『ロマンス小説の七日間』
三浦しをんさんの作品。
ロマンス小説と現実世界を行き来するという不思議な設定。
翻訳作家のあかりが主人公。
あかりがロマンス小説の筋書きを自分なりに変えてしまうところが非常に面白い。
あかりのお父さんもとても面白い。
神名を見ていると「本当に大丈夫なのか……」と心配になってしまう。
ロマンス小説のヒーロー、ヒロインは、どうしようもない些細なことですぐ喧嘩するのだ。
「恋」という言葉から一般的にイメージされる「純粋な気持ち」なんて、中学生の恋愛ぐらいしか存在しないもん。
真夏にもくっついて眠れるように、クーラーは発明されたんだろうか。便利さはいつだって、どこか滑稽だ。そして滑稽さはいつも少しの哀しみを帯びる。
パピコは小学生の友情を象徴するアイスだ。
それはつまり、セックスの快楽は基本的には、慣れによって生じるものだ、という事実を示す。たとえ愛が冷めても、惰性で一応の快感を得ることはできる。こんなものかな、と思いながら。通い慣れた家路を辿るみたいに。
共に過ごした時間の長さと、互いへの理解の深まりとが、必ずしも比例しないのはなぜだろう。
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