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子供向けなのにカルト番組!昭和の問題作「クレクレタコラ」

こんにちはRYUです。皆さん「クレクレタコラ」という番組をご存知ですか?1973年から1974年にかけて放送された子供向けの5分番組で、なんと月曜から土曜まで!週6回もオンエアされていました。最高視聴率は13.5%、放送回数は260回!という当時の人気番組だったのですが、Youtubeで閲覧できるようになったのに気づき、48年ぶりに見てみると・・・子供向け番組なのに、とんでもないカルト番組でした。Youtube公式チャネルの紹介には「キュート&バイオレンスな子供向け番組♪」と書いてあるのですが、そんな生易しいものではありません(汗)。今回はこちらを紹介して、この番組を生んだ昭和の時代を振り返って見たいと思います。

めっちゃカルトな子供番組

この番組は超低予算だったそうで、おそらく平成の名作「勇者ヨシヒコ」よりチープな作りです。台本も後述する通りムチャクチャです。主人公の「タコラ」が何でも欲しがった結果問題が起こり、最後には自分が罰を受ける・・・というのが毎回のストーリーなんですが・・・。とりあえず一部を見てみましょう。

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第7話 死んでもらいますの巻

タイトルからして絶対アウトですね(汗)。タコラと森に住むキャラクターたちが、バットで殴ったり真剣を持ち出して切り合ったり・・という内容です。オンエアの翌日、全国で何人の子供が学校で真似したのか?と思うと恐ろしい回です。

第210話 釜に入って茹でタコラの巻

こちらは、さんざん暴挙を働いたタコラが、最後に「釜茹で」にされるというストーリーです。タコだから「茹でダコ」という理屈なんでしょうが、懲罰にしては残虐すぎます。これを当時の子供は、「アハハ」と笑って見ていたわけで・・・。これも現代ではありえないですね。

第220話 気違い真似して気が触れたの巻

これもタイトルから絶対アウト(汗)。問題がありすぎるのか?この回はYoutube上から消えました。現代の基準では「気違い」も「気が触れた」も明らかな差別用語になります。「気が触れた」タコラの暴力行動に対して、森の住民達が抵抗せず、食料を渡してタコラの「狂気」が鎮まるというストーリーなんですが・・・「気が触れた人には関わらず、やり過ごそう」と考え、解決しようとしない群衆心理を風刺する一面も持った作品です。

第130話 医者になったはいいけれどの巻



森に患者がいないので、住民を縛り付けて無理やり患者を作る!というストーリー。現代だけでなく、当時も傷害罪・監禁罪です。

第114話 タコラの独裁者の巻

全260回のシリーズ中においても異彩を放つ、残虐度MAXの作品。あらゆる暴力で森の住民をタコラが支配していくストーリーです。独裁者タコラのセリフ「タコラの森で生きるより、死ぬ自由を選びましょう」は衝撃的。くどいようですが子供向け番組です(汗)。結局、独裁者だったタコラは自らも暴力によって倒され、懲罰を受けます。

考えてみるとこの時代は、中国の文化大革命やカンボジアのポル・ポト政権など、世界のあちこちで独裁による人権侵害がリアルに存在した時代です。時代を反映して、独裁を風刺した作品と言えるのかもしれません。

昭和の時代って何だったのか?

いかがでしたか?久しぶりにこの作品を目にして、私が思ったのは・・・この番組そのものより、この番組を生んだ「昭和」という時代が何だったのか?という事です。

確かに私の記憶でも、昭和の時代は「人権」という感覚が希薄で、暴力や差別に対して寛大すぎる時代だったように思います。これを「大らかな時代だった」なんて表現するのは適切ではないでしょう。

ただ、考えてみると・・・この放送が始まった1973年は、戦後28年が経過した頃です。軍国主義・ファシズムから開放されて30年に満たない時期だったことを考えると、「人権」という概念がまだ十分根付かなかったのも無理はないだろうと思えました。

現代は幸い「クレクレタコラ」にあるような残虐、差別は少なくなりましたが、匿名で投稿できるインターネットが普及したことで、ある意味「昭和より残虐」な行為が横行しています。最近ネット上で起きる暴力行為とクレクラタコラは、どちらが残虐なんでしょうね? (RYU)