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メモ-論文(海外)(瞑想)ADHD、脳機能、および超越瞑想の実践

ADHD, Brain Functioning, and Transcendental Meditation Practice: Detailed Results and Conclusions
日本語訳: ADHD、脳機能、および超越瞑想の実践

https://www.researchgate.net/publication/228450921_ADHD_Brain_Functioning_and_Transcendental_Meditation_Practice

結果と結論の詳細

研究の目的:
この研究の目的は、ADHDの中学生が超越瞑想(Transcendental Meditation, TM)技法を学び、実践することが可能であるかどうか、そしてその実践が彼らの実行機能および脳機能にどのような影響を与えるかを調査することでした。

被験者:

  • 総数: 18名のADHD学生(11歳から14歳)

  • グループ分け:

    • TMグループ: 9名(男子6名、女子3名)

    • 遅延開始グループ: 9名(男子7名、女子2名)

研究手順:

  • TM指導: 認定されたTM教師が4日間連続でTMを教え、その後も毎月フォローアップを実施。

  • 実践期間: 学生は3ヶ月と6ヶ月後に再テストを受け、遅延開始グループは3ヶ月後にTMを学びました。

評価方法:

  • EEG記録: 脳波を計測してシータ/ベータ比および脳波のコヒーレンス(同期性)を評価。

  • D-KEFSテスト: 言語流暢性テスト(Letter Fluency、Category Fluency、Category Switching、Total Switching Accuracy)を実施。

  • 親による自己報告アンケート: 子どものADHD関連症状の変化を評価。

主要な結果:

  1. 脳機能の変化:

    • シータ/ベータ比の減少: TMグループは、3ヶ月のTM実践後、シータ/ベータ比が有意に減少し、これがより正常な値に近づく結果を示しました。一方、遅延開始グループは最初の3ヶ月間でシータ/ベータ比がわずかに増加しましたが、TMを開始した後の6ヶ月再テストでは有意に減少しました。シータ/ベータ比の減少は、脳の活性化を示しています。

    • コヒーレンスの増加: TMグループでは、3ヶ月の実践後、シータ、アルファ、ベータ1のコヒーレンスが増加しました。特に前頭部と頭頂部の脳領域間での通信が向上し、これが実行機能の改善に寄与していることが示唆されました。

  2. 実行機能の向上:

    • 言語流暢性の改善: TMグループは、言語流暢性テスト(Letter Fluency)で有意な改善を示し、TM実践の効果が認められました。このテストは、指定された文字で始まる単語を考え出す能力を測定します。遅延開始グループもTMを開始した後、同様の改善を示しました。

  3. 親による報告:

    • ADHD関連症状の改善: 親の報告によると、以下の5つの領域で子どもの症状が有意に改善しました:

      • 学業への集中力

      • 組織能力

      • 独立作業能力

      • 幸福度

      • 睡眠の質

結論:

  • TM実践の有効性: この研究は、TMがADHD症状の軽減に有効であり、脳機能と行動の改善に寄与する可能性があることを示しました。特に、シータ/ベータ比の減少とコヒーレンスの増加が顕著であり、これが実行機能の向上に結びついていると考えられます。

  • 非薬物治療としての可能性: TMは、ADHDの非薬物治療として有望であり、薬物治療に反応しない、または耐えられない患者に対する代替手段として有効であることが示唆されます。

この研究は、ADHDの治療におけるTMの効果をさらに検証するための追加研究の必要性を強調しています。将来的には、より大規模な被験者集団を対象にした研究や、異なる瞑想技法の比較研究が求められます。

参考文献

  • Frederick Travis, Sarina Grosswald, William Stixrud. (2011). ADHD, Brain Functioning, and Transcendental Meditation Practice. ResearchGate.

超越瞑想(Transcendental Meditation, TM)は、マハリシ・マヘーシュ・ヨギ(Maharishi Mahesh Yogi)によって開発された瞑想技法で、1950年代にインドで始まりました。TMは、個人が心をリラックスさせ、深い内的な平和と高い意識の状態を経験することを目的としています。この技法は、簡単で効果的であることから、世界中で広く実践されています。

超越瞑想の特徴

  1. 簡単な実践:

    • TMは非常にシンプルであり、特別な姿勢や集中を必要とせず、リラックスした状態で椅子に座り、目を閉じて行います。

    • 1日2回、各20分間の瞑想を行うのが一般的です。

  2. 無努力の技法:

    • TMは、特定のマントラ(音やフレーズ)を心の中で繰り返すことで行われ、意識が自然に静かになり、思考の表面から内的な静けさの層へと移行します。

    • 瞑想中に発生する思考や雑念を無理に排除することなく、自然に受け入れます。

  3. 科学的な裏付け:

    • TMの効果については、多くの科学研究が行われており、ストレスの軽減、心血管系の健康改善、認知機能の向上、全体的な幸福感の増加など、多岐にわたる健康効果が報告されています【11†source】。

  4. 教育と指導:

    • TMは、認定された教師によって個別に指導されます。4日間の初期指導と、その後のフォローアップセッションが含まれます。

    • 正しい技法の習得と維持のために、定期的なフォローアップが推奨されます。

超越瞑想の効果

  1. ストレスの軽減:

    • TMは、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルを低下させ、リラクゼーション反応を引き起こすことが知られています【11†source】。

  2. 心血管系の健康:

    • 血圧の低下や心血管系のリスク要因の改善が報告されています。

  3. 精神的な健康:

    • 不安や抑うつの症状を軽減し、全体的な精神的な幸福感を向上させる効果があります。

超越瞑想の学び方

TMを学ぶには、認定されたTM教師から個別指導を受ける必要があります。TMの公式サイトから地域の認定教師を見つけることができます。初期の4日間の指導では、TMの基本原則と技法が教えられ、その後のフォローアップセッションで技法の正確な実践が確認されます。

参考資料

感想・超越瞑想とは何か?すごく気になった。基本的に薬物療法以外だと、認知行動療法以外では、運動や瞑想が治療法としてADHDは有効だと多数論文がある。瞑想の場合だと、ベーシックで世界的に行われている瞑想が知りたいと考えた。なぜなら再現性がない方法では、実際に有効だと考えられない。その為、ADHDで行われている瞑想でスタンダードな方法が知りたいと考えた。対象もこの実験は17人なので、もし他の国や他の大学で同じような方法で同じような結果であるならば信頼できると考えた・

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