界に収めることも意味します。時には、予想される接近に対して、不死身のNCAを見せることを意味します。もしそれが計画の一部であり、それをどのように使用するかを説明できれば、強力な防御に統合できます。

要塞化された建物

要塞化された建物は、開始時のOBの一部としてのみ登場します。建物の区域を要塞化することで、その建物の固有のTEMが+1されます。突破口(B23.9221)がない限り、敵ユニットは、釘付け状態でない統制状態の武装した分隊(またはそれに相当するもの)がいる要塞化された建物に入ることができません。建物の上階も要塞化できますが、それは同じヘクスのすべての下層階が要塞化された場合のみです。地上の要塞化された建物には、あらゆるサイズとタイプの砲を設置できます。ART/AT/INF 砲(76mm以下)は、上階の要塞化された建物に設置できます。

要塞化された建物はB8.6に従ってトンネルと交換できます。このトンネル交換は、B23.9x では言及はありません。トンネルの配置と使用法はB8.6に記載されています。トンネルは、ユニットが安全に通り抜け、APhに隠蔽できるようにするもので、巧みな使い方でユニットを回復地点や、白兵戦の機会を得るため敵の重要なスタックに出現させることもできます。また、トンネルは安全な潰走の機会を確保するためにも使用できます。

それ以外の点では、要塞化された建物は、他の建物と同じように扱われます。

適切な使い方

要塞化された建物は、「死ぬか生きるか」的な防御拠点として最適な選択肢です。釘付け状態でない、武装した統制状態のユニットが進入を阻むため、要塞化された建物に入ることは困難です。

要塞化された建物区域が複数与えられたら、上階にAT砲を設置すると、予想外の視界が得られることがあります。上階では、通常では見えない石垣、生け垣、瓦礫の向こうも見ることができます。図10を見てください。これは「Hazmo 3, Seaside Retreat」の場面です。このシナリオでは、攻撃側は6台のハーフトラックを持っており、盤を大きく移動するために使用しなければなりません。盤を横切る78高地は大きな脅威です。ドイツ軍は3つの要塞化された建物(地上、レベル1、レベル2)に投資して、丘の頂上を制するAT砲を配置しています。これはフランス軍のハーフトラックにとって、厄介な存在となる可能性があります。

図11

障害物の配置

次に障害物について説明します。障害物の配置の目的は、敵の動きを制限し、敵ユニットを脆弱な側面から離れたキルゾーンに追い込むことです。最大の効果を得るために、障害物を地形と結びつけます。車両迂回移動(VBM)で通過できる道路障害は、障害物ではありません。その代わり、この道路障害を迂回不可能な場所や、他の進入禁止地形と組み合わせ、敵の戦場での移動能力を妨害するのです。

障害物を、防御の全体的なコンセプトと結びつけることも同様に重要です。障害物は火力でカバーしなければ、簡単に除去されてしまうかもしれません。火力は敵の通り道をカバーし、そのエリアを横切る攻撃ユニットに大きな犠牲を強いる必要があります。

[編注:ここでは直接述べていませんが、少なくとも私は勝利条件について述べていることは明らかです。また、次の記事で検討する戦術的な考慮事項である敵の分断/排除と領域拒否について述べています。]

射撃計画ゾーン

射撃計画ゾーン(PFZ)は、ASLでは野戦構築物としてリストアップされていません。また、HIPによる初期配置の恩恵も受けられません。それでも、今までLOSがなかったところにLOSを作り、キルゾーンを作るのに役立ちます。TEMを作るわけではありません。新たなLOSは良し悪しがあります。不適切な配置は、自軍のユニットを射撃にさらすことになります。私は、野戦構築物ではなく障害物だと考えています。


図12

PFZは、LOSが存在しないところにLOSを作るために使用されます。これは、地形を整地して射界を作ることをモデル化したものです。OBでは、PFZを配置するための「値」が与えられることがあります。PFZを配置すると、盤の地形はカウンターに記載されたタイプに変換されます。

PFZ値1で、繫み、ぶどう畑、果樹園、サボテン畑、オリーブ畑、麦畑、ヤシの木、またはクナイのヘクスを開豁地に変換します。林、森林、松林、ジャングル、または竹林のヘクスを1PFZ のコストでブドウ畑ヘクスに変換します。注:B36.22 によれば、構築されブドウ畑のPFZを、さらに開豁地PFZ に変換できます。

適切な使用方法

PFZを設定することで、重要な防御強化点を射撃可能な敵の移動回廊にできます。こうすることで、敵の機動を攻撃するためのLOSを確保できます。PFZの狭い「回廊」のような性質を考えると、最も可能性の高いターゲットは歩兵でしょう。限られた照準のペナルティで、一瞬しか見えない車両を撃つと、命中する可能性は低くなります。限られたLOSを補うために、砲腔照準や配置の工夫をしましょう。

図13

LOSを遮断するには、LOS障害が視認者と目標との間に引かれた糸の両側に現れなければなりません。PFZヘクスのヘクスサイドに沿ったLOSは遮断されません。上図では、米軍とドイツ軍の分隊の間に LOS が存在します。

ブドウ畑は、「ソフトな」LOS妨害であることに留意してください。そのようなLOS妨害は、火線のFFMOペナルティを無効にします。FFNAMは適用されます。PFZを"斜め"に配置して、敵歩兵の前進を妨げ、火線の機会をつくるのが理想です。斜めに開けたPFZは、攻撃側の発起地点からの直接攻撃から、防御側ユニットを守ることもできます。図13では、米軍ユニットが、左端から来る敵の砲火に直接さらされることなく、2つの独立した射撃経路の選択肢を持っています。ブドウ畑は、「ソフトな」LOS妨害となります。この妨害によってFFMOはなくなりますが、敵のユニットは非警戒移動をすると、依然として-1 FFNAM DRMの対象となります。

図14

[編注:敵軍の分断と排除についての話が多くなっています。これには、障害物がどれだけ有用かという評価も含まれています。(大原則4)。]

鉄条網

鉄条網は、歩兵の移動を妨害する野戦構築物です。鉄条網を通過する歩兵は、まず地形進入コストを支払って鉄条網のある区域に進入しなければなりません。その場所に入ったら、歩兵は鉄条網カウンターの「上」に配置され、鉄条網の「下」に行くために消費するMF を決定するため、退出drをします(脚注2)。ユニットは「鉄条網の下」に到達するまで、鉄条網のある区域を離れることができません。鉄条網の上にいるユニットはCCに弱く、CC 攻撃を受けると-1 DRM を受けます。鉄条網の上にいるユニットによるすべての攻撃には DRM が+1されます。

図15

ユニットは「鉄条網の下」に移動しようとするターンは、急速歩移動ができません。鉄条網の上を潰走する混乱ユニットは、鉄条網の「下」に移動するために退出drをすることになります。そのユニットが「下」に行けず、武装した混乱していない確認状態の敵ユニットと『隣接』する場合、混乱ユニットは潰走失敗で除去します。開豁地の鉄条網のあるヘクスで混乱し、退出drのせいで退出できません。ユニットは除去となります。

歩兵は、鉄条網ヘクスサイドを迂回することができません。鉄条網は、隣接地形と「ある種」の接続がされています。車両はそのようなヘクスサイドを迂回できますが、追加MPコストを支払い、その途中で必要なすべてのボグチェックをしなければなりません。

トラック、装甲車、ハーフトラックは4MPと地形のコストを消費することで鉄条網区域に進入できます。他のすべてのボグチェック修整に加え、鉄条網は+2のDRMを追加します。完全装軌車両であっても、移動コストとボグチェックをしなければなりませんが、ボグチェックDRの色付きダイスの目が1で、鉄条網カウンターは取り除かれます。

脚注2:
Q. B26.4 指揮官と共に移動を宣言したスタックは、鉄条網の下へ移動するとき1つの「ユニット」となり、必要なdrは1回だけとなりますか?
A. いいえ。個々のユニットは、鉄条網退出drをしなければなりません。

適切な使い方

フリードリヒ大王は、「すべてを守る者は、何も守らない」と言いました。防御は満遍なくできません。このように薄く展開すると、簡単に蹂躙され敗北してしまうでしょう。鉄条網は、防御の要への敵の接近を遅らせたり、回廊沿いの移動を鈍らせたりするのに使うのが一番です。鉄条網は、敵の機動能力を攻撃するのです。その意図は、攻撃側を自軍の大部分がカバーするキルゾーンに追いやることです。

鉄条網の効果を最大限に発揮させるためには、火力でカバーすることです。鉄条網と鉄条網の間の通路をカバーするだけでは十分ではありません。最適なのは、敵ユニットが鉄条網の下に入り込もうとするときに撃つことです。敵ユニットが鉄条網の上にいるときに撃つと、その場所に残留FPが残り、それが鉄条網の下に行こうとする最初のユニットと、それ以降のすべてのユニットを攻撃します。

鉄条網が隠匿されている限り、鉄条網の下に入るためにダイスを振る必要はないことを忘れないでください。防御側として、いつ、どこで後退するかを考慮しなければなりません。

地雷原

地雷原は、ある意味で鉄条網に似ています。敵の機動能力を攻撃するものですが、火力によって攻撃します。地雷原にはA-T(対戦車)、A-P(対人)の2種類あります。

図16

A-P地雷原に進入/退出するユニットは、その戦力のIFTの欄で攻撃されます。退出時にも、ユニットを再び攻撃するのです。装甲車両は、KIAの結果で走行不能となります。非装甲車両は、IFT列の★の車両欄で攻撃され、通常通り解決されます。特に注意すべきは、側面または背面が非装甲の車両、および車体の最低装甲値が0の車両は、A-P地雷原攻撃において非装甲とみなされることです。これは特に米軍のハーフトラックに関係します。

A-T地雷原攻撃を起こすのは、その区域に出入りするワゴンや車両のみです。歩兵/騎兵には攻撃を行いません。また、オートバイにもA-T 地雷原の攻撃はないことに注意する必要があります。適格とするユニットがA-T地雷原に進入した場合、ダイスを1個振ります。出目がカウンターの数値以下であれば、その車両は地雷を踏んだことになります。

その際、IFTの36FP列で攻撃を行います。非装甲車両(非装甲の面を持つもの、または最低車体装甲値が0のものを含む)は、直ちに炎上する残骸となります。装甲車両は修整後DR ≤ 3 (4KIA)で、炎上する残骸となります。修整後DR ≦ 6(1KIA)で、残骸となります。それ以外では走行不能になります。

連鎖地雷
これらは、MMCによって引きずり出されて配置されるA-T地雷原です。これはA-T地雷原です。AFVがその場所に進入した時点でも、その場所に配置できます。SSRで連鎖地雷を与えられたら、ゲームの前にB28.531を読んで、その使い方を確認しておいてください。

下表は、A-T地雷原によって戦車が攻撃される(地雷を踏む)確率です。攻撃側は地雷原がユニットを攻撃するまで、地雷原の戦力値を知らないことに注意してください。この不確実性を活用できます。

A-T地雷原で地雷を踏む確率

地雷原の交換

A-P地雷原3戦力値で1戦力値のA-T地雷原に交換できます。その逆はありません。A-T資産に限りがあれば、A-T地雷原戦力値との交換を検討する価値があります。

隠匿移動

他の隠匿された野戦構築物とは異なり、隠匿地雷原は味方ユニットに影響します。隠匿地雷原に出入りするダミースタックは除去となります。

適切な使い方

地雷原は、敵の地形活用を無効にするために使用します。地雷原は、予想される攻撃経路上の回復地点を効果的に無効にすることができます。建物区域に配置された地雷原は、非建物ヘクスサイドを横断して出入りするユニットを攻撃します。

鉄条網と同様、地雷原は敵をキルゾーンに誘導するのに使うと効果的です。この誘導効果は、非装甲車両にも効果があります。鉄条網と同様、防御ユニットからの射撃でカバーすると最も効果的ですが、必ずしもカバーする必要はありません。敵に完全装軌車両がいる場合、カバーされていない地雷原に注意しましょう。これは地雷原を突破し、歩兵の安全な通行を可能にするからです。また、歩兵はA-P/A-T地雷原の両方の撤去を試みられます。射撃でカバーすることは、この特典をなしにします。

[編注:地雷原の主な役割は「領域拒否」です。敵の地形利用を阻止し、敵の移動を狭める強力な戦力になりえます。すでに、この評価の多くが大原則4のOBの評価の一部であることは明らかでしょう。]

道路障害

他の多くの野戦構築物と同様、道路障害はOBで与えられるものです。道路障害は道路または滑走路の区域に、遮断するヘクスサイドを矢印が指すよう設置されなければなりません。注目すべきは、道路障害はヘクスの中心点からヘクスの中心点まで伸びていることです(図 17)。道路障害を石垣のように扱いましょう。いかなる車両も道路障害のヘクスサイドを越えることはできません。

図17

他の隠匿野戦構築物と異なり、道路障害は隠匿されていても味方の移動に影響します。歩兵と騎兵は石垣を越えるように通行できます。自軍車両は、盤上にある道路障害と同様に横断を禁じられます。

適切な使用法

他の野戦構築物と同様、道路障害は射撃でカバーしなければなりません。道路障害は周囲の地形と連携したときに最も有用です。図17を参照し、これがどのように地形と結びついているか見てください。下のS10 ヘクスサイドは迂回することができません。橋の出入り口に配置することで、橋を渡ろうとする車両の通行を完全に遮断できます。道路障害の後ろに単独壕を配置することで、歩兵が道路障害を守れます。この歩兵は単独壕にスカルキングし、LOSから去ることができます。

道路障害は、自軍のものであろうとなかろうと、車両の機動を妨げるものです。自軍の機動に影響を与えないように注意しましょう。「石垣」であるため、1/2レベルの障害物です。これを利用して、同レベルのLOSを遮断しましょう。また、背後に停車する車両には、ハルダウン区域とみなされます。これは両陣営に作用するので、適切に計画しましょう。

図18

瓦礫/破片

これらは厳密には野戦構築物ではありません。SSRによっては、いくつかの瓦礫カウンターを配置できます。障害物に関する原則を考慮する価値があります。

階段のある区域に置かれた瓦礫カウンターは、進撃してくる攻撃ユニットの上階への移動を阻止できます。建物やその他のLOS 障害物を倒壊させることで、上階の防御ユニットに LOSを開き、さらなる戦術的柔軟性を提供できます。地上レベルではLOSを遮断し、ユニットに移動の機会を与えることができます。防御側は、これをうまく利用しましょう。

ユニットは瓦礫ヘクスを迂回することができません。防御側はこの制約を有利に使用できます。瓦礫と破片の配置が、両陣営の初期配置の前にあるのはそのためです。防御側は、最大の効果を得るために、障害物や野戦構築物を地形と連結するようにしましょう。

瓦礫はもはや建物ではないので、潰走先にはなりませんし、回復地形ボーナス(A10.61)も受けません。このため、敵の部隊を回復させるのに必要な回復地形を奪うことができます。

