『ラブコメの法則』

東山彰良さんの作品。
自分の知っている映画が出てきて、少し嬉しくなった。
おば様たちのキャラが濃すぎて、主人公はとても大変そうだと思った。
東山さんの文体がとても好きである。
文中に出てきた映画をぜひ観たいと思った。

印象に残っている文

天神界隈にわんさかいるキャッチのあんちゃんたちを見かけるたびに鳩を連想してしまうが、求愛する鳩を見かけるたびに天神界隈にわんさかいるキャッチのあんちゃんたちを連想せずにはいられない。


↑読んでいて、とても面白かった文章。
 

なにかを成し遂げようと思うなら、ひとりぼっちになる頃合を見誤ってはいけない。どんな分野であれ、その分野を管轄する女神はとんでもなくさびしがり屋さんなのだから。

人口の規模が半分なら、経済の規模は六分の一だと聞いたことがある。

月曜日もいやだが、日曜日に養った英気が残っているぶん、火曜日よりは幾分ましだ。水曜日は週の中日、木曜日以降はもう言わずもがなだろう。火曜日だけなにも肩書きがない。

恋をするとき、男と女では脳みその活性化する部分が異なる。

映画はいつだって楔を打ちこんでくる。時代に。心に。

わたしはいつも不思議に思うのだが、女性が男性にたのみごとをするとき、まるで仔犬にボールを放ってやったような態度に出るのはなぜなのだろうか?仔犬がいまやっていることをすべて中断してボールをひろってくるだけでなく、心の底からうれしそうにひろってこなければ、女たちはけっして納得しないのだ。

「後悔ってのは引きずってなんぼじゃん。簡単にすっきりしちゃったらさ、自分の気持ちなんか永遠にわかんないからね」

「一生、映画ばかり観てきた。じつに無駄な時間やったと思うけど、そうかといってほかに好きなこともない」


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