『両手にトカレフ』

ブレイディみかこさんの作品。

薬物依存とアルコール依存である母親を持つミア。図書館で偶然金子文子の本を読み、自身の境遇と重ねていく。


日本とイギリスでは昼食の制度や小学校の下校の方法なども異なり、新しく知ることが多かった。

子どもは親を選べないというが、今後ミアが立派な大人になっていってほしいと感じた。

ラップのリリックを作るのは、難しそうだと思った。


印象に残っている文

ゾーイはここに出入りするようになって、世の中には二つのタイプの貧しい人がいると知った。一つ目は、自分や、自分の住む団地の人々のように、貧困なんてできればしたくないのにそこから逃れられない人たち。そしてもう一つのタイプは、貧困家庭に生まれ育ってなんかいないのに、思想のためにあえて貧しい生活をすることを選んだ人々だ。

こんな母親、私は選ばなかった。もし子どもに親が選べるのなら、私は彼女なんか選ばない。

中学生の恋愛事情は忙しい。告白してつきあって、一週間ぐらいで別れてまた別の誰かとつきあう。そんなことの繰り返しだ。つきあう行為より、つきあっていると宣言したり噂したりすることを楽しんでいるような感じだ。

「あなたはもう何もしなくていいの。見ないふりをせずに、言い訳をせずに、何かをしなくてはいけないのは大人たちのほうだから」

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