[編注:ここでは、大原則2の観察-地形分析-の障害物に関する評価へと踏み込んでいます。これが適切でないと考える人もいるかもしれませんが、私にとっては完璧に理にかなっています。すべての障害物や火力は地形に合わせて調整されなければなりません。瓦礫ヘクスは迂回できないので、A-T壕のような障害物はより強力になります。迂回を阻止するためにA-T壕を地形に設置する必要がなくなり、他の場所に使えるようになる可能性があります。]

複雑な障害物

複雑な障害物は、モノというより計画です。複雑な障害物では、敵がある障害物から次の障害物へとつまずくように、敵の動きに影響を与えようとします。ユニットを追いかけている敵が、側面を移動してから後退するところを想像してください。そのユニットは林に消えました。その後で、敵はいくつかの鉄条網がLOS内にとらえ、その下を通るためにdrしなければなりません。逃げていたユニットは鉄条網のすぐ後ろに止まり、鉄条網を火力で守っています。

これを嫌い、攻撃側は涸れ谷の異なる経路を通り、そこで地雷原に突き当たります。隠匿ユニットも現れ、進入したユニットを先制攻撃します。攻撃側はそこで止まるのか? それとも前進するのか? 攻撃を続ける場合、地雷原から出ようとするユニットが混乱するのは地雷原の中です。残留FPはまだユニットを攻撃していませんが、地雷原に戻ってきたところでユニットを攻撃します。

この経路を通ることを嫌って別の経路を選ぶと、HMGを装備した隠匿掩蔽壕を発見。火線を敷き詰められ、この進入路が閉鎖されてしまいます。

道路障害は別の経路を封鎖しています。攻撃側はこれを撤去するために歩兵を前進させますが、そこにA-P地雷原があるのを発見しただけでした。

複雑な障害物は、攻撃側に厳しい決断を迫ります。攻撃側が困難な決断を迫られれば迫られるほど、間違った決断をする可能性が高くなります。攻撃側は、次々と障害物にぶつかり、防御側が生殺与奪の権を握っているのではと不安になります。そして時間切れのプレッシャーにぶち当たります。絶望的な状況に陥ると、必然的に有利な防御の機会が訪れます。

まとめ

かなり長い記事になってしまいました。書きながら、様々な防御のタイプについて考えてみました。これらの防御の原型は、それぞれ野戦構築物と障害物の使い方に異なる重点を置いています。これらの防御について、もっと幅広く説明する余地があるのではないかと思いました。このため、私は仕組みと目的に焦点を当てました。それでも、防御のタイプに関する付随記事は、この記事とうまく連動すると思います。近日中に掲載予定です。

[編注:このまとめでは、私がASLの大原則のより大きな意味を把握し始めたことがわかるでしょう。この記事で、ようやくより広い適用を理解し始めたのです。読者にとって明確ではないかもしれませんが、潜在意識のプロセスがついに私の意識的思考に入り込んできたことが明らかです。]

野戦構築物の記事が掲載される前に、次の記事に取り掛かりました。「ASLにおける防御」です。この時点で、私は興奮していました。「ASLの大原則」の記事と、この「野戦構築物」の記事の間に共通するテーマが見えてきたのです。

ASLでは障害物や野戦構築物は防御的な性質を持っているので、次に防御に関する記事を書こうと思いました。それは、次なる論理的な進展に思えました。この頃、私は大原則を使ったシナリオ分析の記事もいくつか書いていました。その頃、私は自分の記事の中で、パターンを適用する傾向があることに気づきました。ソフトウェア開発の経験があるので、これは理にかなっていると思いました。プログラマーは常にパターンを使っているのです。読者にはそう見えないかもしれませんが、私にとっては有効でした。

そして、少なくとも自分の考えが、実際の教義的な考えに近いことを示唆するものがないか、教義的(ドクトリン)な文献を読み始めたのです。現代的な思想がある一方で、前時代的な思想がないことは明らかでした(少なくとも英語で書かれたものでは、ドイツ軍はスペイン内戦で学んだ教訓もあり、連合国のそれをはるかに超えていました)。当時のドクトリンがなかったのもある程度納得がいきます。諸兵科連合による攻撃は真新しいもので、未完成でした。

多くの厚紙の戦士が出撃した戦いの渦を思えば、なおさら納得がいきます。ASLプレイヤーであれば、最初の戦闘で生き残れば、次につながる経験を積むことができます。しかし、厚紙の駒の多くはそうではありませんでした。その学びは、彼らと共に生き残ることはありませんでした。生き残った人たちでさえ、段階を踏んでその学びを広めていかなければならなかったのです。より近代的な戦術への進化は遅々として進みませんでした。しかし、この第二次世界大戦を中心としたゲームのプレイにおいて、より現代的な思考を止めることはないのです。

それでも、現代の文献は大隊規模のもので、我々のシナリオは中隊以下がほとんどです。このような違いがあっても、私が読んだものを自分の考えと適合させることは可能だったのです。そこで、この記事では、私が考えたことをまとめてみました。

ASLにおける防御

「ASLにおける野戦構築物と障害物」についての記事を書いていたとき、私はASLにおける防御のタイプについて考えてみました。よく考えると、地域防御、地点防御、多層防御、機動防御、分断の5種類が思いつきました。この中には、ちょっと恣意的なものもあるように思えたので、ドクトリンについて掘り下げてみました。

私は、自分のASLでの経験と共鳴するものを探そうと、当時の野戦教範や現代の文献に目を通しました。現代の文献は、私が知っているASLと最もよく似たものでしたが、その文献は大隊レベルを扱っていました。ASLの多くは、一般的に中隊や小隊のレベルです。

それでも、私の考え方は基本的に文献と一致していました。これによって、私は正しい道を歩んでいるのだと安心しました。以下は、マクロレベルでの私の思考の整理です。

防御はプログラミングか?

ASLのプレイヤーにはコンピュータサイエンスの出身者が多いですね。そうでない人の中にも、プログラミングができるプレイヤーは大勢います。そのような人たちの間では、「デザインパターン」という概念が響いているはずです。これが、防御について正しく考えるべき方法だと思うのです。

知らない人のために説明すると、デザインパターンとは、一般的なプログラミングの問題に対する一般的で再現可能な解決策のことです。問題を解決するために必要なコードではありませんが、要件に合わせることで簡単に問題を解決する方法です。パターンのツールボックスを使い、プログラマーは問題を特定のパターンで解決する小さなタスクに分解します。すべてのタスクを解決することは、問題そのものを解決することにもなります。

時には、一般的なパターンがタスクに合わないことがあります。そこでプログラマーは労力の大半を集中させなければなりません。しかし、一度完成したパターンは、ライブラリに追加し、後で再利用できるようになります。

防御のパターン

防御を固めるとき、私はまずVCを検証し、勝つために最低限できることを理解することから始めます。これが私の目的であり、解決しようとする問題点です。目的を理解した上で、地形を調べ、この最小限の条件を満たすためにできる防御のタスクを探します。プログラミングで言えば、ハードプロブレム(VC)を個別のタスクに分解するのです。その課題を解決することで、問題を解決し、勝利できるのです。

防御のパターンを見るとき、これらは非常に一般的なものであることを心に留めおいてください。これらはスクリプトではありません。防御を一連のタスクに分解し、そのタスクに適用するパターンを特定することは、プレイヤーに課せられた責務です。パターンを特定し、原則を適用することは、単純なレガージテイションの問題ではありません。効果的な適用には、そのパターンをローカル環境に適応させることが含まれます。理想的な解決策は、ほとんどの場合、パターンの組み合わせになります。どのようなパターンも、極端な幸運の気まぐれを考慮し、適応可能とすべきことを忘れてはなりません。ダイスは、ほとんどの局面をコントロールできますが、肝心なところで必ず裏切ります。決して、必要な出目だけを頼りにしてはいけません。

 

[編注:ここでは、「大原則」が私の考え方に影響を与えていることがよくわかると思います。まず、「大原則1:VC」に触れています。私は、すべてがそれに関連していると明言しています。それが私の意思決定の原動力になっています。]

注意点

先に進む前に、VCと地形を吟味してください。また、大まかな作戦を立て、どうすれば勝てるかを考えておきます。これらは、この後の展開の前提条件となります。マップ上にいくつかのパターンを描くだけで、魔法のように計画が完成するわけではありません。パターンは計画の一部であり、勝つために必要な最小限のことを行うように設計された、まとまった防御態勢に統合されなければなりません。私は、このことについて、「ASLの大原則」の記事で私の思考過程を扱いました。これはいくら強調してもしきれません。計画を立てないことは、失敗を意味します。

防衛拠点

防衛拠点とは、防御する「小隊」の拠点となる地形の集まりのことを指します。防衛拠点は、ここに配置された「小隊」が、与えられた任務(防御パターン)を遂行できるものでなければなりません。これはアラモの砦ではありませんが、そうなる可能性はあります。理想的な防衛拠点は、プラスのTEMと、移動と回復のための防護された『区域』を備えています。理想的なのは、自分側のマップに防護された出入り口があり、攻撃側のマップに広い射界があることです。完璧な世界では、防衛拠点は互いに連動した射界を持ち、相互に支援しあいます。また、防衛拠点には回復地が必要です。防衛拠点を長く維持するつもりであれば、回復地は重要な意味を持ちます。

防衛拠点について考えるうちに、最初の段落で言及されている「地点防御」は、単なる防衛拠点であることに気がつきました。それ自体が防御ではなく、防御の一端を担うパーツなのです。私は、防衛拠点(または一連の防衛拠点)に他のデザインパターン、おそらくアラモやチョークポイントのパターンを適用しています。そのため、「地点防御」パターンは検討から外しました。

防衛拠点の検討基準

•防衛拠点の任務は何か?
oどのようなパターンを使用するのか?
•防衛拠点はどれくらいの時間保持する必要があるか?
o これはゲーム前の分析に含まれます。
• 防衛拠点にはどのようなユニットや武器が配置されるのか?
•これはOBによって決定されます。
• 防衛拠点にいるユニットは後退が想定されるか?
o 彼らに副次的な任務があるか? 2. 副次的な防衛拠点が必要か?
• 後退するきっかけは何か?

[編注:これらの基準は、それぞれ私の大原則に基づいています。任務は、大原則1と結びついています。ユニットと役割を特定することは、大原則4と関係があります。後退は大原則2に言及しています。最後の項目は直接「時間」とは言っていませんが、明らかに大原則3への言及です。このように、すべての考え方が絡み合っていることは、もう明らかでしょう。大原則は、成功のための計画を形成するASL思考に適用できるフレームワークの基礎となるものです。]

戦術的な検討事項

防御に着手する際、いくつかのトレードオフを考慮する必要があります。これらは相互に排他的ではありませんが、あなたの意図を理解することは、あなたの意思決定に焦点を当てるのに役立ちます。我々は、勝利を確実にするために必要な最小限の作業をすることを求めていることを忘れないでください。以下は順不同の手順です。

敵の分断 vs 敵の撃破

撃破とは何かを、皆さん知っています。撃破とは、ASL的な意味での撃破ではなく、ユニットが攻撃側の任務を遂行できないことを意味します。A-T壕によって任務達成を阻まれたAFVは、この意味での分断です。混乱歩兵は任務の達成を「分断」されます。敵を撃破することが目的でない場合もあります。意図を知ることで、必要に応じて後退や反撃のトリガーを設定できます。

領域拒否 vs 地形保持

攻撃側が丘の上や道路などの重要な地形を利用できないようにすることは、防御を行う上で重要です。もちろん、この地形を占拠し、その使用を拒絶することもできます。ですが、もしかしたらもっといい方法があるかもしれません。もしかしたら、地雷原はその地形を使えなくできるかもしれません。OBAのARを漂わせれば十分かもしれません。この辺りを見渡せる砲でもよいかもしれません。

戦力温存 vs 死守

部隊の生残が、VCの条件の一つとなる場合があります。その場合、戦力の温存を重視する必要があります。時には、単に攻撃側のVCを否定することだけが重要な場合もあります。その場合は、厚紙の駒に過ぎないことを忘れないでください。

諸兵科連合の分断

歩兵(および砲)、装甲車両、OBA、航空支援が組み合わさることで、全体が部分の総和よりも大きくなります。防御側の目的のひとつは、このシナジーをいかに崩すかを考えることです。これらのうち1つまたは複数を止めると、他の戦力に大きな負担がかかります。例えば、歩兵を支援するAFVから切り離すと、両者がより脆弱になります。このテーマは、言うは簡単ですが、実際に解説するのは難しいものです。学んでいくうちに、この仕組みがどうなっているのか、感覚がつかめてくると思います。それ以上の見識をお伝えできないのが残念です。

防御計画を立てる際には、このような戦術的検討を最前線に置いてください。では、私が考えるパターンを見てみましょう。

[編注:ここで私が「戦術的な検討事項」と呼んでいるものは、大原則1の一部を具体化したものです。VCを知るだけでは不十分で、VCをどのように満たすかも知る必要があるのです。VCが建物の支配を要求しているときに、攻撃側の歩兵を減らすことは、あなたの戦術的検討が何かを明確にするのに役立ちます。]

防御パターン

これは私のパターンです。多くの人が自分のプレイで見覚えがあるのではないでしょうか。ここには革命的なもの(あるいは進化的なもの)は何もありません。他のパターンを提案する人もいるでしょう。どんな話題でもそうですが、意見は様々でしょう。私はこのリストが完全だとは思っていません。もっと増やす余地はたくさんあります。これを書いている時点で、私が認識しているものだけです。

地域防御パターン

マップ上の一区画を敵に使わせないようにするパターンです。敵が横断する開豁地や、支配する地形が考えられます。火力や障害物によって、このスペースを塞ぐことができます。回復地形の要所に設置された地雷原は、火力と同様、ここを望ましくないものにする効果があります。防御側の目的は、この地形を奪取したり横断したりするのに可能な限り、コストがかかるようにすることです。攻撃側は時間的、物質的な代償を支払わなければなりません。

アラモ防御パターン

このパターンは、1 つのヘクスまたは、複数ヘクスの小さな集合体を堅持するものです。通常、これは「何としてでも保持する」努力です。おそらく、これは防御側が勝つためにできる最小限のことを表しています。多くの場合、防衛拠点はアラモの砦です。防御側は、どのようにVCが達成され、または拒否されるかを知るのが重要です。建物支配のシナリオを想像してください。最終ターンで、攻撃側は隣接しており、CCに入ることが可能です。自発的混乱で上の階に移動すれば、十分勝利できるかもしれません。

多層防御パターン

互いに支援し合う防衛拠点を何重にも重ねたパターンです。この防御法は、攻撃側を防衛拠点の間に誘い込み、四方八方から攻撃側を撃破しようとするものです。この場合、攻撃側は防衛拠点を1つずつ削っていくので、逆効果となる可能性があります。この防御の重要な要素は、あらゆる機会で攻撃を遅らせることです。このパターンは、他の多くのパターンから構成されていると思われます。このパターンは、地域防御パターンと非常に相性が良いものです。

