『イシイカナコが笑うなら』
額賀澪さんの作品。
ある日、教師になって10年目の菅野京平の前に、イシイカナコの幽霊が表れる。
イシイカナコは菅野の高校の同級生であり、センター試験後に自殺したのだった。
菅野はイシイカナコの「人生やり直し事業」に巻き込まれていく。
「人生やり直し事業」に参加しても、結局後悔が残ってしまいそうである。
私は、あまり参加したいと思わない。
「バタフライエフェクト」ではないが、さりげない行動や言葉の積み重ねによって今の自分が形成されていると思う。
印象に残った文。
息を吸うたび、空気じゃないものを無理矢理吸い込まされているみたいだ。
どうして自分の人生はこんなことになっちまったんだと後悔したとき、大体思い当たるのは受験・就職・結婚の三つなのだという。
後悔というのは、どれだけしても苦しさが和らぐことがない。同じ道を何度も何度も歩いて、そのたびに同じだけ傷つく。下手すると、傷の数や深さ、流れる血の量は、回を重ねるごとに増えていく。
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