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ブランコ

たまにこどもと行く公園にブランコがある。昔からあるような普通のブランコ。まだひとりで漕ぐのは難しい。座板にちょこんと座らせ、後ろからそっと押す。風をきるのが気持ちよさそうだ。小さな手で必死にチェーンをつかむ姿も微笑ましい。

ある日、ブランコに規制線が張られ使えなくなっていた。老朽化かな…。しばらく通っていたが、規制線は張られたままだ。「いつ使えるようになるのかな。」「早く乗れるといいね。」

半年ほど経っただろうか…いつの間にかブランコは撤去されていた。そこに、遊具設置工事の看板。「新しい遊具ができるんだね。」「楽しみだね!」

工事現場には、全体に大きくて深い穴ぼこがいくつもあり、木板や鉄板のようなもので補強されている。「随分大がかりな遊具だね。」「何ができるのか楽しみだね‼︎」最近新しい遊具もいろいろあるし、最新鋭の遊具かな。想像は日に日に大きくなっていった。

年度末の某日。遊具が完成!!
…ん?
……。

…完成していたのはごく普通のブランコだった。

どこの公園にもあるブランコ。その土台は、意外にも大がかりで強靭だった。
(建築に疎いので意外に感じたが、常識なのかな)

表面に見えるものとそれを支えるもの。目に見えない支えとなる部分。自身も土台をしっかりと築いていこう。そんなことを感じた。

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