『図書館の神様』
瀬尾まいこさんの作品。
バレーボール部で後輩を強く責めた後にその後輩が自殺してしまった。
主人公の清の心の苦しみは計り知れない。
清が文芸部の顧問となり、垣内くんと関わるうちに大切なものを取り戻していく。
垣内くんが「さぶ」について語るシーンが印象的だった。
たとえ部員が一人しかいなくても、垣内くんのような生徒がいると顧問の先生にとっても部活は楽しいのではないだろうか。
印象に残っている文
学校という場は定時に帰ることがまず不可能だ。四時三十分が勤務終了時間のはずだけど、部活が六時まであるのだから終業時間なんてないも同然だし、教師には時間の感覚がないのか、みんな何時までもだらだらと仕事を続けている。
二十分ほどで決まりそうな単純な内容を、小さな文言にこだわって言い争いながら進めていくから、一時間近くかかる。
不思議なことにスポーツをしている人間は、みんな学生時代に何らかのスポーツをしていたと思っている。
↑ 確かにそのとおりである。
「雨って、昔自分が流した涙かもしれない。心が弱くなった時に、その流しておいた涙が、僕達を慰めるために、雨になって僕達を濡らしているんだよ」
↑ 素敵な言葉だと思った。
だけど、生徒ってそんなものなんだ。教師は特別な存在でもないし、友達でも何でもない。ただの通過点に過ぎないんだなって。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?