『ホテルコンシェルジュ』


門井慶喜さんの作品。門井さんの作品は初めて読む。

京都の伝統あるホテルのロイヤルスイートに滞在する桜小路が、コンシェルジュの九鬼に悩みを相談していくというお話。

今後ホテルに泊まったときには、コンシェルジュにおすすめのスポットを聞いてみようと思った。お客の見えない部分で相当な努力をしているのだと思うと、頭が下がる。


印象に残っている文


胸さわぎがおさまらなかったのは、話の内容のせいではなかった。口調そのもののせいだった。迷いがない。まのびしてない。自分の判断をスポーツカーのようにきびきび疾走させている。

世の中にはひとたびホテルに来るや否や、王様にでもなった気になるのだろう、むやみやたらと無理難題をふっかける手合いがときどきあり、従業員たちの心労、反感、および業務の肥大化の大きな原因をなしている。

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