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サッカー(Jリーグ)の勝敗データ分析をしてみた!

私どもは、中小企業様のWEBサイトのアクセス解析を生業としているWEBコンサル業者になります。仕事柄WEBサイトのアクセス以外にもいろいろなデータに触れる中でふとした疑問を抱きました。

マネーボールという映画をご存知でしょうか?メジャーリーグを舞台に、実話を元にした映画です。

1990年代以前、野球の試合で勝つためには打率や足の速さ、守備のうまさなどが重要とされており、そういった視点が選手をスカウトするかどうかの基準となっていました。

ところが1997年アスレチックスのGMに就任したビリー・ビーンによりこの通説は覆ります。勝つために必要なのは、出塁率と長打率ということに彼は目をつけました。

※出塁率…打席の内、四球、死球、安打を含めて出塁した割合。つまり、安打の他、フォアボール、デッドボールなども含めて出塁した数値が重要となる。

※長打率…1打数あたりの塁打数の平均値。1打数あたり何塁まで進むことができたかという数値。

この出塁率、長打率に秀でた選手を中心にチーム編成を行い、ビリー・ビーンがGM就任してわずか3年後の2000年にはアメリカンリーグ西地区で堂々1位に。その後4年連続でプレイオフ進出を果たします。

驚くべきことはそのチーム予算(選手の年俸)です。2000年アスレチックスのチーム予算が115万6925ドルで30球団中24位。これは、ヤンキースの3分の1の金額だったのです。

試合に勝つのは資金力でなくデータ分析だということを見せつけた結果となりました。

さて、野球だと勝つためには、出塁率と長打率が重要な数値指標となることがわかりました。

では、サッカーで勝利するチームはどのようなプレーを行っている傾向があるのでしょうか?疑問に思ったので、調べてみました。いわばマネーボールのサッカー版です。

2015明治安田生命J1リーグ 1stステージ の各チームのプレイデータがありますので、それを元に解説していきます。

Jリーグ各チームプレイデータ(2015年)

2015明治安田生命J1リーグ 1stステージ 各チームプレイデータ
2015明治安田生命J1リーグ 1stステージ 各チームプレイデータ

一個人の見解ということと2015年の1stステージのみのデータからの考察したもので、一般的な見解と異なることもあることをご了承ください。


①チーム成績と得点(左) ②チーム成績と失点(右)
①チーム成績と得点(左) ②チーム成績と失点(右)

①②チーム順位と得点・失点の関係

斜めに引いた線の角度が大きいほど、相関関係が強いと考えてください。

チーム成績と得点の高さは相関関係がありそうですね。当たり前のことかもしれませんが、こうしてグラフにすることは重要なことです。

チーム成績と失点の少なさは負の相関があります。チーム成績が高いチームほど失点が少ないです。


③チーム成績とシュート数(左) ④チーム成績とクロス数(右)
③チーム成績とシュート数(左) ④チーム成績とクロス数(右)

③チーム順位とシュート数の関係

チーム成績が高いほどシュート数も多いです。勝つためにはシュートを打つことが重要です。

④チーム順位とクロス数の関係

ボールを空中に蹴り上げた回数はチーム成績と関係があるのかということを調べてみたいと多います。グラフをみると相関関係がないですね。

クロスを多用するか足元のプレイを中心に戦うかはチームの戦略の問題であり、勝敗にはあまり関係がないようです。


⑤チーム成績と平均ボール支配率(左) ⑥チーム成績とドリブル数(右)
⑤チーム成績と平均ボール支配率(左) ⑥チーム成績とドリブル数(右)

⑤チーム順位と平均ボール支配率の関係

チーム成績が良いほどボールを支配しているというゆるやかな相関関係があります。

⑥チーム順位とドリブル数の関係

こちらもゆるやかな相関関係があります。勝てるチームは、ドリブルで突破しているということでしょう。


⑦チーム成績と平均年齢(左) ⑧チーム成績と平均身長(右)
⑦チーム成績と平均年齢(左) ⑧チーム成績と平均身長(右)

⑦チーム順位と平均年齢の関係

年齢が一番高いのは12位のヴァンフォーレ甲府で29.23歳、年齢が一番低いのは、18位清水エスパルスで24.55歳

24~29歳の間では、年齢が高いほうがチーム成績が良い傾向が見られます。年齢が若い2チームが17位、18位ですので、若すぎて試合経験が少なすぎるのも勝利できないのではないかと思います。

このグラフだけを見て一般的な見解とするのは難しいところがありそうです。

⑧チーム順位と平均身長の関係

こちらは相関関係がありません。平均身長が高い低いは、勝敗にあまり関係がないようです。


⑨チーム成績と走行距離(左) ⑩チーム成績と敵陣PA内プレー数(右)
⑨チーム成績と走行距離(左) ⑩チーム成績と敵陣PA内プレー数(右)

⑨チーム順位と走行距離の関係

こちらも相関関係がないようです。走れば勝てるということではないのですね。

⑩チーム成績と敵陣PA内プレー数

こちらも相関関係がないようです。ただ、敵陣PA内にまで入り込んで勝利できていないのなら積極的にシュートを打つなどの戦術を工夫したり練習メニューを強化するなどが必要でしょう。


⑪平均身長とクロス数(左) ⑫クロス数と得点(右)
⑪平均身長とクロス数(左) ⑫クロス数と得点(右)

⑪平均身長とクロス数の関係

クロス数が勝敗の決定的に要因になることはなくあくまでチームの特徴や戦略のものとなる。

データを出す前は、平均身長が高いチームがクロスを多用し身体を活かして勝利するという勝ちパターンを想像していたが、3位のサンフレッチェ広島は、平均身長176.1cmと18チーム中一番低いがクロス数287回と18チーム中3番目に多いほど多用して勝利しています。

⑫クロス数と得点の関係

こちらは相関関係がまったくなし。余談ですが、1位のチームはクロス数279回で4位。クロスプレイを積極的に行って勝利している特徴的なチームであることがわかります。


⑬敵陣PA内プレー数とシュート数(左) ⑭被シュートとGKセーブ数(右)
⑬敵陣PA内プレー数とシュート数(左) ⑭被シュートとGKセーブ数(右)

⑬敵陣PA内プレー数とシュート数の関係

敵陣に入り込めばシュートを打つ回数も多く、相関関係が成り立っている。

⑭被シュートとGKセーブ数の関係

シュートを多く打たれればGKセーブ数も多くなりこの相関関係自体は成り立っています。1位のチームは、そもそもシュートを打たれていないので、セーブ数も少なくなります。

斜めの線の上にあるチームは、シュートを打たれる割にセーブしているので、キーパーが優秀だと考えられるでしょう。

斜めの線の下にあるチームは、セーブしきれていないので、キーパーの強化、あるいは決定的な場面に持ち込ませないといった戦術の強化が必要でしょう。


サッカーデータ分析結果のまとめ

・チームが勝利する要因としては、シュート数と平均ボール支配率、ドリブル数であることが多く、平均年齢は20代後半でのチーム編成が望ましい。

・走行距離、平均身長、敵陣PA内プレー数は、勝敗とはあまり関係がない。

・クロスを多用するかどうかは、チームの特徴や戦略によって異なる。

シュートを積極的に打ち、ドリブル突破力、ボールキープ力がある20代後半選手を登用していくことが勝つための戦略であると今回のデータからは言えます。

以上が今回のデータからの結論になります。

データ分析のご相談はアド・リングへ

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