線形防御パターン

このパターンは、多層防御の逆パターンです。このパターンの防衛拠点は、敵の攻撃に対して垂直な方向に並んでいます。このパターンは、歩兵の進撃に対抗するのに最も適しています。この線を貫通する機動力のある敵に対処するのはほぼ不可能です。線形防御は、盤端、稜線、道路、涸れ谷/小川、またはその他の線状地形の活用を前提とします。理想的な実践は、敵ユニットの IFT DR にマイナスの修整を与えつつ、防御ユニットには良好なTEM を与えるものです。適切な線形防御には、線の穴を塞ぐ局所的な増援もありえます。このパターンは戦闘撤退パターンと非常によく相乗効果を発揮します。

戦闘撤退パターン

これには、攻撃部隊を遅らせ、減衰させる一連のタスクという特徴があります。通常、防御側はスペース(地面)と時間を交換します。時には、防御側は撤退の要件を満たさなければなりません。最初のタスク(とそれに関連する防衛拠点)は、おそらく最前線にあり、線形防御または多層防御のパターンの一部です。続くタスク(とそれに関連する防衛拠点)は前線の後方にあります。防御側は自分のターンに後退し、戦列の再編成を計画します。それぞれの新しい戦線は、反斜面パターンに従うと思われます。このパターンの鍵は、次の戦線まで後退するタイミングを見極めることです。

潰走路、スカルキングの位置、回復区域が成功の鍵になります。

機動防御パターン

攻撃を受けるために陣取るのではなく、攻撃地点にユニットが移動するのを特徴とするパターンです。攻撃地点を防御するメリットがありますが、攻撃地点に移動する際に妨害されるリスクがあります。これらの移動ユニットは防御側のOB から抽出した局所的な予備の場合もあれば、ゲーム開始後に盤上に持ち込まれる増援の場合もあります。通常、「機動防御パターン」に参加するユニットは防衛拠点に移動し、他の防御パターンのいずれかを実施します。

分断防御パターン

攻撃側の継続性と時間軸を破断することを意図し、ユニットのランダムな配置を特徴とするパターンです。このパターンでは、攻撃側は問題を減らすため、時間と資産を費やすことを余儀なくされます。HIP障害物や、計算外の射撃をするために飛び出してくるユニットは、このパターンの好例です。また、このパターンでは、隠蔽ユニットとダミースタックの混成部隊を慎重に採り入れられます。そうすることで、相手の思考に混乱と疑念を生むことができます。

反斜面パターン

地形の背後に隠れて攻撃を受けないようにするパターンです。攻撃側の前進路とは反対側の丘の中腹に防御を据えることから、この名がついています。また、このパターンでは、最初の一発を確実に防御できます。目標とするのは、攻撃側がLOSに進入するたびに、それを混乱または除去することです。理想は、丘の上にいる攻撃側よりも防御側が良いTEM/防御効果を持っていることです。防御側としては、丘の上の開豁地に突撃してくるユニットから隠蔽をはぎ取るものがあれば最高です。このパターンは線形防御パターンと非常に相性が良いです。

境界線防御パターン

全方位防御が、このパターンの特徴です。通常、防御側のOBの大部分を、小さなスペースに押し込んで、全方位に防御できるよう配置します。防衛拠点が離れていて、その中のユニットを効果的に支援できない場合、このパターンをよく用います。このパターンで投入されたユニットは、高い確率で除去となります。生き残ることが重要な場合は、このパターンにユニットを投入しないか、速やかに副次的なタスクへと撤退させます。

チョークポイント(隘路)パターン

このパターンは、敵に防御線への高速移動の選択肢がほとんどない場合に最適です。目標は狭い通路を見極め、攻撃側にその使用を拒否することです。通路の両側に地形があれば、防御側の強行突破しようとするユニットに十字砲火を浴びせることができるため、この方法が最も効果的です。通路の「幅」は、その通路を保持しようとするユニットの有効交戦範囲より広くてはなりません。通路の両側には防衛拠点を配置し、必要なだけ保持します。

待ち伏せパターン

このパターンの特徴は、攻撃側が認識しているよりも多くのユニットが、土地をカバーしていることです。ダミースタックや隠匿ユニットを注意深く使用することが、このパターンの重要なポイントです。高台にあるユニットからの遠距離射撃は、時には予想外の形で貢献することがあります。典型的な例は、隠匿した砲やバズーカを持ったHSが、敵の車両を撃破するために飛び出してくることです。ですが、他にも多くの選択肢があります。例えば、トーチカとその中身をすべて隠匿して設置します。敵ユニットが LOS(隠蔽地形の場合、LOS は ≤ 16 ヘクス)を通すまで、トーチカとその中身を配置することはありません。これは厄介な伏撃につながることがあります。

妨害攻撃パターン

これは局所的な機会を認識することです。防御を行う中で、反撃の機会が発生します。これは、混乱ユニットを囲んで、潰走に失敗したユニットを除去する機会かもしれません。また、攻撃側がユニットをスペースに押し出し、防御のためのスペースを確保することかもしれません。この選択肢の認識と行使は、諸兵科連合の攻撃を分断するのと同様、時間の経過とともに発展していくものです。この機会を認識するのは難しく、また計画するのも非常に困難です。

パターンとトビー・パイリングの "マニュアル"

トビー・パイリングの素晴らしい記事、『Le Franc Tireur #11』の「A Players Guide to A SeLf Defence」(自衛ガイド)について少し考えてみましょう。記事の中で、トビーは「私はOBを小隊サイズの部隊に分割し」、この小隊が「防御区域の数を与えてくれる」と述べています。トビーは、各小隊に割り当てたタスクに基づいて、未割り当ての歩兵、指揮官、支援兵器をどのように分割しているかを語っています。 

 

私がやっているのは、よく似たことです。まず、VCを調べて、勝つために最低限できることを決めます。地形を調べて、この「最小限の努力で解決する」ための最良の機会を決定します。次に、拒否しようとするVCへの敵の経路を確定し、勝利を達成するための防御可能な領域を探します。この経路に沿って防衛拠点を特定し、地形と手持ちの戦力に適した防御パターンがあるかどうかを判断します。最後に、地形とVCに適合するように、手持ちの戦力にタスクを割り当てるのです。トビーと私がそれぞれ同じようなアプローチにたどり着いたことは、非常に興味深いことです。

[編注:この例では、私の「戦術の大原則」と、それが私の思考と意思決定の原動力になっていることを、冒頭で述べています。その価値は、私の中に浸透し始めています。私のシナリオ分析の記事をじっくり読んでいただければ、私の「戦術の大原則」が明確に示されているのがわかると思います。私の初期の記事では、防御パターンに言及することはありませんでした。その時点では、私の潜在意識からそれらを引き出してはいなかったのです。それ以降の記事では、「戦術の大原則」に言及するだけでなく、防御パターンも触れています。]

一例となりますが、先日、『Dispatches from the Bunker』の「DB169 Sternbeck Sortie」をプレイしました。私は防御側を担当しました。作戦を立てる前に、私はASLの戦術の大原則に基づきシナリオカードと地形を検討しました。その結果、次のようなことが分かりました。
• 勝利するためには、建物を1つ保持すればよい。
o 35以上のCVPを獲得することでも勝利できる。
o ドイツ軍 OB には合計 39CVP分の AFVがある。

• M10 GMCの基本TKは17で、ドイツ軍の装甲車両を簡単に撃破できます。
o またROFは2です。
o 1両のM10はHIPで初期配置し、待ち伏せに使用することができ、複数のドイツ軍AFVを袋叩きにできる可能性があります。
o 2つのBAZもHIPで初期配置し、ドイツ軍を待ち伏せることができます。

• ドイツの機動力は私のそれを超えています。
o 線形的なパターンではうまくいきません。
o 残念ながら、初期配置のユニットを前線に配置するよう指示しています。
o これらのユニットは戦闘撤退を行わなければなりません。
o ドイツ軍が1ターン目に積極的に装甲車両を押し出してきた場合はうまくいきません。

•ドイツ軍の機動力のため、私は多層防御を行わなければなりません。
o 攻撃を防御の中心部に吸収する。
o 敵の歩兵を減らして、建物を奪えないようにする。
o CVPの制約に負担をかけるため、可能な限りAFVを倒す。

私の分析は、ここで紹介するよりも多くのことを網羅していますが、この記事の中で完全なシナリオレビューはしたくありません。この記事ではシナリオのレビューは行いません。そこから、私はドイツのVCのどの部分を、最小限の労力で相手から奪うことができるかを判断しました。そして、防衛拠点を決め、それに従ってユニットを配置しました。下の画像は、私が最初に考えたものです。

 

初期計画

次の画像は、私の計画を実際に実行したものです。

 

この計画について、いくつか注意点があります。
• Z2/Z3の保持で勝利を狙いました。
o どちらかが私を勝者にする
o CVPの制約を脅かす待ち伏せの機会もある。

•これでドイツ軍の動きを鈍らせることができます。
•青い線の間は、SSRにより隠匿して初期配置します。
o 青い「曲線」の矢印は私の後退計画です。
o 最も重要な動きとして、8-1/MMG/HSが林内の部隊に戻り、防衛拠点の指揮官となる必要性です。

•隠蔽カウンターは、盤上に初期配置する残った1両のGMCを表しています。
o 相手の心理に少し疑念を持たせることを期待。
o 隠蔽と本物のGMCが並んでいることは驚くべき点。

•S3のM10 GMCも隠匿されています。
o GMCはZ8からCC12までのラインに沿って火力支援を提供するために存在します。
• CC7周辺の林の部隊は、最後の一兵まで戦う可能性があります。
o これだけの火力では開豁地を通るのは困難。
o 火線は動きをより制限。

• DD8に後退するBAZは、GMCがカバーできない領域を押さえる場所に位置取る必要があります
o この後退は確定
o このHSはドイツ軍歩兵から隠れる必要あり。

終わりに

さて、これで終わりです。私が防御についてどのように考えているか、数ページの短い文章でまとめてみました。トビーの素晴らしい記事を読まれた方は、私たちのアプローチに著しい共通点を見出すことができるはずです。防御する場所を特定し、そこにユニットを割り当て、SWを分割し、敵を待つのです。

トビーは記事の中では触れていませんが、あえて言えば、彼は私がここで強調したことと同じようなことを、半信半疑でも考えていたのではないでしょうか。優秀なプレイヤーの多くは、少なくとも無意識のうちにこのようなことを考えているのではないでしょうか。

私がブログで分析したシナリオを見てもらえば、それらの分析に具現化された多くのアイデアを見ることができるでしょう。それらの記事を書いている最中にも、ここで提起された考え方は浸透しています。今後、さらにシナリオ分析を書いていく中で、この記事に書かれている用語を使用していくことになります。

謝辞

私は、何人かの無名のヒーローに感謝したいと思います。まず、トビー・パイリング。彼の記事なしには、これを文章にすることは考えられなかったでしょう。デヴィッド・ガーヴィンとHongKongWargamerはこの記事の初期バージョンを手がけ、最終的な成果物にもっと集中できるよう手伝ってくれました。アンディ・ハーシーは第2版の改良を手伝ってくれました。最後に、マイク・バリス、マイケル・ハストラップレス、マーティン・ヴィッカが70%の解決策(ソリューション)を見直し、最終的な成果物に向けた素晴らしい示唆を与えてくれました。マイク・バリスは、私が公開する前の最後の段階で、もう一度読んでくれました。どんな間違いも私一人の責任ですが、彼らの協力なしには、この成果物はあり得ませんでした。ありがとうございました。

[編集後記:ほとんどの人が目にしないことですが、編集者や親切な読者が、私の記事を改善するための提案を送ってくれるという貢献があります。私の記事「Prisoners.Take 'Em or Leave 'Em」の中で表を提案してくれたのは校正者でした。何ページもある文章をシンプルな表に凝縮した「Take 'Em or Leave 'Em」の記事です。簡単なことなのですが、これが記事を大きく改善することになったのです。この提案は、ミハエル・セドラッコからのものでした。

この人たちの貢献がなければ、私の記事は中途半端なものになっていたでしょう。私の記事が的外れであったり、もっと重要なことですが、粗悪なだけであったりすると、彼らは私に知らせてくれるのです。この人たちには、いくら感謝してもしきれません。彼らのおかげですべてが良くなるのです。悲しいかな、間違いはすべて私自身のものなのです。

いよいよ本連載の最終回「ASLにおける攻撃」です。これを書くまでに、私は大原則を完全に意識的に受け入れていました。]

ASLにおける攻撃

この記事は、『Le Franc Tireur』のFrom the Cellar #12に掲載されたものです。グザビエ(ザビエル)の許可を得て、この記事を再掲することにしました。掲載は、FTC 12の売れ行きが下がってからにしようと思っていたのですが。LFTにはまだ在庫があるで、ぜひ買求めてください。

刊行時には、こちらの記事も合わせて公開しました。その記事に含まれる情報は、概ねこのブログ記事のリンクからたどり着けます。それでも、すべての参考資料を見るために、そちらをご覧になる価値はあります。

[編注:このブログの関連記事には、記事やトピックへのリンクが含まれています。その中には、シナリオ分析における私の大原則の適用、戦術的な議論、このテーマに関する他の著者の考えについて書いた一連の記事も含まれています。ぜひご覧になってください。]

刊行された記事と比べると、若干の変更があります。グザビエは快く、誌面の原画の使用を許可してくれました。私は基本的にそれを避けようと思っています。誌面の原画は素晴らしく、記事をポップに仕上げていると思います。もし、ここでそれを使ってしまったら、本誌を買いに行く理由がなくなってしまいます。そのため、私はもとの記事と一緒に提出した原画を使用するつもりです。

残念ながら、元記事にはいくつか明確にすべきことと、1つ間違いの訂正があります。これらの変更は、その時点で指摘することにします。前置きはこのくらいにしましょう。

 

Le Franc Tireurの『From the Cellar #11』で、トビー・パイリングの素晴らしい記事、「A Player's Guide to A SeLf Defence」を読んでから、ASLでの攻撃に対応する記事はどのようなものだろうかと考えるようになりました。以前から認めているように、私自身は平均的なプレイヤー以上の者だとは思っていません。トビーのような熟練したプレイヤーだと錯覚しているわけでもありません。それでも、2014年のASLOk GROFAZトーナメントで総合4位になり、2016年のテキサスチームトーナメントで優勝したりと、ある程度の成功を収めています。

Illuminating Rounds #63で、トビーは防御マニュアルについてやや長く話し、攻撃マニュアルの必要性についても少し触れました。尋ねると、トビーさんは、そんな記事を書くことはありえないと認めました。私は、そのような記事はどのようなものかを考えてみました。以下、ASLにおける攻撃の私のガイドラインです。

私は攻撃を具体的に3つの順序に分けました。つまり、ゲーム前、ゲーム中、ゲーム後の3つです。この記事では、ゲーム後の順序については説明しません、それについては学習の余地があります。この記事では、ゲームプレイについてのみ考えます。

