見出し画像

コーヒーをブラックで飲むようになった、その理由。

確か高校生のとき、8つ歳上の従兄がブラックコーヒーを飲んでるのをみて、苦いのによく飲めるなぁと信じれなかった。

それから7,8年ほど過ぎた、確か真夏だった。

自分は、樹脂関連の専門商社の営業マンで、その日も顧客数件をまわる予定だった。午前中に1軒訪問、昼食は喫茶店でランチを済ませた。

客先でアイスコーヒーをよばれて、ランチはアイスコーヒーをセットにしたので2時間くらいでアイスコーヒーを、2杯飲んだ。

昼一に、2件目訪問した。工場の熱気が事務所にもくるのか、作業員さんの休憩時のためか、いつも夏は、ギンギン寒いくらい事務所に冷房が効いているのだ。

その客先では、美味しい熱い緑茶を出してくれるし、ほのぼのとしてる会社だったので訪問するといつも癒やされていた。その客先では、特に商談もなく(ルート営業なので社長さんや従業員さんに顔をみせて世間話をしとけばいい時代)アポもなしでOKだった。

社長さんと面談していると事務員さんが出てきて、「今日は暑いから特別にアイスコーヒーですよ」と満面の笑みでコーヒーを出してくれた。

えっ、またアイスコーヒー。。。

と思いつつ、フレッシュとシロップをたっぷりいれて、胃にチャポチャポ感を感じながら飲みきった。それから現場の人と話した後、その客先を出た。

外に出ると灼熱地獄だった。寒暖差が激しすぎて急に気分が悪くなった。

ダルい、暑い、しんどい、寒気もするって感じだ。

その日は、営業車の空きがなく、電車とタクシーと徒歩だったのだが、真夏の昼間の交通量は少なく流しのタクシーも走っていなかったので、徒歩で最寄り駅まで向かった。

25分後駅に着いたときは、人生で初めて倒れるのかと思ったほど、疲労どころか眼の前が白くなるほどフラフラになった。

少し、駅で休んでいたら回復したので、電車で次の客先に向かった。電車で3駅と徒歩10分。

次の客先の社長も気がよく、コーヒー頼んだろか?といわれたので「お茶でいいですよ」と言ったが、「遠いとこから来てるのに遠慮せんと!」と返され結局、ホットコーヒーかアイスコーヒーの2択となった。

アイスは、また帰りしんどくなると思いホットを選ぶしかなかった。(社長自身がコーヒー飲みたい顔丸出しだったのは、間違いない)

出前まで頼んでくれたコーヒーを飲まないわけにはいかず、フレッシュと砂糖(シュガーステイックでなくスプーンで2杯入れたような薄い記憶)を入れて一口飲んだら、甘ったるく、急にまた体がしんどくなってきた。

ホットコーヒーやのに一緒やん。こんなにコーヒー飲むのがしんどいなんて。

超だるさを引きずって、会社に戻ったらアシスタントの子にコーヒー入れましょか?と聞かれたとき、お願いやから麦茶にしてと言っていた。

その翌日からは、あのだるさは絶対糖分からやと確信し、コーヒーをブラックにしようと思い立った。

苦さもお茶と思って飲めば大丈夫やと自分に言い聞かせて、コーヒーはブラックで飲むようにした。

やはり思ったとおり客先廻りでコーヒーを連続して飲んでもだるくなることは無くなったのだ。

当時は今と違って、客先や仕入先、自分の周りの人でもコーヒーをブラックで飲む人も少なかったせいか、ブラックで飲むんかと言われるたびに、「男は黙ってブラックコーヒーですわ。」と言っていたのを思いだす。

あれから30数年ブラックコーヒー、ここ10年ばかりは、毎晩ガラガラ豆を挽いて飲んでいる。

たまに疲れたときは、コーヒーにミルクとフレッシュを少しいれることもある。

そうそう、しんどいときは、逆にミルクコーヒーなのだ(笑)

話がそれてしまうが、21〜25歳くらいまでカワサキ製のバイクに乗っていたのだが、「男は黙ってKAWSAKI」とも言っていた事を思い出した。

自分で言ってたらあかんね。

結局、硬派なヤツってのは、黙々とほんまに何も言わないのだ。

ブラックコーヒーが飲めるようになったことで、コーヒーの世界を知ることが出来た。

その世界には、のめり込んではないけれどコーヒーの世界を毎日愉しんでいる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?