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ル・マン24時間レースに出場するレースカー「ポルシェ963」を見に行ってきました

こんにちはRYUです。唐突ですが皆さん、自動車レースは好きですか?
今週末にフランスで歴史的な自動車レース「ル・マン24時間耐久レース」が開催されるのですが、これに際して名古屋のポルシェセンターで、ル・マンに出場するレースカー「ポルシェ963」が展示されました。
日本ではなかなか人気が根付かないモータースポーツですが、私は年に1度「耐久レース」に出場しており、レースを「趣味」にしている日本では少数派のマニア。これは見逃せない!ということで・・・

さっそくポルシェセンター名古屋に実車を見に行ってきました。今日はこちらの報告をしてみたいと思います。

中身はほとんどF1?

さて、ポルシェセンター名古屋の中央に置かれていた実車がこちら。F1とは異なり、タイヤが露出していない、車体全体にカウルをかぶせたレース用車両です。WEC(世界耐久選手権)全8戦に参戦しており、このシリーズの第4戦が「ル・マン24時間レース」です。

さて、興味津々で実車を見てみると・・・コックピットが小さい!車内はLCCの座席より狭い、身動きも取れないほどの小さなスペースです。ここで3人のドライバーが交代しながら24時間走行するんですが・・私なら絶対無理です(汗)。

ちなみに車全体にボディカウルがあるように見えますが、実際はあちこちが穴だらけ!前から見るとフロントグリルが2段構造になっていて、黒い部分が角度の付いたスポイラーになっています。そして、フロント横一線の大穴から入ったエアが・・・

リアのデフューザーに導かれてダウンフォース(下向きの力)を発生します。時速300㎞以上になる最高速では、1トン以上のダウンフォースになるそうです。ちなみにリアのテールランプとPORSCHEのロゴは、生産型のポルシェ911(992型)を想起させるデザインになっていました。これも顧客サービス??

こちらが現行のポルシェ911(形式名992)のリアなんですが。テールランプとロゴの処理を似せているのがわかりますね。

「横一線」グリルをマネする日本車も増えてます

さて、ボディの「大穴」はサイドにも。こちらはラジエーターやブレーキパッドの放熱と、フロントタイヤが発生する乱気流を抜く効果があるようです。

フロントタイヤの上には、またも「大穴」が・・・主にタイヤとブレーキの冷却を狙った、耐久レースならではの仕様ではないかと思います。こうしてみると、フロントタイヤはカウルの内部で「ほぼ露出」しているので、F1に近い構造と言えるかもしれません。

タイヤ剥き出し!

このポルシェ963は、2024年のWEC(世界耐久選手権)で3戦中2勝し年間ランキング1位!ル・マンでも有利と噂されています。個人的にもポルシェを一番応援していますが、24時間走るル・マンでは、毎年大波乱が起きますからね・・・予測がつきません。

本命ポルシェ・対抗フェラーリ/トヨタ

さて、このポルシェとル・マン24時間レースで戦う「ハイパーカークラス」の主要なワークス勢(自動車メーカー直営チーム)も紹介しておきましょう。

①フェラーリ499P
まずは、F1でも知られたスポーツカーの有名メーカー「フェラーリ」。昨年のル・マンでは、終盤にトヨタを抜いて劇的な総合優勝を飾りました。3リッターV6ツインターボ+モーターをパワーユニットとするこの車、設計が新しいので空力性能も良く、特に予選では速い!そしてカッコいい!です。今シーズンは現時点で年間ランキング3位です。

フェラーリ499P

②トヨタGR010ハイブリッド
次に紹介するのは日本勢。トヨタのGR010ハイブリッドです。信頼性ピカイチの3.5リッターV6ツインターボ+モーターの強力なパワーで、昨年のWEC選手権は総合優勝しました。ただしル・マンでは終盤にトラブルを抱え、惜しくも2位に後退しています。WECは5年間、車の基本設計を変えられない!という独自ルールがあるのですが、昨年→今年も小変更するだけで競争力を保っており、現時点のランキング2位です。

トヨタGR010ハイブリッド

③キャデラック Vシリーズ
こちらはキャデラックのハイパーカー。アメリカ車らしく、5.5リッターV8!のデカいエンジンを搭載。ターボもハイブリッドも使わない、昔ながらの潔いレースカーです。アメリカ車らしいコンセプトもデザインもカッコいい♪ ランキング8位。

キャデラック V-Series

④アルピーヌA424
アルピーヌの母体はフランスのルノー。現在、ルノーはF1もWECも「アルピーヌ」ブランドで戦っています。空力の良さそうなオレカのシャシーに3.4リッターシングルターボ+モーターで、現在ランキング4位!と善戦しています。

アルピーヌA424

⑤BMW MハイブリッドV8
BMWのハイパーカーは、市販車のフロントグリルに必ずある「キドニーグリル」がユーモラスです。4リッターV8エンジンにツインターボとモーターを組み合わせた強力なパワーユニットで、今年はル・マンでも活躍できるか?現ランキング5位。

BMW MハイブリッドV8

⑥プジョー9×8
プジョーのハイパーカーは、「リアウイングを持たない」という斬新なコンセプトで2022年にデビューしました。しかし、今年はついにリアウイングを後付けしてWECに参加しています。パワーユニットは2.6リッターV6ツインターボ+モーター。ランキング6位です。

プジョー9×8

決勝は6月15日~16日

さて、そんなル・マン24時間レースは既に予選が始まっており、決勝は15日(土曜日)の日本時間23時スタートです。残念ながら地上波でのテレビ放送は無くなって久しい・・ですが、トヨタでは以下のURLでオンボード動画をライブで配信する予定です。

F1よりスピードが出る車で24時間走り続ける!というWECのハイパーカーは、数あるモータースポーツの中でも、最高にクレイジー!!関心を持った方は、ぜひ見てみてください!(RYU)