最後に、私は本記事がASLにおける攻撃法の決定的な記事だと宣言するつもりはありません。私はそこまで傲慢ではありません。しかし、この記事が様々なオンラインASLコミュニティで議論のきっかけになればと願っています。ASLはプレイするのが難しいゲームであり、マスターするのがもっと難しいゲームです。私はこれをすべての新参者と初心者のために書きました。私たち全員が登ろうとしている山を、低くする助けになればと思います。しかし、自分をごまかさないでください。攻撃はAdvanced Squad Leaderで最も難しいタスクです。

攻撃の11戒

ASLでは攻撃側の勝ち負けは自分次第です。勝利条件(VC)を満たすか負けるかは、攻撃側たるあなた次第です。すべてを実現する責任を負うのはあなたです。ASLにおける攻撃のシンプルな戒律を示します。
0. 攻撃側のあなたは負けているのです。それを勝利に変えるのはあなた次第。
1. VCを知る。どうすれば勝てるかを決めてくれる。
2. 時間配分を知る。あなたのペースを決めてくれる。
- 進捗状況を確認する。ゲーム終了後の1ターンに「勝つ」ことは、やはり負け。
- ピュロスの勝利はASLでは勝利。
3. 潰走経路の計画を立てる。敵の潰走経路を遮断する。
4. 地形が戦闘にどのように影響するかを理解する。
5. 敵陣を射撃下に置き、スカルキングを防ぐ。
6. VCに必要なければ消耗品。
7. 機会あるごとに包囲する。
8. 重要な射撃を最初にする。SANにチャンスを奪われないように。
9. 悪いことは起こるもの。それに最もよく対処した者がたいていは勝つ。(ビル・シリロに感謝)
10. 両軍の車両・兵器についてH章を読んでください。

訳注:「ピュロスの勝利」とは、「損害が大きすぎる勝利」の意味。古代ギリシアのエペイロス王ピュロスの故事から。

[編注:これらはすべて、私の「大原則」に直接結びつくものです。]

ゲーム前:勝利の初期配置

この記事について考えているとき、2021年10月に書いた「私のASL戦術の大原則」という記事に何度も立ち返りました。この記事には、シナリオを分解するための私のアプローチの概要が書かれています。また、私が選んだ陣営のVCを達成するために、どう計画を立てるかが書かれています。攻撃と防御の両方をカバーし、与えられたOBと対戦相手を比較対照することについて話しています。どこにアドバンテージがあるでしょうか? それをどう使いますか?

大原則の記事では、「Tyranny of Time(時間という名の暴君)」についても触れています。ASLではどんなシナリオをプレイしていても、時間は有限です。限られた貴重な資源なのです。6ターンのシナリオで7ターン目にVCを達成するのはダメです。攻撃側であるあなたの頭の中で、時計が刻々と動いているはずです。どれくらいの進捗が必要なのか、把握しておく必要があります。そして、「先手を打つ」チャンスを逃さないことです。今、節約した時間は、後で挫折を乗り切るために使える時間です。

この記事の最後の重要なトピックは、地形とそれが計画立案に与える影響についての議論です。地形とは、私たちが演じる舞台のことです。地形の一部は、目標地になる可能性があります。あるものは動きを止め(ノー・ゴー)、邪魔をし(スロー・ゴー)、あるいは積極的に誘います(ファースト・ゴー)。時には、勝利への最短距離となる「高速進入経路」もあります。攻撃側として、これらの選択肢から計画立案する必要があるのです。

特にASLを学び始めたばかりの人、あるいはもっと上手になりたいと思っている方には、「私のASLの戦術の大原則」の記事を読むことをお勧めします。この記事は4ページ強で、29ページを参照してください。ルールは軽めに、計画立案に重きを置いています。私見ですが、本稿を最大限に活用するために必読のものです。実際、この記事を読んだことがある人も、いったん止めて、もう一度読みに行くことをお勧めします。それでも、その大原則の記事は、多くの応用についてはプレイヤーの理解力に委ねています。

私のメソッドをどのように適用しているかを見るため、数例をここで紹介します。これらの例では、選択したシナリオの詳細な分析を行っています。また、各陣営の戦闘序列の相対的な長所と短所について、互いに比較しています。記事はそれぞれ、各シナリオにおいて地形およびそれが機動にどのような影響を与えるかについて、かなりの時間をかけて検証しています。また、防御がどのように設定され、攻撃がどのように見えるかも論じています。また、シナリオに適用されるであろう戦術についても述べています。私がどのようにシナリオを分析し、攻撃の計画を立てているか、例を見てみてください。

勝つためのノウハウ

ASLでは、VCを理解するだけでは十分ではありません。そのVCをどのように達成するかも理解しなければなりません。もし、ゲーム終了までに5つの建物を支配せよと書かれていたら、あなたは建物を支配する方法を知っているでしょうか? もし知らないのであれば、ゲームが始まる前に理解しておかなければなりません。これはすべてのVCに当てはまります。その意味するところと、どうすれば実現できるかを知っておきましょう。「Nヘクスから5ヘクス以内に統制状態の歩兵がいない」と「Nヘクスから5ヘクス以内に混乱していない歩兵がいない」では大きな違いがあるのです。たとえ100%の確信があったとしても、ゲームが始まる前に対戦相手とVC について話し合ってください。どちらかが相手の知らないことを知っているかもしれませんし、同意することで双方にとってより楽しいゲームになるのではないでしょうか?

[編注:「どうすれば」勝てるかに直接リンクしていることに注目してください。今、私の頭の中では、この「大原則」が結晶化し、その力を十分に発揮し始めているのです。]

作戦立案

相手の初期配置、VC、時間、横断すべき地形などを考慮し、成功の可能性のある計画を立てます。その際、どの部隊がどのような役割を果たすかを決めておきます。あるユニットは機動部隊になり、あるユニットは監視と火力の要員になるというふうに。どのような役割であっても、各ユニットは何らかの形でVCの達成に貢献する必要があります。

攻撃経路を計画しましょう。攻撃時は、掩蔽(TEM)と遮蔽(妨害)となる地形を利用します。敵の防御砲火の威力を軽減するため、積極的にDRMを作るようにします。視認外の回復地形がある経路を探しましょう。敵の射撃・移動フェイズに、防御側が簡単にDMに戻せないような場所に潰走させるのがベストです。敵の視点からマップを見る時間をとってください。マップの見え方が変わるでしょうか? 防御の見え方が変わるでしょうか? 盤上にはノー・ゴー、スロー・ゴー、ファースト・ゴーの地形があることを忘れないでください。もし攻撃側がファースト・ゴー地形を自由に取れるか、あるいは防御側の火力を簡単に制限できれば、攻撃側は積極的な動きでより多くの距離を稼いで「ターンを奪う」ことができます。時間軸を先取りするチャンスをうかがいましょう。

[編注:大原則2の地形分析への言及です。]

戦術的な柔軟性を必ず持たせてください。悪いことは起こるものです。狙撃兵は制御不能です。ダイスも同様です。狙撃兵が攻撃陣営の指揮官を抹殺した場合、どうやって挽回するつもりですか? 挽回できないこともあるでしょう。それが限られた資源の本質です。挫折から立ち直るために、できる限りのことをしましょう。自分がどう反応するかをある程度考えておくと、プレッシャーにさらされたときに正しい判断ができるようになります。

敵の配置を考慮することは必要ですが、敵に交戦条件を決めさせてはなりません。あなたは攻撃側です。あなたが先に動き、先に撃つ。これによって主導権を握ることができます。相手に条件やペースを与えて、主導権を渡してはいけません。交戦の場所と時間を決めるのはあなたです。

一度に一つずつ噛み砕く

防御陣地を精査し、撃破可能な孤立した要素がないか確認しましょう。MGやAFVを使用して、防御側の横方向の増援を制限し、攻撃の重点を防御の一部に集中させます(重点の原理)。これによって陣地を大きく破り、防御側を後手に回すことができます。この箇所を撃破し、次の箇所を探すのです。VCを見失わないように。防御側のOBの一部を撃破しても、VCの達成に近づかないのでは意味がないです。

よく計画された攻撃は、自軍ユニットの長所を生かし、短所を最小化するものです。敵の弱点や初期配置の欠点を利用しましょう。地形を活用し、攻撃ユニットにとって有利なDRMを作り出しましょう。

よく計画された攻撃では、自軍ユニットが混乱しそうな場所を特定し、それらのユニットがどこに潰走するかを予測します。そのため、予想される回復地点まで潰走して、回復を段取る役割の指揮官を用意しましょう。よく計画された攻撃では、ユニットを攻撃に戻す取り組みの重要性と推進力を維持する必要性が認識されています。もし、あなたの攻撃が時間の経過とともに主導権を失い、消耗していくようであれば、これが最も可能性の高い理由です。攻撃を中断し、攻撃を持続させる方法を計画しましょう。これを怠ると、おそらく負けるでしょう。

ASLにおける装甲戦闘車両

ASLにおいて装甲戦闘車両は特に考慮すべきものです。彼らはASLにおける「スイスアーミー・チェーンソー」です。行動するたびに、多くの選択肢から選ぶことができます。単純に準備射撃でMAを発射することを考えてみてください。MPhの移動と射撃の能力はASLでは比類がなく、移動中射撃のTH/TKの試みはあなたが思っているよりはるかに効果的でしょう。計算してみてください。驚くかもしれません。

移動中射撃でMGを撃たず、MAでROFを得ましょう。戦車は、AFPhで再度MAを撃つこともできます。特に高いTEMの地形の歩兵ユニットに対して、AFPhでこの難目標を捕捉するチャンスを見逃してはなりません。

AFVの機動性と小火器への無敵ぶりは、潰走路を遮断し、スカルキングの場所を砲撃下に置き、相手の動きを阻害する理想的な候補となります。戦車は歩兵の支援が必要です。理想的には、他の戦車、LATW、砲などのAT資産で支援することです。孤立した戦車は与しやすい目標です。機動中の孤立戦車は、相手がそこに行ければ、すでに死んだようなものです。

戦車は、歩兵の攻撃を助けるために、援護を提供できます。SDがなくても、AFVなら車載煙幕手榴弾を試すことができます。装甲突撃のためにAFVを使用して、前進する歩兵を援護できます。AFVは、移動中でないか、まだ移動していない場合は障害となるため、駒を移動させる順序を考慮する必要があります。戦車は目標選択の制限を課し、歩兵を目標に接近させるができます。

しかし、AFVはバラ色の面ばかりではありません。混乱はしません。死んだAFVは回復しないのです。戦車で何かをしたいという誘惑は、その戦車がすでにあるべき場所にいて、何もしないことが正しいという考えに気づかなくなることがあります。私の友人のガイ・チェニーが言うように、「戦車は潰走しない!」のです。しかし、失うことを考えて麻痺してしまわないよう、慎重に扱ってください。ASLにおけるAFV戦闘の基本については、私のブログで一連の記事を読むことができます。これらの記事には、たくさんの情報が詰まっています。

私の考えるAFVの役割

デーヴ・ラムジーは、複雑な状況におけるAFVの役割について困惑すると、メールのやりとりで述べています。正直なところ、私も時々困惑してしまうのですが、私のゲームでの使い方について、自身の考え方をお伝えしようと思います。

援護を提供―あらゆる役割のAFVは援護を提供できます。その区域を通る射撃には+1 の妨害DRMが適用されます。また、砲兵器の煙幕、SD、車載煙幕手榴弾が使えるので、AFVは装甲突撃に使用できます。

潰走路の切断―敵ユニットの集団に降伏を強要したり、潰走しなかった敵ユニットを除去する方法はないでしょうか? もちろん、そのような行動のリスクとリターンを比較検討しなければなりませんが、混乱9 -2 や 10 -3を除去するチャンスがあれば、ほとんどの場合、そうする価値があります。このような機会を探してみてください。

横方向への増援やスカルキングの位置取りを妨害―防御側の移動計画を見極めれば、AFVで攻撃することで敵ユニットの流れを分断ことができます。もし自然なスカルキングの機会があれば、AFVから射撃を受けるようにします。AFVの機動力は、このような射撃を行うのに適しています。

コンバットタクシーー跨乗兵であれ乗車兵であれ、AFVは歩兵を迅速に攻勢に向かわせることができます。跨乗兵は脆弱ですが、時には必要不可欠な存在です。これは時には防御側から「ターンを奪う」ことができます。早い段階で節約したターンは、VC達成のプレッシャーがあり場合、通常より価値があります。

強襲の支援―これらの戦車は強襲グループに割り当て、強襲に合わせて移動し、割り当てられた目標地点を支配しようとします。このAFVはRtPhを含め、必要に応じて援護を行います。このRtPhの援護が、降伏と進軍の分かれ目になることもあります。これらのAFVは、敵歩兵を追い払うためMGの支援とMAのパンチを提供します。味方歩兵の適切な支援があれば、強襲の先頭に立つ戦車は、防御側に本当に厄介な存在となります。VBMフリーズは、これらの戦車に共通する戦術です。

機動グループ―この役割を担うAFVは、防御側の主要な抵抗線をすり抜け、彼らの戦術スペースに入り込もうとします。一旦そこに入れば、これらのユニットは横方向の増援と潰走を悪夢のようにできます。適切に使用すれば、防御側を後退させたり、立ち往生させたりできます。しかし、このような使用にはリスクが伴います。これらのAFVは、多くの友軍の支援を受けていない可能性が高いからです。先に述べたように、孤立したAFVは簡単に標的にされます。もしこれを行うなら、ASLにおけるAFV戦闘の基本、特に死の舞踏を理解していると確認すること。こうしたユニットは、あなたが必要とするときに生きている場合にのみ脅威とできます。生かす方法を知っておきましょう。装甲車や他の高MP車両はこの役割に優れています。

ASLにおける歩兵

歩兵の能力が装甲部隊に比べて限定的であることは間違いありません。歩兵は移動中射撃の能力がありません。歩兵はAFVほどの機動性を持っていません。小火器による攻撃にも弱いです。戦場にリスクはつきものですが、歩兵にはAFVにない重要な利点があります。

歩兵は回復し、戦場に戻ることができます。歩兵は、土地を支配し、保持するために必要です。この地点を取ることは、VCを満たすための条件であることがほとんどです。もちろん、戦車はその区域を支配している間だけ、そこを支配していますが、離れた後も保持するためには、歩兵がそこに入る(建物の場合は掃討)必要があります。

戦車に関する連載と同様、ASLにおける歩兵戦闘の基本に関する記事も増え続けています。このシリーズでは現在、歩兵対AFVの戦闘を検討しており、VBMフリーズに対する防御を扱う第2弾のトピックもあります。

最後に、この記事では狙撃兵を一般的な方法で扱っています。狙撃兵のメカニズムや、狙撃兵が与える影響を最小化する方法について、より深く掘り下げることは可能です。そのような議論はこの記事の範囲外です。もしこのトピックについて、より深い記事が欲しいのであれば、Mark Nixonの「Hyper Sniper: A SANe look at this threat in ASL」をお勧めします。.これは、『The General, Volume 31, Number 2』に掲載されています。

例 1:初期配置

写真は、「AP100 Coal In Their Stocking」のアメリカ軍第 3 ターンの始まりです。私はアメリカ軍をプレイしていました。VC はアメリカ軍が建物支配、ドイツ軍が EVP/建物支配という構成になっています。ここでアメリカ軍にとって非常に脅威となるのは、AFVが自由に北側(右側)の端から退出できることです。またドイツ軍は、時間経過とともに建物支配のポイントを蓄積していくので、速やかに建物を奪取しなければなりません。では、ドイツ軍はアメリカ軍に何を与えたのでしょうか?

