『優しい音楽』


瀬尾まいこさんの作品。
優しい音楽、タイムラグ、がらくた効果の3つの話が収録されている。

「優しい音楽」で主人公が自分は亡くなった兄の身代わりではないかと思う場面が、とても切なかった。
タイムラグの終わり方がとても素敵だった。
がらくた効果がとても面白かった。

印象に残っている文

きれいな景色の中を移動していると、とてものんびりした気分になり、日曜日なんだなってよくわかる。

恋人ができると、食べるものも食べ方のレパートリーも広がる。違う環境で育った人と親密になるのは、とても愉快なことなのかもしれない。

自慢じゃないが、私はおばさんだなんて生まれてこの方一度も言われたことがない。もちろん、自分でもおばさんだなんて少しも思ってはいない。
優しい音楽 タイムラグ

「どうしてこんなことしてるの?」
「どうしてって……。十分遅れてたら、ちょっと得した気がするでしょう? 十分多く過ごせる気がして」

「おかしかろうが、今私たちの生きている社会の中で回っていくことこそ、大事なことですよ」
優しい音楽 がらくた効果

「一緒にいる時間が増えていくと、少しずつ他人じゃなくなっていくんだね。それが、だめなこともたくさんあるけど」

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