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胸部CTにおける限局性斑状GGOの鑑別

副題
-特に上皮内腺癌 Adenocarcinoma in situ (AIS)と、COVID-19肺炎、他の炎症について-

 インナービジョン11月号の総説にも書きましたが、発症日を0日として6日以内のCOVID-19はマリモサインを見る確率が高いです。マリモはAISと似ているため、鑑別が問題になります。

 そして最近、罹患率が上がってきて、incidental なCOVID-19を拾い上げる必要が出てきました。全然関係ない疾患を想定してるのにいきなりマリモが写ってきます。臨床的に脈絡ないのにレポートにCOVID-19って書くのは度胸が必要です。当たり前ですが度胸だけで書くとタダの蛮勇ですので、鑑別点が欲しいところ。

 そこで、もうご存知の方もいるかもですが、鑑別のエッセンスを載せておきます。ここは文字数でインナビから削った内容です。なお以下は基本的に「放射線診断専門医」向けです。生兵法は怪我の元なので、詳しい人にコンサルトをお願いします。特にベースに肺気腫や間質性肺炎があると鑑別が難しくなります。あくまでも傾向ですので絶対ではありません。正確な統計をとってない項目もあります。くれぐれも総合的な判断をお願いします。

 なお2週目に入るとCOVID-19の画像はだいぶ変化するので、以下の表はあくまで発症から1週以内の話です。

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※どこかで小葉間隔壁にぶつかり、そこで堰き止められるので。

 あくまで個人の感想ですが、鑑別で便利なのは病変内血管拡張ですね。ただ小さい病変では使いにくいです。あとその他の病変の直線性もかなり特異度高めです。

 経験則も含むので異論もあるかもしれません。ご意見お待ちしてます。なお非医療職からの質問にはお答えできませんのでご了承下さい。


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