孤立して機動中のSPW250/8(赤で囲んだ部分)に注目してください。また、マップの南西(左上)隅を向いていることにも注目。このAFVは攻撃に脆いです。中央の4-6-8/LMGは前のターンで釘付け状態となり、TEMのない繁みヘクスにいます。2台のハーフトラック(HT)とたくさんの歩兵がいるので、これは簡単に排除できるターゲットであり、潰走失敗で除去となるはずです。さて、どうだったでしょうか。

 

MPhの間、私はHSを林に移動させ、4-6-8/LMGからの射撃を受けました。相手は1,1を出し、8FPの列まで畏縮しましたが、それでもHSは除去となりました。相手のユニットが最終射撃なったので、私はハーフトラックで2回ドイツ軍を蹂躙(OVR)させました。どちらのOVRもドイツ軍を混乱させることはできません。AFPhでは、B8の 2 つの 6-6-6 分隊が IFTで8FPの攻撃をして、ドイツ軍分隊を混乱させました。RtPh では、ドイツ分隊は潰走しなければなりません。が、適正な潰走先がないため、潰走不能(FTR)で除去となりました。2 両のハーフトラックがこれを可能にし、歩兵では同じ結果を得るのがいかに困難であったかに注目しましょう。この攻撃は、マップ中央を保持しているドイツ軍 OB の一部を取り除き、前のターンにドイツ軍分隊が釘付け状態となってからの混乱を利用したものです。

トビー・パイリングの歩兵の方針(かつ私の攻撃の方針といかに似ているか)


「自衛ガイド」の中でトビーは、歩兵を3~4個分隊からなる小隊として配備することを解説しています。その後、各小隊に指揮官を配置します。指揮官のいない小隊は、指揮官のいる小隊に分り当て、予備を形成します。そして、この各小隊にSWとタスクを割り当てるのです。トビーの記事はよく書けているので、ぜひ読んでください。ただし、トビーは防御について話しているので、考え方が全く違うことを念頭に置いてください。

とはいえ、私は攻撃でも同じようなことをします。まず、任務から始め、目標を確定し、それぞれの目標を達成するために必要な戦闘グループを作ります。私は最も士気の高いユニットを、目的を達成するために必要な機動部隊の強襲隊に配属します。もし自動火器ボーナスを持つユニットがいれば、間違いなく強襲隊に入れます。質の低いユニットは支援グループとして攻撃の「翼」に配置します。彼らは横からの増援を抑止するために存在します。必要であれば、低品質のユニットでも攻撃を強化できます。もし可能であれば、自己回復能力を持つユニットを、この支援グループに配置します。

次は指揮官を割り当てですが、最高の指揮官を強襲グループに配置します。指揮官が限られている場合は、後方で混乱ユニットを回復させ、攻撃を継続させるようにします。指揮官が潤沢な場合は、最高の指揮官が前線で攻撃を指揮し、他の指揮官は回復の任務につきます。支援グループには指揮官がいないこともあります。私は重要なSWを持つ支援グループには指揮官を置くようにしていますが、いつもそうできるとは限りません。もし、そのSWを担当する操作班がいれば、そのSW班は自己回復能力を持つので、自然に適合することになります。

次に、各グループにSWを割り振ります。強襲グループは移動するため、4~5PPのSWは割り当てません。これには多くのLMG、火炎放射器、DC、およびいくつかのLATWを割り当てます。「翼」のユニットには、より重いSWとLATWのいくつかを配置します。これらのユニットはゲーム中に移動しますが、遠距離火器は彼らの任務に適しています。彼らは攻撃を支援し、攻撃が進むにつれて横からの増援を断つ必要があります。翼はAFVの支援をあまり受けないので、敵の装甲に対抗するためにLATWが必要です。

最後に、任意のAFV をこれらの各グループに割り当て、強襲グループの支援を優先させます。AFVは動くものなので、強襲グループと相性が良いのです。私はAFVを強襲グループと密着させ、LATWを戦車の周りに密集させます。これにより、歩兵は敵の歩兵を抑えつつ、敵の戦車に脅威を与えることができます。AFVは攻撃を支援する移動式トーチカ、妨害や援護としてのカバー、『煙幕』、そして必要ならMAのパンチを提供します。また、いざとなれば、歩兵が接近して射撃によって減殺できるよう、要地をVBMフリーズすることもできます。

例2:与えられたものを一度に一つずつ噛み砕く

この画像はターン終了時の戦車戦の様子です。ドイツ軍は最初のグレイハウンドがN1からN4に移動したとき、L2でCXの4-6-7/LMGを確認状態にしました。ドイツ部隊はパンツァーファウストを撃たず、6+3FPの射撃を選択しました。パンツァーファウストチェックが成功していたとしても、3ヘクスでの基本TH#は6です。ドイツ軍プレイヤーにとって残念なことに、結果は無効でした。

4-6-7は畏縮し、最終射撃カウンターが乗ります。残りのAFVは前方に流れていきます。グレイハウンドの1両は移動中射撃を行い、失敗しました。残りはAFPhでの射撃を選択し、捕捉を獲得。AFPhでは、すべてのAAMGが4-6-7に対し、2/4FPの修整なしでまず撃ちます。ドイツ軍分隊は弾丸の雨で受けた唯一の士気チェックを振り払いました。L1のM8 HMCがMAを1発放ってTH1,2を出し、ついに分隊が混乱。他のすべての砲は、不運なSPW250/8を捕捉しました。次のドイツ軍のMPhでSPW250/8を撃破します。残念なことに、混乱ドイツ軍分隊は潰走できました。

 

マクロ的に見れば、これらの動きは、マップの中央をアメリカ軍の機動に開放し、ドイツ軍の後方に4両のAFVを、敵AFVに邪魔されずに配置することができました。しかし、リスクがないわけではありません。マップを見ればわかるように、退出口を押さえているのはアメリカ軍のM5A1が2両だけです。70B7に隠蔽されているドイツ軍のAFVはJgPz IVで、正面からはM5A1に対して実質的に不死身です。しかし、道路が近いので、グレイハウンドは、JgPz IVが退出口に逃げ込もうとしたら、追いかけて群らがれるほど近くにいます。プーマも脅威ですが、M5A1には十分手が届きます。運良く、次のドイツ軍ターンで60mm迫撃砲がプーマを1両撃破しました。

その他のゲーム前の様々な検討事項

•トーチカの支配は面倒です。混乱ユニットを強制的に潰走させるはできず、敵の進入を拒否できます。内部のユニットも外部のユニットもCCを行えます。トーチカの支配が必要な場合、どうやって中に入るか計画する必要があります。トーチカが空でない場合、中に入るには2ターン要することがあります。それなりの計画を立てましょう。

•トーチカと同様、要塞化された建物は、進入して支配するのが面倒な場合があります。釘付け状態でない統制状態の武装した敵軍分隊(または分隊相当)は、その場所に進入する自軍ユニットを妨害するのに十分です。迂回によらず、その場所に進入した戦車は、突破口を穿つことができ、突破口を穿つためのDCの配置もできます。もちろん、要塞化された建物にいるユニットを混乱させたり、釘付け状態とする攻撃も、進入を可能にします。要塞化された建物がゲームに存在する場合、これを考慮して計画を立てなければなりません。

•損害勝利ポイント(CVP)の数え方を理解しましょう。これは、字句どおりのCVPとしてカウントされることもあります。また、CVPとして与えられる退出VP(EVP)としてカウントされる場合もあります。シナリオのSSRによって、異なるカウントの仕方が指示されることがあります。捕虜や捕獲した敵の装備は、VC/SSRで否定されない限り、2倍の価値があることを忘れないでください。この場合も、ゲーム進行中に相手と話し合い、現在のCVP/EVPがどのようなものかについて、お互いが同じ考えを持っていることを確認しましょう。

• 複数レベルの建物は攻略に時間がかかります。ユニットは混乱して上階に潰走すると、1ターン以上支配を拒否できるので、計画の一環として、移動に必要な垂直距離を必ず考慮に入れてください。階段シンボルからしか上がれない場合は、さらに困難です。

•また、「建物の支配」と「建物区域の支配」は異なるものであることに留意してください。建物を支配しても、その建物内の全『区域』は支配できないことがあります。建物内の全『区域』に入るか、建物内の各『区域』を支配するために掃討するかのどちらかです。

• "建物ヘクスの支配"は、また違います。建物を支配することは可能ですが、そこに敵の武装車両が迂回している場合、そのユニットがいるヘクスは支配できません(A26.11)。敵にHIPユニットがいる場合、掃討はそれらを確認状態とさせ、対処できるうちに発見するようにします。迂回しても、上階『区域』にHIPユニットがいれば、多くのゲームで敗北を喫しています。
o 屋上を忘れないでください。屋上は初期配置において隠蔽地形であり、ユニットはそこで HIPにできます。そのようなユニットは、LOS 内に同一レベル以上の敵のユニットがいなければHIPを維持できます。
o 屋上のユニットは、建物の支配や建物区域の支配を拒否できませんが、ヘクス支配を拒否でき、発見されなければ簡単に支配を回復できます。
o 無慈悲を宣言している場合、掃討はできません。
o 建物の区域支配では、歩兵は支配するために建物内の全ての区域に入らなければなりません。
o 上階区域のHIPユニットを見つける(バグハント)のは非常に困難となります。

•敵が倒れているときに蹴りを入れてください。もしあなたが合理的に敵ユニットをDMに戻せるならば、そうしてください。もちろん、敵の砲火にさらされたままでは自分も混乱する危険性があることを考慮してください。
o HOBやSANの可能性と比較検討します。もし、その混乱ユニットが狂暴兵として災禍を引き起こす可能性があるか、さらに悪いことにピカピカの新ヒーローを伴った回復となりうる場合、そのリスクの価値を考えてください。これは伝えるのが難しいですが、練習すれば身につくはずです。
o 潰走に失敗した敵を除去する機動が可能で、特にHS/操作班/ヒーローが辺りにいる場合、ほぼ常にこれを実行すべきです。
o 敵のSANの影響を最小限に抑える。これは確度の低い射撃を見送るという意味ではありません。そのような確率の射撃は何発かすべきです。
o 低いTEMにうまく配置されたHSは、より価値のあるユニットのために狙撃を吸収できます。ダミーユニットも同様です。狙撃兵は「スポーク」の上で移動することを忘れないでください。SANカウンターの区域を見て、どのように動くかを想像し、それに合わせて計画を立てましょう。特に目標にとって重要な場合は、SANに近いものから撃ちましょう。SANが発動した場合、少なくともそれらの重要な射撃は既に済んでいるので、機会を逃すことはないでしょう。

•SANを気にしすぎないでください。SAN値が高くても、過度に心配する必要はありません。
o たとえあなたが敵のSANの目を出したとしても、1か2を出さないと発動しません(33%)。たとえ発動したとしても、その攻撃の50%はMMCを釘付け状態とし、SMCを負傷させ、AFVをstunにさせるだけです。
o あなたはSANによって予期しない方法で罰を受けることになるでしょうが、どちらの側もコントロールできないものに、あなたの攻撃を鈍らせることはできません。
o NMCに必要な DR よりも SAN値が高い場合、射撃しないことを推奨する人もいます(例:相手のSAN値が4 以上の場合、2+2射撃は打たない)。SAN値があなたを傷つける確率は、あなたが結果を出す確率の1/3なので、私はこれに反対です。その代わりに、SANの区域を確認し、最悪の事態が起こる危険性が、標的となるユニットの除去に値するかどうかを見ます(例:9-2が狙撃される危険を冒して、混乱した徴集兵HSを撃つべきではありません)。

• 『煙幕』があるなら使ってください。十分に使っているつもりでも、実はそうでないこともあります。
o 煙幕手榴弾を持つ歩兵も同様です。残りのMFを煙弾のために使っても問題ありません。
o アメリカ軍(または1944年以降のイギリス軍、日本軍のエリート分隊、G.M.D.の5-3-7分隊)をプレイする場合は、白燐手榴弾を忘れないようにしてください。使えるかはかなりランダムですが、白燐手榴弾を敵のいる区域へ投げると、相手にとって厄介なサプライズとなります。

• 非定型なLOSの状況を把握しましょう。
o 思ったよりFFMO/FFNAMの射撃が可能。
o 丘を上っている、頂点の照準点、林-道路ヘクスにある道路ヘクスサイドに注目。

• 覚えたルールや出現した状況をメモしておく。
o ゲームをスローダウンさせず、かつ記憶に頼らずに。
o それでゲームを学んで、改善にもなります。

• 他のどの方法よりも、相手のプレイヤーとしての士気(PMC)を崩すことが、多くのゲームで勝利につながっています。
o これはあなたを含みます。あなたはプレッシャーに直面しても弾力的でなければなりません。
o 冷静さを保つことで、DRの良し悪しの影響を少なくできます。
o これは、あなたが言葉責めで相手のPMCを攻撃すべきだということではありません。それはゲームが勝手にやってくれます。下手なことはしないように。
o ここで説いていることを実践できればいいのですが、できる人はできるし、できない人はブログで書いていることを読みましょう。

ゲーム中:プレイ中の注意点

これまで、主に攻撃計画について話してきました。計画は重要です。しかし、計画を立てるだけでは十分ではありません。攻撃側はプレイ中に起こることに対応しなければなりません。時には、これは攻撃を遅らせることを意味し、時には優位に立つことを意味します。次項では、マップの局所的な状況に、計画を適応させる方法を取り上げます。

この記事が進むにつれ、ASLのターン制の性質に留意するようになります。次のターンを意識してください。これを怠ると、バラバラで拡散した攻撃になってしまいます。この点については、フェイズを進める中で、いくつか指摘していくつもりです。この議論は一見、文脈から外れているようで、読者を不安にさせるかもしれません。ASLの戦場でつまずくより、ここでつまずく方がましです。

回復フェイズ

このフェイズは、ゲームが進むにつれて、ますます重要になります。各プレイヤーターンの開始時に、前のプレイヤーターンの戦果を知ることができます。ここでガラクタを拾い集め、ユニットを攻撃に再投入しなければなりません。

