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「プログラマー不要時代」は、「プログラミング知識必要時代」の裏返し、だ。

以下の記事はタイトルこそ、「プログラマー不要時代」となっているものの、記事の最後は「プログラミングに対する深い理解が必要」と結ばれています。

あなたは、「プログラマー不要時代」と聞いて喜ぶ側の人間ですか?

このニュースに、恐々としている人、ワクワクしている人、関係ないと思っている人が、色々いるかもしれません。

プログラミングをやったことがない、または浅い関わりをしている人は、プログラミングを「翻訳」と捉えていることが多いと思います。

つまり、「やりたいこと(要件)」を「プログラムコードに置き換える作業」と思っているのです。

しかし、現実はそうではありません。

例え話をしましょう。これは建築に例えられると思います。
あなたが「良い家が欲しい。庭にプールがあって、室内に螺旋階段があって、ガラス張りで日光がいつでも入ってくる明るい家」が欲しいという要件を提示したとします。

でも、これだけで家は作れないですよね?
部屋はいくつ必要?
螺旋階段はどこに設置する?
ガラス張りは、1階部分だけ?
それとも2階まで全面ガラス張り?
そうすると夏は暑いけど冷房設備大丈夫?

こんなことを1つ1つ決めて行かなければならないですよね。
これが「設計」です。

そう、プログラミングも同じなのです。「設計」なんです。

それなのに、やりたいこと決めれば「家」や「コード」ができると思っていると大間違いなのです。

そしてその設計を、エンジニアが担っていることが多いのです。
でも、本来はビジネスを設計する人が担うべきことではないですか?

でも、わからないんですね。作ったことがないから。

では、AIが入ってきて、この人が作れるようになるか?
多分、今よりは作れるようになるでしょう。

でも、元々作れる人と戦えるでしょうか?

「AIに仕事を奪われるのではなく、AIを使いこなす人に仕事を奪われる」

「AIに仕事を奪われるのではなく、AIを使いこなす人に仕事を奪われる」とは、NVIDIA CEOジェンスン・フアン氏の言葉ですが、まさにその時代に突入しています。

仕事のやり方を、深く考えて実行できる人とそうでない人の圧倒的な差ができてしまうのです。

でも、そう言う指摘は多いですが、具体的に「どう言うこと?」って言うのを示した事例がないですよね。私が見つけられていないからかもしれませんが。だから、みんなの危機意識が著しく低い、と感じます。

先日、私自身が作業をして1年前にはありえなかっただろう感覚をお伝えします。

従来比の10倍以上の効率で、10倍以上のアウトプットが出せる時代

先日、私はパワーポイントで作成した50枚ほどのスライドがある資料を英語に翻訳しなければならない、という状況に直面しました。

選択肢(1)  誰かに翻訳してもらう
これまで通りの考え方なら、誰か翻訳者を探して頼んでしまおう、と言うことでしょう。これには、コストが数万円以上、時間は数日かかりますね。仮に、5万円、72時間後に結果を手にできるとしましょう。

選択肢(2) ChatGPTに翻訳させる
次に、今年から出た選択肢が、「ChatGPTに翻訳させよう」です。
これはまぁ悪くないアイデアですね。1つ1つコピーして翻訳させればそれなりに綺麗な言語で訳してくれるので。
でも、スライド50枚で、テキストボックスが1スライドに7~10はあります。
コピペしたとしても、1スライドで5分とすると、250分、つまり4時間ちょっとかかります。でも、悪くはないですね。コストはChatGPTの$20です。

選択肢(3) ChatGPTに自動化コードを書かせ、DeepLで翻訳するツールを作ってしまう
でも、ちょっと待てよ、と。やることはすごくシンプルです。パワポスライドからテキストボックスをとってきてひたすら翻訳するだけです。そういえばDeepLはAPI提供していたよな、と思って調べると、もちろん提供していました。しかも、かなりのボリュームまで使っても無料。。。
これは、良いと思い、ChatGPTに要件を箇条書きで伝えてコードを書かせました。いつも通りスラスラ出てきたので、そのコードを実行してみるとエラーが出る→ChatGPTにエラーを改修させる+自分のカスタマイズを入れるを繰り返し、約50分くらいでコードは完成しました。
そして、実行。実行時間は結構かかったのですが、10分くらいして結果を見ると、見事に英語に変わっています。
そして、その副産物としては、
・日本語スライドを追加・修正しても、再度翻訳が可能
・DeepLが対応している29言語に翻訳し放題
です。コストはChatGPTの$20だけ。時間は60分ちょっと。結果は、もう今後、パワポの翻訳作業は自動化できてしまう状態。

■コスト:3000円くらいとすると、5万円からすると6%(1/10以下)
■時間:72時間→60分+文字サイズ修正等30分 = 2.08% (つまり、50分の1)
■結果:1言語の翻訳 → 29言語への翻訳(29倍と言って良い?)

と言う感じです。もちろん1年前にDeepLはありましたし、できたコード自体見ると自分でも書けます。でも、目の前の翻訳をするというタスクをさておいて、2-3時間力を注いでコードを書く選択肢は取れなかったかもしれません。(頻繁に翻訳業務があれば別ですが)

これがChatGPTがある時代の働き方だと思いました。
そこで振り返って、プログラミング知識がない人が、これを実現できるかな、と考えてみました。

もちろん、発想はできると思います。コードも途中まではできるでしょう。でも、出てきたコードが詰まった時に対処できるでしょうか?
あと、出てきた結果を実行する環境を整えて実行できるでしょうか?

そう考えると、「多分無理かも」と思うのです。
もちろん、今はGoogle Colaboratoryのようなサービスを使えば環境も簡単に構築できますので、この辺も整っていくとは思いますが、それでも色々制約は受けます。例えばブラウザからスクレイピングして取得したものを解析するなどを行おうとすると、いちいちブラウザ起動して取得する部分もコード化するより、ChromeでJavaScriptでサクッと抜いて、それを処理させる方が速い、など。

今は、勉強する環境も整っています。
上記で、少しでも「ヤバいかも」と思われた方は、勉強してください。

「どうやって勉強したらいいの?」と質問したくなった方、今はChatGPTがあります。聞いてください。

「プログラミングといえば、XXXXくらいしかやったことないのですが、私にプログラミングを教えてください。まずは何からやったらいいですか?」と。

生産性が低いと言われてきた日本人が、巻き返すためには皆さん一人一人のこの意識が必要です。

1年だけで良いです。2024年の1年だけ、プログラミングを学んでください。
そうすれば世界が変わります。

1年後の仕事ができる人は、これまでの仕事ができる人とは大きく変わっているかもしれません。

やるなら、今しかありません!
目の前に転がっているChatGPTは、大いなる機会と、大いなる脅威の両側面を持っています。

どちらにするかは、「あなたの判断」なのです。

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