【詩】夕暮れの兵士たち
光なぎ、空気に
芳香とけだるさが膨らむ頃
戦場より帰還する兵士さながら
よろめく足取りで店に滑りこみ
人生が行き交う
命の糧の店
ここでは皆、
その疲れた仮面を無理くり引っぺがし
無自覚に
今日の命を繋ぐ為さまよう
店を出れば、また諸々の雑務に
体をむち打ち
再び嵌めた仮面は更にひしゃげる
繰り返し繰り返し
命を繋ぎ
繰り返し繰り返し
命を削り
虚ろな目で家路を見つめる兵士たちよ
その果てに絶望の幻覚をみる兵士たちよ
せめて彼らに
鐘の音を
せめて彼らに
夕暮れの調べを
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