しかし、ターンカウンターをめくったときだけ、回復フェイズを考えるのでは十分ではありません。攻撃側プレイヤーは、MPhで次の回復フェイズの計画を立て始めましょう。これを認識したうえで、攻撃側は、ユニットがどこでどのように潰走するかについて、ある程度把握しておく必要があります。攻撃側は、MPhで「回復指揮官」を決め、その場所に移動させる必要があります。もし、あなたのユニットが、自己回復できないことが多いのであれば、それは潰走を十分に計画していないか、混乱ユニットがどこに潰走するかを知らずにすべての指揮官を移動させているためだと思われます。計画を立てないと、攻撃が勢いを失い、破綻します。

潰走経路を計画するとき、回復地点は防御側のLOS外にあることを確認しましょう。DMユニットをその状態に維持することは、防御側の優先事項です。そうすることで、攻撃を遅らせることができます。混乱した複数のユニットが士気チェックを受けることは、無視できない機会です。

攻撃を見直す

戦果を確認することで得られるもう一つのメリットは、進入経路を見直すことができることです。局所的な状況に応じて、経路の軸を変えるべきかもしれません。防御側が過剰な犠牲を出したのであれば、そこへの攻撃を強化する時期かもしれません。もし攻撃側が過剰な死傷者を出しているのであれば、局地的な確保と回復の強化が必要かもしれません。防御側が反撃してくることが予想される場合、この攻撃をどのように受けるかを検討する時機かもしれません。以下の例をご覧ください。

攻撃側は、増援を考慮して計画を立てなければなりませんが、この時点で増援をどこに投入するかを決定します。双方の死傷者を見て、最も効果のある場所に部隊を投入できます。防御側の増援がどこから来るかを知っていれば、攻撃側は増援の進入を妨害し、遅らせることができるかもしれません。覚えておいてほしいのは、攻撃側が主導権を握っているということです。攻撃側はいつ、どこで衝突が起こるかを決めます。攻撃側は、このことをうまく利用しなければなりません。この状態を維持するために、計画を見直し、横からの増援を断ち、攻撃の焦点をずらすなど、必要に応じて変更しましょう。防御側が送ってくるものを、自分の好きなタイミングで受け止めましょう。防御側のせいで、自分の目的から目をそらされないようにしましょう。

例3:「AP100」における攻撃の見直し

この例は、「AP100 Coal In Their Stocking」のアメリカ軍第4ターンが始まっているところです。ゲーム終了時、アメリカ軍はドイツ軍より多くの勝利ポイントを獲得すれば勝利です。アメリカ軍は、各ゲームターンの終了時に、支配している石造建物(緑で囲った部分)1つにつき2VPを獲得します。同様に、ドイツ軍はゲーム終了時に支配している石造建物1つにつき3VPを獲得し、EVPも獲得します。この時点で、アメリカ軍はVPを獲得していません。さらにドイツ軍は、マップの北(右)端からユニットを退出させようと威嚇しています。

アメリカ軍が勝つためにできることは?

 

アメリカ軍プレイヤーの私の計画は、このターンにB4建物を取ることでした。これでゲーム終了時に6VPを獲得できます。私はゲーム終了までにF4とG6を容易に支配できる区域にいます。そうすれば、私は10 VPを蓄積できます。ドイツ軍が、残り2つの建物を保持すると仮定して、ドイツ軍は6VPを獲得し、アメリカ軍は簡単に勝利することになります。このため、JgPz IV を阻止することは、アメリカ軍のチャンスにとって非常に重要です。JgPz IVがマップから退出したら7VPです。その場合、勝つためにもう1つ建物を取らなければなりません。

青い矢印は、私がゲームをしながら考えたことです。まず、退出口に向かおうとしているユニットを遮断または除去しなければなりません。私はまず、準備射撃に60mm迫撃砲でJgPz IVを攻撃しましたが、効果はありませんでした。勝算はあまりありませんが、もしこのTDを撃破、走行不能、または衝撃を与えることができれば、他のユニットがMPhに他の目標に移動するための自由が生まれます。

MPhでは、まずジープを移動させました。これは、JgPz IVの射撃を誘発するためです。もし撃ったら、その後に(ROFを維持しない限り)機動の試みやSDを使用することはできません。相手は撃ちません。これにより、2FP MGが隠蔽MMCの退出口を遮断するように配置されました。この時点では分かりませんが、そこにはHS(1EVP)1つがいます。

次に私は、M5A1の1両を移動させることにしました。その理由は2つあり、最初の1両がJgPz IVを撃破できれば、もう1両は自由に村に攻め込むことができます。次に、最初の M5A1でJgPz IVを排除できない場合、JgPz IVを倒すのに十分な機会を得るために、Nヘクス列のM8 グレイハウンドを移動させる必要があるかもしれません。

結果的に、最初のM5A1がJgPz IVの後方に移動しました。相手は停止MPで射撃を宣言し、私は同時射撃を宣言します。私は同時射撃に勝ち、先に撃ちましたが、TDを撃破できませんでした。返り討ちにあいましたが、JgPz IVのMAは故障しました。2両目のM5A1が接近して側面から攻撃をして、JgPz IVを撃破します。2両目のM5A1は残りのMPでジープを支援し、隠蔽分隊に対抗するために移動しました。この隠蔽部隊はドイツ軍のMPhに混乱し、ジープによって簡単に一網打尽にされる可能性がありました。

次に2両のハーフトラックが動きます。F3の9-1/HMGとC6のHS/パンツァーシュレックを「VBMフリージング」しました。注目すべきは、ハーフトラックが9-1/HMGをフリーズするため移動したとき、私はプーマのヘクスを経由しましたが、そのヘクスに車載煙幕手榴弾を設置したことです。

そのため、B4とF4の建物を簡単に奪取できました。

自由になったM8グレイハウンドはF8エリアに移動し、包囲射撃をしてドイツ歩兵の潰走に問題を起こします。M8 HMCの1両はI4へ移動。この移動により、ドイツ軍の混乱分隊は潰走に失敗しますが、指揮官からパンツァーファウストを撃たれる危険性がありました。このM8は、AFPhで移動中射撃を行い、残りのプーマをHEAT弾で撃破しました。

CCでは、9-1がフリーズ中のハーフトラックを炎上する残骸にしました。DRM+3 のおかげで、9-1/HMGは彼のプレイヤーターンに、F4 にいる私のユニットを混乱させることができませんでした。9-1がCCのためF4に突撃したとき、どちらも傷つきませんでしたが、私は区域を支配して2VPを獲得しました。この時点で、私は4VPを獲得していました。B4 を支配してさらに4VPを獲得する予定であったので、ゲーム終了時には少なくとも8VPを獲得することになります。私は8つの分隊でH3とG6に迫っていました。どちらかを支配すれば、ゲーム終了時に最大で6VPを獲得できることになります。さらに、私はほぼすべてのAFVを保持しており、CVPの制約もありませんでした。私は、「勝利への道を凍らせる」ことができるとわかっており、相手は4ターン終了時に降参しました。

私の攻撃は積極的でしたが、無謀ではありませんでした。最初の4ターンで失ったのは1個HSだけでした。私のユニットが混乱したとき、指揮官がちょうど良い位置いて、戦いに戻すことができました。

さらに注目すべきは、ここでは車両ノートを読むことが重要な点です。アメリカ軍のM3 MMGハーフトラックには、乗車兵として6-6-6分隊が含まれています。この分隊はシナリオカードに載っていません。さらに、乗車兵は降車する際に、分解したMMGを2つ降ろして持っていくことができます。これを利用して、火力のアップグレードを図りました。これはまた、6-6-6乗車兵が生存DRのリスクを冒さず、混乱、潰走、回復を行えるようになったことを意味します。

防御側のプレイヤーターンを忘れずに

次のターンの計画を立てるとき、防御側にも発言権があることを忘れてはいけません。防御側は、あなたのユニットを撃つかもしれません。その場合、あなたの混乱ユニットはどこに行くのでしょうか? そのようなユニットを回復させ、再び攻撃に参加させる指揮官がいることは、攻撃を成功させる重要な要素になります。

また、攻撃側としては、スカルキング地点をいかにして射撃下に置くかを考えることが、相手のスカルキングを阻止する鍵となります。これができれば、防御側の後退を促すことができます。この再配置を妨害できれば、臨機射撃と防御射撃でユニットを混乱させ、防御を揺るがす強力な方法となります。防御射撃で混乱したユニットは、あなたのプレイヤーターンにDMをつけた状態で回復しようとします。このペナルティにより、これらのユニットが戻ってくることはまずないでしょう。さらに、混乱ユニットの潰走は完全に防御側の支配下にあるわけではありません。AFPhにこれらのユニットを攻撃したり、APhにこれに隣接移動することにより、再びDMにできます。ベターなのは、積極的な移動によって、これらのユニットを潰走不能で除去できるようにすることです。

例:次のターンに向けた計画

 

画像は、私が観戦したVASの盤面の一部です。このゲームでは、ドイツ軍プレイヤーが攻撃しています。防御射撃では、ドイツの10-2スタックがアメリカ軍のユニットを混乱させ、その後W8まで潰走させました。

ドイツ軍プレイヤーのターンにおいて、W8のユニットは回復に失敗。ドイツ軍は自軍ユニットで撃たせないことにしました。現在、ドイツ軍のMPhです。どうすればW8のユニットを安全に除去できるでしょうか?

ここではまさに、それを達成するための計画が見られます。Y2の8-1スタックは急速歩移動を宣言。X1とW1を迂回してW10の林を通り、W9を迂回してV8に入り、V7でMPhを終了。この移動が、アメリカ軍から射撃を受けることはありません。

 

Z1/Z10(盤面の継ぎ目)のユニットはCXです。幸い、そこには8-1指揮官がいます。MPh の開始時にCXを失い、5MFで経路をたどります。これでアメリカ軍ユニットは、確認状態の敵ユニットに隣接することなく、潰走路を利用することができなくなりました。

V7のユニットが CX(阻止できない)であっても、W8の混乱ユニットはまず降伏を試みるでしょう。ドイツ軍が捕虜を取らないことを選択した場合、混乱ユニットは潰走不能で除去されます。

その他の回復フェイズでの様々な検討事項

• 必要に応じて展開する
o 2個HSは1個分隊より多くの運搬ポイントを運べる。
o 損耗していない日本軍HSは、後で統合できる。1ステップでは混乱するものの、分隊は混乱するまで3ステップある。移動先で統合すると、完全戦力の分隊に戻る。
o 必要に応じてHSの統合も考える。

▪ CC値が増加。

▪より多くの射撃機会を得る。HSでは不可能な、固有火力とSWの射撃が分隊ではできます。

▪統合はどちらのプレイヤーのRPhでも可能。これには指揮官が必要。

• 回収できるものは回収しておきましょう。
o 特にCVPのあるゲームにおいて、ゲーム終了時に2倍になる敵のCVP機材。
o 特にゲーム終了までに破壊/除去/非所有にしなければならない敵の機材。

• 修理を忘れないでください。
o AFVの主武装の修理には気をつける
o 戦車は砲だけの存在にあらず。
o AFVがMAなしでできる他のすべてを失うことは、破滅的なものになりかねない。

•必要に応じて SWや機材を受け渡しましょう。
o +1 DRMを避けるためCXユニットから SWを受け取り、非CXユニットに渡す。
o SWをペナルティなしに使用できるユニットに与える(例:DCを非エリートユニットからエリートユニットに渡す)。

• 捕虜を受け渡し/放棄できる 2 回の機会の1回目です。
o 捕虜を受け渡すと、通常は展開できないユニットを展開できる。
o 必要に応じ、特にソ連軍においてこれを実施。
o 捕虜の受け渡しは、捕虜を送受するユニットの回復フェイズの行動として換算しないことに注意。

•衝撃/未確認の破壊の回復判定drを忘れずに。

準備射撃

PFPhは難しいテーマです。PFPhほど困惑させられるフェイズは他にありません。多くの人が「撃て」と言います。トッププレイヤーは「撃っていたら負けだ」と言いつつ、自らも幾ユニットかを撃たせるでしょう。

具体性のあるルールは、ほんの少しです。フェイズ開始時に、現在ある自軍の『煙幕』カウンターをすべて裏返すか、取り除きます。RPhの計画立案において、妨害DRMが減少または除去されることを考慮に入れてください。次に、砲兵器の『煙幕』を最初に配置します。その後もしあれば、OBAの『煙幕』とOBAがあります。これからは、トレードオフの連続です。

準備射撃や待機射撃をするユニットは、続くMPhに移動できません。これらのユニットは持っていた隠蔽も失います。攻撃側として、移動はおそらく勝利するための一要件です。そして、こちらの攻撃を鈍らせる防御側の横方向の増援を阻止するような移動を含めなければなりません。次の防御臨機攻撃の火線は、それに適しています。

これらすべてを、移動の必要性と比較検討しましょう。攻撃地点で敵ユニットを混乱させれば、他のユニットに移動の機会を与えられるかもしれません。時には、移動で防御側の隠蔽を解いた後、AFPhに火力をフルに発揮させるため、ユニットに待機射撃させた方が良い場合があります。また、待機射撃のユニットは、LATWを発射した場合、緊急事態のペナルティと事例C3のDRMを回避できることに注意しましょう。もちろん、そのユニットは防御射撃に耐えなければなりませんので、デメリットがないわけではありません。

以上のことから、準備射撃について言えることは、「学びのプロセス」ということです。任務達成までの残り時間を意識してください。時間に余裕があれば、準備射撃のチャンスも多くなります。時間がないのであれば、移動に専念しましょう。それでも、移動の選択肢を増やすために、防御の要地を無力化する必要があるかもしれません。これは準備射撃の行使を意味することもあります。時には、AFVの移動中射撃や他の方法(例えばVBMフリーズ)で対処できるでしょう。

撃つ順番を意識してください。ある順番は他の順番より優れています。敵の狙撃兵カウンターに近い射撃は、狙撃活性化がこれらのユニットを先に混乱させたり、釘付け状態にしたりしないよう、最初に撃つのがベストです。先撃ちで敵ユニットを混乱・釘付け状態にすることで、他のユニットをより積極的に前進させるができます。包囲は順序よく行わなければなりませんが、猛射撃は先にするの例外となります。最初に低FPの射撃をして、次に高FPの射撃で包囲を完成させると、目標が混乱する確率が高くなります。

残念ながら、これらはすべてプレイしながら身につけるものなので、自分の攻撃の順番に気を配り、もっとうまくできなかったかと自問自答してください。

その他の準備射撃フェイズでの様々な検討事項

• 掃討を忘れずに。
• 築壕DRを忘れずに(ただし狙撃が発生しうることも忘れずに)。

o 許されていれば新しい監視兵を指定する。
• 砲を着架/脱架し、操作班をTIにする。

移動フェイズ

アメリカ軍のジョージ・S・パットン・ジュニア将軍は、かつて、「今、激しく実行される良い計画は、来週の完璧な計画より優れている」と言いました。ASLでも同じことが言えます。迷ったら、積極的に攻撃し、相手にプレッシャーを与え続けることです。しかし、攻撃性と無謀さを混同しないでください。時には、両者の間に非常に微妙な境界線があるのです。

