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『命にふさわしい』amazarashi


先ほどこの記事書いてたら、この曲もセットで思い出したので語ります。


朝日が昇ってきたような爽やかなイントロ。そして冒頭の『好きな人が出来た』というフレーズ。初めてここまで聴いた時は、「恋の歌……?」と思いました。


しかしさらに聴いていくと、恋に限らない事がわかってくる。むしろ人間愛だ。いつの間にか、イントロの爽やかさは静かな喪失感が増してくる。


そこからのサビ!この曲は歌詞もさる事ながら、サビの音色が素晴らしい!このボーカルのほとばしる感情と共に絞り出す様は、本当に胸が打たれる。



『世界を滅ぼすに値する』『世界を欺くに値する』ほどの、やるせない出来事。本人からすれば、きっとそれほどに値するのだろう。よくぞ代弁してくれた……。


どの歌詞も素晴らしいのですが、特に心に刺さる箇所はこの3つ。

全部を無駄にした日から
僕は虎視眈々と狙ってた
全部が報われる朝を

↑ここから一拍溜めてのサビ入りは、本当に感動します。実は歌だけ聴いた時は『全部を無駄にしたいから』と聴き違えていて「……?」と思ってたのですが、正しい歌詞を知ってから再び聴いた時、泣きました。



喪失も正解と言えるような
逆転劇を期待してる
そしてそれは決して不可能じゃない
途絶えた足跡も旅路と呼べ

↑これもサビ前。なんて良い言葉なんだろう……。


そんなに悲しむ事なんてなかったのにな

↑ここのフレーズの、ボーカルの歌い方がまた良い……。このサビ部分の一連を聴くと胸が抉られます。


本当はもう1つ歌詞を載せたいけれど、やりすぎか……。後半の歌詞も本当に良いです。泣きっ面に蜂のような繰り返しの人生ですら肯定してくれるのです……。


曲のイメージとしては、報われない朝を繰り返す日々という感じ。目が覚めたら事態が好転してれば良いのに。全部夢で、まだまともだったあの日の続きだったら良いのに。なのに目が覚めても現実で、報われてなんてないし、むしろ悪くなってる。ある日堪えきれずに朝日に向かって叫ぶ。こんな人生!こんな人生……!でも、そんな自分にも朝日は柔らかく差してくる。端から見れば何もなくてひどいものだろうけど、こんな人生だってアリだよな。バカみたいだけど、決して無駄なわけじゃないよな、って。ほんのちょっとだけ、思える気もする。


この歌もまた、彼独特の哀愁と人情味に溢れた声と歌い方がとても合っていて、名曲だと思います。彼の言葉と声と歌い方すべてが、悲しみに寄り添い、不幸な人生すら肯定してくれる。泣きながら何度もリピートして聴いて私はちょっとだけ救われました。世界中の人にこのメッセージが胸に響いてくれたなら、どんなに良いでしょう……そう願わずにはいられません。


ちなみにこの曲のPVは、人形が機械に壊されていく様をひたすら見せられるという、メッセージ性の高さ。調べてみるとゲーム『NieR:Automata』の物語を基にした歌だったようです。実はこのゲームの世界観、すごく気になってたので、この曲調べてこのゲームに行き着いた時は、運命感じました。いつかこのゲームもやってみたいです。










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