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私の純猥談 超々短編「煙草」

貴方が大好きな煙草を、少し背伸びして吸ってみる。むせ返る程に、重たい煙が肺を一気に押し潰す。「このまま無くなっちゃえば」なんて思う程に、苦しくなる。
私の事なんかより、恐らく煙草を吸う事を一番に考えているのだろう。無いフィルターを、大袈裟に探しても、君と視線すら合わない。無意識に悟ってしまう。
このまま消えてしまった方が、記憶には残るのかもしれない。
きっと、今でも君は生きるのが難しいのだろう。あの時の私達は、煙に巻かれてしまった。「もう後悔もない」そう笑って、別れた筈なのに。
絡みついた身体は、意図も簡単に解けてしまう。染みついた煙の匂いは、記憶にこびりついて離れて行かないのに。
きっと今では私も生きるのが難しいのだな。冷たい水に身体を預けている時の様に、私達の関係も想いも沈んでしまった。その時から、浮上出来ずにいるのだ。
「後悔しても、もう遅い」最終勧告を突きつけられた時の匂いが、頭から離れてくれない。君が愛した煙草も、今はもう灰へ変わってしまっただろうに。
後悔と一緒にゴミ箱へ。投げ入れても、結局は別の道へ。

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