移動フェイズにおけるAFV:想像以上に強力

私はASLにおけるAFV戦闘の基本について、一連の記事を書きましたので、ここでそのすべてを繰り返すことはしません。私は、あなたがそれらを読んで、攻撃の文脈でAFVについて考えてみることをお勧めします。それでも、私は記事にあったいくつかの点を繰り返します。

AFVはASLで最も強力な駒です。移動、発煙、射撃、強襲する歩兵の援護を行う能力は、このゲームにおいて比類がないほどです。たとえ撃破されても、その残骸は残りのユニットにいくらかの遮蔽を提供し続けることができます。他の記事で述べたように、AFVの喪失が勝利につながるのであれば、それを失うことを恐れてはいけません。攻撃側として、知っておくべき特別なリスクがあり、それを考慮した上で計画を立てなければなりません。

迂回中のAFVは、側面への射撃を受けやすい。これを意識して、防御側の側面射撃の機会を制限するようにしましょう。適切な場所を迂回することで、相手にとって予想外の射撃やチャンスを得ることができます。

同時射撃を理解するかどうかで、AFVは健在となるか、燃え尽きるかの違いを生みます。勝てない同時射撃でも宣言することで、生き残れば次の射撃が可能となります。

死の舞踏を知ることです。自分のAFVが敵の攻撃に対してほぼ無敵でない限り、敵のAFVと1対1で戦うのは良い考えとは言えません。敵のAFVがどのように防御するか、どのような選択肢があるか、どうすれば成功率が高いかを知ることは、敵のAFVを倒すための鍵となることが多いのです。敵AFVの区域に煙幕を置いたり跨乗兵を落としたりすると、敵AFVに目標選択の制限を課し、敵AFVの選択肢を減らすことができます。

ハルダウンはAFVに対するリスクを大幅に減少させます。AFVを移動させるつもりであっても、AFVにその資格がある場合、ゲーム前のハルダウンの判定を忘れないでください。

意図的な走行不能の射撃に注意。任務上の撃破が、AFVの破壊を意味するとは限りません。

アグレッシブなプレイは、リスクを認識し、リスクを軽減するために最善を尽くすものです。ダッシュ、煙幕、VBMフリーズはすべてリスク軽減の例です。HSを先に移動させて攻撃を引きつけ、連続臨機射撃の選択肢を制限することも、後続の移動のリスクを軽減できます。地形を利用することで、さらにリスクを軽減できます。TEMとLOS妨害は、マイナスのDRMを排除または軽減できます。煙幕の適切な使用は必須です。遮蔽物の後ろや死角ヘクスでLOS外にいれば、リスクは完全になくなります。

攻撃側として、移動は必須です。攻撃は、刻々と変化する時間をふまえて進行しなければなりません。迷うなら移動しましょう。もしユニットが自動火器ボーナスを持っていれば、ほとんどの場合、射撃するよりも移動すべきでしょう。敵のいる区域に隣接している場合、ほとんどの場合、移動前より移動後の方が火力は高くなります。AFPhにおける複数ヘクスの火力グループ、特にユニットが自動火器ボーナスを持っている場合、その価値を過小評価しないでください。

移動フェイズには、防御側のターンを意識してください。どのユニットがスカルキングしそうですか? 敵は第二防御線に後退しそうですか? 敵のスカルキング区域が射撃下に置かれるように、あるいは敵の逃走経路を妨害するように作戦を立てましょう。プレッシャー下で、相手に難しい決断を強いるようにしましょう。

攻撃側としては、攻撃時に数個のユニットが混乱することを想定してください。リスクを減らすために最善を尽くしても、良いDRは出ます。何かが混乱するのです。攻撃側として、どの指揮官が"回復マシン"かを見極める必要があります。これらの指揮官の役割は、攻撃を遅らせ、混乱ユニットを回復させ、再び攻撃に参加させることです。

自分のユニットが混乱したら、そのユニットがどこに潰走するのか、動きを把握しましょう。

潰走は可能か? 潰走できない場合、阻止を回避するために何らかの遮蔽物が必要ですか?

時には、潰走を可能にするために、何らかの形で遮蔽物を作る必要があります。攻撃側として、これらのことを考慮しましょう。潰走先が決まったら、ターン終了までに「回復マシン」をそこに移動させなければならないことが分かっています。移動しながら、混乱ユニットが同じ場所に移動したり、他の潰走目的地に移動する「回復マシン」が増えるようにしてください。執拗な攻撃の鍵は、ユニットをできるだけ早く攻撃に戻すことです。

私は、移動の順番がいかに重要かを示唆してきましたが、まだ直接的には触れていません。これには明確なルールはありませんが、考慮すべき点はいくつかあります。

• 「回復マシン」を動かすのは安全なときだけとし、多くの場合は最後にしてください。

•AFVを移動させるタイミングを注意深く検討しましょう。
o 強襲のための援護が必要か?
o 潰走のための遮蔽物が必要か?
o スカルキングまたは撤退経路を妨害する区域につくことができるか?
o 準備射撃の代わりに移動中射撃を行えるか?

• 低価値ユニットを移動させ、攻撃を引きつけ、後続の連続臨機射撃の選択肢を制限しましょう。

• VBMフリーズをするユニットは早めに移動して後続の動きを自由にします(ただし特にそこに指揮官がいる場合はCC対応射撃に注意)。

• もし防御側が射撃を控えた場合は、AFPhに備え価値の低いユニットでFG射撃ができるようにしましょう。

•歩兵が混乱すると潰走できない場所に移動させる際は気をつけましょう。
o これはASLを習いたてのころにはわかりにくいかもしれません。
o これを避けるために、常に「このユニットが混乱したら、どこに潰走するのか?」と自問してください。

最後に、移動時において、"行進中"にVC区域を奪取する機会を見逃してはなりません。このような奪取は、獲得しようとするVCに抵抗する敵ユニットがないときに行います。このような奪取は、敵の抵抗があるときよりもはるかに簡単で、時計の進みを遅らせることができます(頭の片隅で時計が動いているのを覚えていますよね)。

 

上表の注:
・左欄の先に記したユニットが全PPを所有。
・IPCの数値は組み合わせてのもの(SMC+MMC)。 ・交差照合した数値がスタックのMFとなる。 ・/の左が、指定のユニットが移動開始時に急速歩移動を宣言した場合のMFで、右は移動時に急速歩移動を宣言した場合のMF。未熟兵については1を引く(A19.31)。

移動力を高める展開(CX/受け渡しゲーム)

分隊を2つのHSに分けることで、より多くの移動のチャンスが生まれます。1つ目のHSは5PPの武器を持って急速歩移動をします。指揮官は1PPを持ち、HSには4PPが残ります。4PPの欄を見ると、4PPのCXの半個分隊は 6 MFあるのがわかります。APhにおいて、CXユニットは5PPのSWをCX でないユニットに受け渡し、CXペナルティなしで SWを発射できます。

次の攻撃側プレイヤーのターンにおいて、1つ目のユニットはCXを失い、5 PPのSWを所有するユニットは急速歩移動を宣言し、5PPのSWを所有するユニットは再び6 MFとなります。

移動フェイズにおけるその他の様々な検討事項

•狂暴兵ユニットは最初に移動します。

o 狂暴兵ユニットを一番上に積み、オレンジ色のカウンターが見えるように。

o いくつかのTPP から入手できる赤の狂暴兵カウンターは本当に役に立つ。

• 敵の射撃機会を制限する方法を知りましょう。

o たとえ見えていても、ユニットに射撃の制約があれば、撃つことはできない。

o これは、他のユニットが自由に行動できるようにするための鍵となる。

• 潰走経路を遮断します。

o 潰走失敗はASLでは最強兵器。

• リスクを負うことを恐れないでください―修整前DR 4のリスクを負ってください(これはボブ・ベンディスの言葉です)。

• HIPを恐れない。

•援護射撃としての待機射撃。

• 障害物を克服または迂回する計画を立てる。

o 回り込む?

o 突破する?

•成功を強化する。

o なぜ石垣に頭をぶつけ続けるのか。

o 戦果拡張が勝利につながるようにする。

• 残留FPを過度に恐れてはいけない。

o ただし混乱時の計画を持つ。

o 地形を通過するとき、残留FPに対しTEMを得ることを忘れずに。

o マイナスDRMを尊重する。

o 一度に1ユニットずつ残留FPに移動する。

•偵察のための様々な方法を検討しましょう。

o 踏んで探索

o 索敵

o 射撃を誘発

• SWを回収しましょう。

•炎の撤去を試みることができます。

•撤去の試みはここで宣言してください。

o CCPhで解決。

o 障害物を撤去する予定があれば、必ずルールを確認。

• MPhの一部として索敵を宣言し解決します。

o 索敵による損害はここで発生。

•歩兵の煙幕はAFVの退却を遮蔽するためにも使用できます。

o 歩兵の動きを利用して、当人とAFVとの間に煙幕手榴弾を配置。

o 煙幕が置かれるごとに、MPhのDRMは+2され、3つあればLOSを遮断。

防御射撃フェイズ(相手のプレイヤーターン)

前述したように、攻撃側として防御フェイズをうまく処すには、前のMPhでその計画を立てることが重要です。そのために攻撃側は、防御側がどのようにユニットを移動させるかを予測し、その移動を妨害する必要があります。

優れた攻撃側は、防御側のスカルキング能力を制限しようとします。これは防御側のユニットが、どこにスカルキングするかを想定し、特に開豁地であれば、その場所を射撃下に置く機動をすることを意味します。スカルキングの機会を奪うことには、少なくとも2つの利点があります。

• 防御側がスカルキングできない場合、別の戦線に退却するか、今いるところから射撃します。

o 防御側が射撃を選択した場合、攻撃時のこちら側の数の多さがより重要。

• 防御側が退却した場合、次の戦線への道筋には、おそらくスカルキングしようとしていた区域が含まれるでしょう。

どちらの場合でも、これらの結果はMPhがうまく実行されたことの帰結です。

防御射撃の考察 – 準備射撃の代わりに防御射撃を

アメリカのASLトッププレイヤーのボブ・ベンディスから、「攻撃側の防御射撃フェイズは、次のターンの準備射撃と考えるように」と言われたことがあります。最初はこのアドバイスに戸惑いました。しかし、よくよく考えてみると、その通りなのです。システム的には、攻撃側には防御フェイズと準備フェイズがあります。防御フェイズで混乱や釘付け状態となったものは、次の回復フェイズにDMになるため、回復しない可能性があります。たとえ回復したところで、このターンの前進を阻止するのに最適な区域にいることはありません。さらに、このようなユニットは、次の防御プレイヤーのターンで強みのある位置にいる可能性は低く、それを改善するために動かなければなりません。

考えれば考えるほど、そしてASLをプレイすればするほど、この考え方がいかに強力であるかがわかるようになりました。今では準備射撃で撃つ回数を大幅に減らし、機動を好むようになっています。攻撃はよりアグレッシブになりました。私は、スカルキングを止めるための位置取りに励みました。相手の撤退を私が先回りして考えるので、頻繁に攻撃できるようになりました。前進射撃フェイズでより多くの射撃をするようになりました。

防御射撃で混乱したユニットと同様に、AFPhで混乱したユニットは次のMPhで攻撃に直面した際、強みのある位置にいたり、適切な配置についていない可能性が高いのです。その理由がわからない人は、少し考えてみてください。あなたのターンの終了時に、そのようなユニットは潰走します。DMにならないように、LOS外へと潰走します。

つまり、移動も前進もできず、まだ大きなスタックにいる可能性があります。あなたのプレイヤーターンには、これらのユニットはおそらく回復します。隠蔽されておらず、あなたの次の動きを妨害することができません。これらのユニットは防御側の次のターンに移動しなければならず、積極的な移動によって防御側の逃走経路を遮断し、射撃と機動によってこの弱体化した場所を制圧できます。

もし、あなたがこの記事から何かひとつでも得るものがあるとすれば、それは、このコンセプトと、それがあなたのゲームへの取り組みをどう変えられるかということについて、じっくり考えてみてほしいということです。洞察に感謝します、ボブ。

防御側のLOS 内に混乱ユニットがいて、それが指揮官と一緒にいるか、APhにそのユニットへと突撃できる指揮官がいれば、そちらを優先事項としましょう。次のあなたのターンに自己回復できないユニットをDM化し、自由に指揮官の元へ潰走させるのは意味がありません。これらのユニットは機動によって簡単に処理することができ、降伏または潰走不能に追い込むことができます。

準備射撃と異なり、ユニットの移動を制限することはありません。できる限りたくさん撃ってください。上にも書きましたが、SAN値にあまり振り回されないようにしましょう。

防御射撃フェイズにおけるその他の様々な検討事項

• 可能であれば包囲する。

o 包囲区域を離れる際にMFが2倍になり、ユニットがCXとなる可能性あり。

o 士気が1 低下。

o 包囲状態で射撃をすれば+1 DRM。

o 場所が包囲されるのであってユニットが包囲されるのではない。

あなたのユニットが包囲区域に突撃した場合、誰が包囲したかに関わらず混戦カウンターが乗れば、そのユニットも包囲された状態になります。

• 包囲されたユニットが確認状態の敵ユニットに隣接している場合、潰走するのではなく、降伏します。

o 上階の包囲を忘れずに。

• 即応射撃を忘れずに。

o 無修整の2FPの即応射撃は、行先での4FP+2の射撃よりもベター。

o これは安っぽく、トーナメントによっては禁止されているものの、石垣は自分の区域へのLOSを遮らないので、石垣の背後に下がるユニットを即応射撃可能。

o これは防御側が石垣の背後にスカルキングしようとする場合に有効。

• その資格があれば、防御側は迫撃砲の新しい視認兵を指定可能。

• 防御射撃フェイズに撤去DRを実施。

o 例外あり。

o 障害物を撤去する場合、必ず撤去のルールを読むか記憶しておく。

• MPhに移動する予定があれば、SWを分解/組み立てする。

o 特に5PPのSWに当てはまる。

o あるいは所有する部隊を展開しCX/受け渡しゲームを行う。

前進射撃フェイズ

防御射撃と同様、AFPhが効果的となるかは、攻撃側のMPhで決まります。機動によって、勝利を阻む防御の要所に圧力をかけましょう。可能であれば、敵の重要な区域を包囲する。また、「潰走強制」状態にして、混乱ユニットを阻止することも重要です。DRM(CX、LOS妨害など)がプラスのユニットは阻止できないことに留意してください。また、降伏や潰走失敗して除去となる運命のユニットには発砲しないでください。なぜ、戦禍で復活する機会を与えるのでしょうか?

