Surfer King

　親戚の中にひとりは、結構メインキャラなのにどういう繋がりか分からない謎のおばさんがいる思う。思い返してみて欲しい。いた？いるよね？あれ？この人すごい喋るけどよく考えたら誰の兄弟？いとこ？という人だ。ちなみに私は母方のレイコあねさんがそれです。

レイコあねさんのように別に思い出さなくても集まればいる人は置いといて、思い出さなくては消えてしまう人もいる。というか過去に1〜3回だけ会ったことある人間は大体そこに分類されると思う。
なぜか思い出してしまう人間の中に、叔母の元彼？のニシムラがいる。私が幼稚園生の頃に叔母の周りにいた男だ。とても日焼けしていて、痩せていて、チャラチャラしたサーファーだった(叔母が1人で暮らしている部屋に叔母のものでないサーフボードがあった)
叔母の家に泊まりに行くとき、たまに一緒に迎えにきていたり、部屋にいたりした。私はニシムラが苦手だった。今よりずっとずっとプライドが高かった私を馴れ馴れしくからかったりしてくるからだ。てめー誰だよ、と思っていた。ただそれだけの男。なのに何故かたまに思い出す。

数年前叔母に、ニシムラとは結局付き合ってたの？と聞くと、どうなんやろうね〜と笑っていた。察した。ニシムラは大阪から遥々波に乗りにあの辺境まで来ていたらしい。どうりでいない時期もあったわけだ。想像の中のニシムラは、大阪に彼女がいて、各地に現地妻がいた。彼ももう50超えていると推測する。

叔母より私の方がニシムラを思い出しているかもしれない。日焼けが目立つ金髪のプレイボーイニシムラは、あの頃のまま、つかみどころのない様子で今でもたまに私に会いに来る。