見出し画像

「ペーパーマリオ オリガミキング」をとにかく推したいという話

ペーパーマリオシリーズといえば、2000年に発売された64用ソフト「マリオストーリー」を皮切りとしたペラペラの紙でできたマリオを主人公とするゲームシリーズです。
わたしはこのマリオストーリーを小学生時代にプレイし、その可愛らしいグラフィックと凝ったストーリー、なにより一癖あるキャラクターたち夢中になりました。続編の「ペーパーマリオRPG」も、「スーパーペーパーマリオ」も今でも大好きなゲームの一つです。
ですが、環境の変化やハード変更も重なり3DS「スーパーシール」以降はシリーズを離れてしまっていました。

この記事は、そんなWiiまでのペーパーマリオシリーズファンによる最新作「オリガミキング」のレビュー記事です。
最初にお伝えしておくと、わたしの中では「オリガミキング」は過去作と並
び本当に面白いゲームだと思っています。
ですがなんだか、本作はamazonレビューもすごく控えめじゃないですか。
このインターネット全盛期、ましてやこのコロナ禍において大手通販サイトのそれを見てプレイせずに離脱してしまう人がいるのはとても悲しい。
なので、微力ではあるものの「オリガミキング」を気になっている方にぜひ手に取ってもらう機会を増やしたいと考え筆をとってみた次第です。

※この記事では主に過去作プレイ済みの方に向けて書いていきたいと思います。
ストーリーのネタバレは極力避けて書いていますが、文字だらけになってしまうためスクリーンショットを挟んでいますので見方によってはネタバレと感じられる部分もあるかもしれません。
またゲームレビュー的なことをするのが初めてなので読みづらい点があったらすみません。


オリガミキングってどんなゲーム?

画像5

絵本のような紙でできた世界に生きるペラペラなマリオたちのお話、という点は以前から変更はありません。
今作のストーリーをざっくりと説明すると、訳あってペラペラを憎むオリガミ王国の王「オリー」を止めるため、オリーの妹オリビアとともに冒険をしていくという話。

ゲームシステム的には、オープンワールド式で自分の足で様々なフィールドを冒険していく形となります。
かつ、バトルはシンボルエンカウントなので、「ペーパーマリオRPG」以前のシステムを想像しがちではありますがパズルを用いた新形式になっています。
詳しくは公式サイトを見ていただいた方がよいかと思います。


とにかくここが良いポイントについて

・世界観が素晴らしい

画像6

シリーズ恒例ではありますが、フィールドはすべてペーパークラフトのようなグラフィックで出来ています。
ざっくり章ごとにエリアが分かれており、鮮やかで明るいピクニックロード、秋模様が美しい紅葉の山と江戸村的なテーマパーク、歴史とネオンが同居する砂漠地帯、宝の眠る大海原…などなど。
個性豊かなフィールドがオープンワールド式で作り込まれており、基本的にはすべて自分の足で歩いていけます。(ラスダン除く)
ひとつひとつのフィールドの世界観の作り込みも丁寧で、さまざまな世界を冒険しているワクワク感は過去一と言っていいほど味わえると思います。
そしてなによりこのゲーム、BGMのクオリティが非常に高いのです。
戦闘BGMひとつとってもフィールドそれぞれの雰囲気にぴったりのアレンジがかかっており、どのアレンジも素晴らしい。
また全体の拠点となるキノピオタウンも、シナリオの進み具合によってBGMが豪華になっていくなどサウンド面でも細かい配慮がなされており、没入感の演出・気持ちの盛り上げ方が本当にうまい。
そしてサウンドテスト的なところがあるので好きなだけ永遠に聞けるのもうれしいポイントです。(欲を言えばサントラを早く発売して欲しい)


・小ネタが特盛

画像2

シリーズ通しての特徴ですが、小ネタが異様に多いです。山盛り。
10年以上前のクイズ番組のパロディとか、かの有名なMVに限りなく近いけど全然違うなにかとか、このネタは一体誰向けなんだ…というようなものが多い。どちらかというと子どもよりもアラサーに刺さるような……うっ…
今作の小ネタはノリでいうとスーパーペーパーマリオぐらいのだいぶハジけたノリに近い気はします。(悪ノリが過ぎてる場面もあるらへんが特に…)

小ネタの中でもいわゆる「黒い任天堂」的なブラックネタもかなり多めで、生死観・人生観もかなり突っ込んでいるなと感じます。
ツイッターでグロ・倫理ゼロとバズってましたが、もしこれを人間に置き換えたらまずいな…という描写は確かにわりとあります。
が、キャラクターは人間ではなく紙であるというのを生かしてあの表現を選択しているので、やっぱりあくまでもマリオシリーズで出来る範疇ではあるのかなと思っています。あの世界のペラペラたち、倫理観も人間とは異なるようですし、肉体的にどうにかなっても死なないし本人たちはどんなにひどいことをされてもその後そこまで気にしてなさそうなので・・。(彼らの生死感はまた別の場面で触れられていたりもします)