隠蔽された攻撃ユニットに隣接する混乱ユニットに攻撃をおこなってはなりません。隠蔽ユニットは混乱ユニットをDMにしません。また、潰走させることもできません。有利な不意打ち修整と、CCにおいて混乱ユニットとして防御することを考えれば、攻撃側プレイヤーは混乱ユニットを除去し、浸透できる可能性が高いのですから。たとえ混戦となっても、防御側のターンに混乱ユニットは離脱します。混乱ユニットが離脱で生き残ったとしても、そのユニットは再起不能となり、攻撃側ユニットは、次の攻撃側プレイヤーのターンに攻撃や機動を行える。

自動火器ボーナスの仕組みを理解することは重要です。これは、一部の攻撃陣形において重要な役割を果たします。自動火器ボーナスが成立するには、通常射程内の射撃であることが必要です。自動火器ボーナスの射撃は最悪でも2FPです。火力の端数がどんなに少なくても1に切り上げられ、さらに1加算されて最終的に2火力の射撃になるわけです。隣接区域からの自動火器ボーナスは、通常は印刷された火力に1が加算されます。自動火器ボーナスのあるユニットからなる複数へクスの火力グループは、かなり大きなFP列となるので、それに合わせて射撃を計画しましょう。

準備射撃とは異なり、AFPhで射撃したユニットは突撃フェイズにも前進できます。射撃が成功する可能性が僅かでもあれば、射撃しない理由はほとんどありません。SANに邪魔されないよう、重要な射撃は先に行います。包囲射撃は順番に行い、最大火力の射撃で包囲を完成させるようにしましょう。

AFPhでも、砲兵器は白燐弾を発射できますが、AFPhの開始時に発射しければならず、拡散した『煙幕』を配置します。白燐弾はユニットのいる区域に配置されたら、士気チェックをします。拡散していても降伏する可能性のあるユニットを援護するための障害となります。

混乱ユニットを支援するために「回復マシン」を動かすことを覚えていましたか?

その他の前進射撃フェイズに関する様々な検討事項

• 炎と火災の拡散を忘れないように。

• このターンに突風が発生していれば、『煙幕』カウンターを再びめくる。

• 『煙幕』は風下に流れる。

o これはAFPhの射撃前に発生。

o 漂流する『煙幕』は灰色カウンターを使用。

• 操作班は必要に応じて砲の脱架と着架を行える。

• 事例Jが理論上は停止しているAFVや残骸に適用される場合、 AFPhの後でなければ障害物とされない。

潰走フェイズ

この記事で何度も伝えているように、潰走フェイズの成功はMPhを適切に実行することにかかっています。部隊が、危険を冒した機動をするとき、攻撃側はそれらの部隊がどこに潰走するかに注意を払わなければなりません。混乱ユニットが、どこに潰走するかを知っていれば、行先には指揮官がいるはずです。潰走フェイズがサプライズであってはなりません。もしあなたのユニットのほとんどが自己回復をしていたり、指揮官があちこちへとユニットを攻撃に戻すために奔走しているなら、攻撃の実行方法と指揮官の動かし方を検討しましょう。多くのプレイヤーは、指揮官を見て、それが正面から攻撃をリードすべきだと考え、そしてなぜ攻撃が勢いを失ったのか不思議に思っています。もしあなたの攻撃で、混乱したままのユニットを残置しているのなら、指揮官の使い方を見直すべきかもしれません。

攻撃時に敵ユニットの隣を移動するユニットには特に注意する必要があります。これらのユニットに阻止を受けない潰走路がなければ、降伏する危険性があります。これらのユニットは最初に移動し、攻撃側が必要に応じて潰走路を確保できるようにするか、生存性を高めるため、できる限りの火力を誘引してから最後に移動すべきです。あなたが攻撃側として、潰走不能でユニットを失っているなら、ゲームのこの部分を改善する必要があります。攻撃側プレイヤーは潰走不能を引き起こすべきであり、潰走不能によってユニットを失うべきではありません。

その他の潰走フェイズに関する様々な検討事項

• 攻撃側は自軍ターンに自発的な混乱はまずしないものです。

o 前方に潰走することで「2倍移動」にする裏技はアリ。

• 戦意喪失ユニットは隣接する統制状態の騎兵/歩兵に降伏する。

• 火災区域に居続けるユニットは除去。

• 必要であればこのタイミングで自発的に混乱。

• 尋問が可能な場合、降伏したユニットは尋問の対象に。

• 混乱ユニットであっても有用でないわけではありません。

o 戦意喪失でない限り、敵ユニットは混乱ユニットの区域に入れない。

o 敵ユニットに対して地形を塞ぐ。

o 混乱ユニットは潰走路を塞ぐ。

• 混乱している確認状態の敵に向かっての潰走は不可。

• フェイズプレイヤーは先に潰走を行うため、これを活用可能。

o 混乱ユニットも敵の混乱ユニットにDMを与える。

▪確認状態の敵に向かって潰走はできないものの、混乱ユニットがLOS外でRPhを開始した場合...。

▪ 自発的混乱が好ましい候補。

突撃フェイズ

この時点で、すべての移動が完了します。潰走は処理済みで、残っているのは戦列の微修正です。フェイズプレイヤーの統制状態で釘付け状態でないユニットは、1『区域』移動できます。また、凶暴兵は突撃できません。

このフェイズに、ユニット間でSW/砲/捕虜を受け渡しできます。受け渡しされたものは、新しい所有者の隠蔽状態を引き継ぎます。捕虜を受け取ったユニットは、本来なら展開が許されていない場合でも、展開できます。

白兵戦に入るか避けるかを決めるのは、このフェイズで最も運を分かつ決断となります。決断の際には、不意打ちdrm、白兵戦DRM、戦闘比を考慮します。可能であれば、これらのうち少なくとも1つ、できれば3つすべてが自軍に有利でない限り、白兵戦に突入しないことです。

AFPhの項でも述べたように、隠蔽ユニットで混乱ユニットにCCを仕掛けると、非常に有益なことがあります。迷わず実行しましょう。

もしCCのオッズについて深く研究したいのであれば、『ASL Journal 10』のブルーノ・ニトロッソの記事「THE CLOSE COMBAT SIMULATOR - What To Expect When You're ... Close Combating!!!」がお勧めです。『ASL Journal 4』のデイヴ・オリーによる「The Fine Art of Bushwhackin'」は、CCの不意打ちの確率を網羅した素晴らしい記事です。

その他の突撃フェイズに関する様々な検討事項

• LOS妨害妨などプラスのDRMがあれば、ユニットは開豁地に突撃しても隠蔽のままでOK。

• 必要に応じSW/砲/捕虜を受け渡す。

• 敵AFVに隣接する日本軍MMCは、対戦車ヒーローの登場を試みられる。

• 防御側のスカルキングの選択肢を忘れずに。

o 防御臨機射撃時に考えるのでは遅すぎ。

• もし防御側が次の防御線に後退すると思えば、その経路に射撃できるよう試みましょう。

o 防御射撃で敵を混乱させることの有効性を忘れずに。

• 横方向への増援を断ち、妨害することも忘れずに。

o 攻撃側として、ここまで局所的な戦力優位を達成するために努力してきました。防御側に不利な状況に追い込まれないようにしましょう。

白兵戦

白兵戦は気まぐれな愛人です。それはダイスの一振りにすべてを賭けることです(格闘戦であればなおさら)。白兵戦に踏み込む場合、不意打ちdrmと戦闘比ができるだけ自分に有利になるよう、できる限りのことをしましょう。VBMフリーズは、+2の不意打ちdrmが課されます。もしBUであれば、さらに+1の不意打ちdrmが追加されます。さらに悪いことに、もしあなたが不意打ちできない場合(そしておそらくできない)、白兵戦はAFVのないプレイヤーから順に行われます。防御側がAFVを攻撃する場合、あなたのユニットは援護歩兵としてカウントされます。防御側があなたの歩兵を攻撃することを選んだ場合、幸運な DRで、相手が攻撃する機会を得る前に全滅させることができます。その後、あなたのAFVが防御側を除去した場合でも、防御側は支配を維持するか、AFVが離れたときに支配を回復できるのです。

攻撃側が不意打ちに成功したら、攻撃せずに離脱することを慎重に検討しましょう。もし浸透によって、攻撃側が何らかのVCを達成できるならば、浸透が最善の選択となる可能性が高いのです。そうでない場合、残って攻撃できます。攻撃側が敵を倒した場合、攻撃後に浸透できます。攻撃側が敵を除去できない場合でも、防御側の攻撃に耐えられれば浸透できます。

白兵戦を除外してはいけません。他に選択肢がなく、時間がない場合は、それが最善の方法かもしれません。ただ、あらゆることを正しく行っても、損耗して状況が悪化する可能性があることを知っておいてください。運が良くても悪くても、DRはすべてを台無しにする可能性があります。

CCの残酷さ―プレイの例から

ある年のウィンター・オフェンシブで、ビル・シリロのプレイを見たことがあります。対戦相手が誰だったのか、何をプレイしていたのかは覚えていません。覚えているのは、ビルが最終ターンでシナリオに勝っていて、相手が突撃して白兵戦を選択したことです。ビルはCVPを2失ってもゲームに勝つ余裕があり、CCに1個分隊が入っていました。CCで相手は1,2を出してビルの分隊を除去。ビルは反撃し、1,1を出して昇進となりました。このdrで8-0指揮官が登場、つまり1CVPあります。しかし、この1,2はオッズを計算し直しても、元の分隊と新たな8-0を除去するのに十分な低さでした。8-0は修整後DRでビルが負けるのに十分な時間存在しただけでした。リスクの観点から、ビルにとって適切なプレイは反撃しないことでした。今となっては、私も彼もそれを知っています。あえて言えば、彼は当時そうしなかった。私はそうしなかったことを、知っているということです。

[編注:この記事が最初に掲載されて以来、何人かの読者からこの例は間違っていると指摘されました。CCは残酷な愛人というだけでなく、ルールを知らないことはさらに残酷なことです。A10.2により、CCではLLMC/LLTCはありません。]

私はかつて、BUで衝撃状態のAFVでCCに入ったことがあります。私のユニットには9-2と5-4-8が含まれていました。私はCCVが6で、DRM が-4(走行不能、使用可能なMG なし、-2 指揮官)で攻撃。それで6,6 を出し、操作班による反撃が起きました。このAFVは CCV がないとしても、私のユニットは損耗しました。無作為選択は 9-2 を選び、負傷の深さで指揮官は除去となり、その後5-4-8は2MCで混乱。このAFVはプレイヤーターンに走り去りました。CCは残酷です。サイコロの一投になんら保証はないのです。

まとめ

ASLにおける攻撃は、最も困難なタスクです。シナリオが適切に設計されていれば、攻撃側は正しくタイムリーな判断をするようプレッシャーを与えられます。正しい判断が、誤った時間や場所で行われた場合、それは単なる誤った判断に過ぎません。勝利へのプレッシャーがかかっているときに、これらすべてを正しく行うことは困難です。防御側は、ただそこに座って、勝利への道を怠けていることができるのです。悲しいかな、攻撃側のあなたはそうはいきません。

しかし、その重荷の中にこそ、勝利のヒントが隠されています。攻撃側は攻撃のタイミングと場所を決め、狭い戦線に全兵力を投入し、猛攻を抑える防御側の力を圧倒できます。また、適切な作戦を立てれば、防御側が横方向に増援を送るするのを阻止し、ゲームに参加させないようにすることも可能です。シナリオデザイナーがあなたに課しているプレッシャーは、あなたが適切な計画を立てれば、防御側に10倍の報いを与えることができます。

計画時に、本稿がお役に立てたのなら幸いです。冒頭で述べたように、多くの人がこれを決定的な「ASLでの攻撃方法」の記事と考えることはないでしょう。私よりもはるかに有能な人たちがたくさんいて、彼らがこの議論に加わってくれることを願っています。私ができることは、私にできる最善のことであり、何人かのプレイヤーがこの記事を少しでも役に立てればと願っています。ASLは学ぶのが大変なゲームです。正しく攻撃する方法を学ぶのは、もっと大変なゲームです。これで学習曲線が平坦になることを願っています―ジム

編集後記

とうとう最後まで来てしまいました。70ページを超えるこの記事を最後まで読まれた方には、その執念と忍耐に拍手を送りたいと思います。そして、私がここに記した方法論の価値を理解していただければ幸いです。すべて、VC、地形、時間、戦闘序列という、4つのASLの大原則という基礎に帰結するのです。これらの要素が今後の戦闘に与える影響を分析することで、合理的で成功確率の高い計画を立てられるはずです。

それでも、経験を積めば積むほど、プレイヤーとして学ぶべき検討事項があります。初見で生き残る計画などありません。相手の行動や出目によって、いかに自分の計画を適応させるかも重要な要素です。臨機応変に対応できればできるほど、成功率は高まります。

戦術は、勝利へのもう一つの側面です。戦術とは、「目的を達成するために利用可能な手段を用いた技術または技能」と定義できます。これは、一見すると簡単なことのように思えます。しかし、この「用いた」という言葉には、一見して深い意味があるのです。ユニットを正しく「用いる」ためには、ユニットを使用する際にどのようなルールが適用されるかを知っていなければなりません。もし、あなたの理解にギャップがあれば、あなたの箱から道具が失われていることになります。もし対戦相手がそれを知っていて使っているのであれば、それはあなたにとって驚きであり、防御や適応が不可能になります。

この学習は、プレイを通じて行われます。ルールブックを読んでルールを知り始めても、ほとんどの人はそれが意味する微妙なニュアンスをすべて見分けることはできません。私もそうでしたから。また、勝ちにこだわる相手と対戦することで、思いもよらない選択肢に出会えることもあります。それでも、少人数でのプレイでは、ゲームに対する理解が孤立しがちです。少人数のグループは、ゲームと戦術を一緒に学ぶ傾向があります。これでは同じような失敗をしがちで、それがそのグループに染み付いてしまいます。そのため、ルールの奥深さを知ることがないまま、競争的なプレイをすることになりかねません。

私の考えでは、ルールを広く理解するためには、非常に幅広くプレイすることが有効です。トーナメントに参加して、世界中のプレイヤーと交流してください。彼らが、プレイに持ち込むルールや貢献を見てみましょう。彼らは、ある分野ではルールや戦術をより深く理解しているでしょうし、他の分野ではあまり理解していないでしょう。彼らがやっていることを理解し、自分のスタイルに適用させましょう。わからないことがあれば、遠慮なく教えてもらいましょう。

ゲームの後に時間をとって、それについて考え、今後のプレイにどう生かすかを考えてください。敵の動きに対して、今後どのように防御するかを考えてください。これがASLで成長する方法です。学習は能動的なプロセスです。良いプレイヤーになるためには、時間をかけなければなりません。もしかしたら、それはあなたが望んでいることではないのかもしれませんが、それもOKです。もしあなたのゴールが最高のASLプレイヤーになることなら、それには広い取り組みとプレイが必要です。私が知っている最高のASLプレイヤーは、ルールの達人で、日常的にトーナメントでプレイし、頻繁にプレイし、どんな状況でもルールを適用する方法を知っています。彼らは、あなたより多くの道具を持っているだけです。できる限り彼らから学びましょう。ASLでの成長を頑張りましょう。これは、とてもやりがいのある趣味になるはずです。

おわり

#AdvancedSquadLeader #ASL #スコードリーダー #ウォーゲーム #シミュレーションゲーム

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