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ミッキ-・ミルコビッチについて:その2”I'm f**ked for life,anyway."

今回は彼の複雑な内面についてお話したいと思います。その前に彼のバックグラウンドを箇条書きで紹介します。(参照:シェイムレスwiki https://shameless.fandom.com/wiki/Mikhailo_%22Mickey%22_Aleksandr_Milkovich)

*ミッキ-・ミルコビッチはウクライナ系アメリカ人で白人至上主義者の虐待的な父親テリ-・ミルコビッチとローラ・ミルコビッチの子供である

*彼の母親のロ-ラは彼が*1幼少期の頃に亡くなっており、日常的にネグレクト、身体的虐待を父親から受け育っている(銃器密売とドラッグビジネスを営む劣悪な父子家庭環境)

(*1S1で、少年院から退所するイギ-を母親が迎えに行ってるという言及があるが、S10では幼い頃に亡くなっているという描写があったため正確ではない)

*彼は5人兄弟の(おそらく)次男でマンディ-は彼の最も親しい実妹である(他にイギ-、ジョーイ、コリンという名の男の兄弟がいる)

*高校は中退しており、就職歴はカッシュの店での短期警備員、S10でのセキュリティーガ-ドのみ

S2でイアンと再会時彼はイアンに「どっちにしろ人生とっくに終わってる」(I'm fucked for life anyway, man.)とサラリと呟きます、まだ10代なのに人生を諦めてる絶望感と自己嫌悪の深さに私はこの時すっかりこのキャラクタ-に心を持っていかれました。汚れた身なりで口汚く人を罵り、盗み、恐喝し少年院を出たり入ったりを繰り返す町のチンピラは実は非常に繊細な内面を持つ傷ついた少年でもあるのだと気が付いたからです。(S1でイアンが「他に行くところがないんだ」と今にも泣きだしそうにミッキ-を訪れた時の彼の一瞬の柔らかい表情でその片鱗は見えていましたが。)

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また彼は他人に対しては非常に厳しい態度をとります、なぜなら彼は基本的に身内しか信用していないので。そのかわり一旦彼の信頼を得たなら、彼はあなたのためになんでもするでしょう。

幼少期のタフな家庭環境のせいでミルコビッチ家の子供たちは自分で自分の身を守らなければ生き延びることができなかった、常に父親の暴力から互いをカバ-しあって育ちました。ですから身内内での愛着、守護心は異常なほど強いのです。

彼のルーツはウクライナなので同性愛という観念は宗教の関係(ロシア正教会)もありタブ-事項。父親のテリ-は同性愛嫌悪の権化のような人物であるため彼は長い間本来の自分を隠し、恥じ入り、否定して生きてきました。

タフにならないと、男らしくマッチョでいないと、と常に緊張しつつなぜか満たされない心の渇きを抱えて・・・。

イアンに会わなければ一生クロ-ゼットに隠れたままの荒んだ人生を送るハメになっていたと思います。彼があそこまでイアンに無償の愛を与える理由はそこにあると私は考えます。

イアンは彼の魂を開放し、導いた唯一の人だから。

愛し愛されることの意味と喜びを彼に教えてくれたから。(苦しみも) 

S4でイアンに別れると脅されて仕方なくカミングアウトをしますが、それはむしろ結果的に長年に渡る自己嫌悪からの解放につながり、

生まれて初めて精神的自由を手に入れたミッキ-はその後感情の迷路から抜け出し、彼が愛する人の忠実で勇敢な守護者として驚異的な成長を遂げていくのです。

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