画像1

※ただ終盤は子どもならトラウマになりかねなさそうな結構ストレートにショッキングな演出が入ってきます。このシリーズ、昔からこういう怖いシーン入れるの好きだよね…
※ブラック描写、ネタバレなしだとちょっと言えることが少ないのでとりあえず気になるならやってほしいです‥(丸投げ)


プレイ前の気になりがちポイントについて

ここまでは今作の良いポイントを語ってまいりましたが、とはいえ過去作ファンなら過去作と比較してしまうところもあるかと思います。
やはり公式サイトを見ても気になることがいくつかあるかと思いますので、私がプレイ前に気になっていたこととプレイ後の感想を書いておきたいと思います。

バトルがパズル形式ってどうなの?
→たしかに賛否はあり、好き嫌いは分かれるかなと思います。
個人的な感想としては、結構頭も使いますし面白いシステムだと思っています。
雑魚戦とボス戦でシステムが異なり、特にボス戦はその相手によって攻略法を考えるところから始まり(ヒントもあります)パズルで好きなルートを作って戦う形式となっており、実際やってみると非常に面白いです。
また雑魚戦のパズルが苦手なら練習できる場所もありますし、練習の成果が実践で出るとかなり気持ちいいです。これチャレンジでやった問題だ!
テンポが悪いという話もありますが、正直マリスト・RPGと比較したらテンポはそんなに変わらないと思います。
どうしても難しければコイン消費で代わりにパズルを解いてもらえる救済措置もありますし、今作はシンボルエンカウントなので物理的に避けることもできるのでパズルだからダメだということは全くないと思っています。


個性豊かな仲間っていうけど、汎用グラだし名前も種族名なんでしょ?

画像7

→汎用グラだからこそ、期間限定のゲスト形式だからこそのエモさがあります。
ネタバレになるので詳細は君の目で確かめてくれ!ではあるのですが、期間限定であるからこそ出会いと別れがあります。その点、過去作では実現し得なかったストーリー表現が出来ているなあと感じます。
過去作はたくさんの仲間と一緒に成長して旅して‥という形ですが今作はその枠の仲間はオリビア一人だけです。
ですがそのぶんオリビアへの思い入れはひとしおですし、オリビアとゲスト仲間との掛け合いも面白いしとっても可愛い。そして仲間もゲストだからと言って決して薄いキャラではなく、みんなそれぞれバックグラウンドもあるその世界を形作る大切な登場人物の一人です。
システム面の話ですと過去作のように仲間キャラの操作はできません。その点は残念ではありますが、前述の戦闘のテンポ考えたら操作がないことでバランスはとれているのかなとは思います。



敵キャラ文房具そのまんまってどうなの?

画像7

→公式サイトにもある通りボスキャラクターは文房具そのままですが、見た目からは想像できないほど表情豊かで性格も個性的で面白いキャラクターとなっています。
そのうえ、そのままだからこそのキャラクターの引き立て方・ギミックへの反映が非常にうまくできています。
たとえば「ハサミは紙を切るものだ」とか、説明しなくても直感的にわかりますし、ボス戦のギミックもそこから考えることができます。言ってしまえば素材の味(?)を生かしたゲーム性がなかなか秀逸なボスキャラクター達になっているなと思います。


やたら絶賛してるけど本当にいいの?悪いところはないの?
→今作のバトルを含めシステム面でのマイナス意見はamazonレビュー等を見てもかなり多いなあと感じていますが、個人的に惜しいと思っているポイントを挙げていくと下記点くらいかと思っています。

・過去作のバッヂのようなシステムはあるけど選択肢が狭い
・やりこみは控えめ
 (わたしはストーリークリアに〜30時間、トロコンまでやって〜40時間ぐらいでした。過去作の100階ダンジョンほどの高難易度なやりこみ要素はありません)
・ストーリーの本筋は過去作(スパペパ比較ですが)に慣れていると若干弱めに感じる

と書きつつ、上記点もそうなのですが
過去作が思い出補正を含めても名作すぎて細かく比較されてしまうとマイナス評価になりがちになってしまうのかなと思います。
ですが、ペーパーマリオシリーズはスーパーペーパー以降ゲーム性を刷新し続けてきており今作もまた例外ではありません。
毎度毎度新しい挑戦をしてるものだということを鑑みても、個人的には今作のシステムは完成度が高く純粋に楽しめるものになっていますし、過去作の雰囲気もうまく汲めており、過去作ファンも新規ファンも幅広く楽しめる良作だと思っています。


終わりに

画像5

わたしは今作を買うか買わぬか迷ったうえに、発売当日にステイホームで暇だし‥という理由で始めましたが、思っていた以上に世界観に引き込まれ、トロコンクリア後の喪失感に耐え切れず2週目をやりながらこんな記事を書いてしまうぐらいにはハマってしまった一人です。
かなりポジティブに偏ったレビュー記事となってしまいましたが、過去作ファンで、過去作の雰囲気や小ネタ・ブラックネタが好きな方はぜひ「オリガミキング」をプレイして欲しいと思っています。

また紙の世界での冒険を楽しみたい…そのためにも次回作に繋がるように、たくさんの人にプレイして欲しいなと願っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?