『よるのばけもの』
住野よるさんの作品。
最近個人的にはまっている。
夜になるとバケモノになる「僕」と、 クラスでいじめられている「矢野さん」。
2人は夜の学校で「夜休み」を楽しむ。
物語を読んでいる途中に、矢野さんの印象がガラリと変わった。
初めはただ「不気味な人だな、怪しい人だな」と思っていた。
読み進めていくにつれ、彼女は人間味あふれる人だということに気付いた。
「いじめはこのようにして起きます」とわかりやすく表現された作品であると思う。
この作品を読んだ大人は、自分もこんな思いを抱いたことがあるなと共感するだろう。
思春期特有の、学校特有のあの雰囲気が淡々と描かれている。
私は、この作品の最後の一文が好きである。
この日の夜、久しぶりにぐっすりと眠ることが出来た。
その他に印象に残った文。
保健室のドアが開いた瞬間の匂いが好きだ。消毒液の匂いのことじゃない。鬼ごっこをしていてセーフゾーンに入ったような、ふわついた匂いがする。
↑ 保健室に入った時の安心感。
皆が名前くらいは聞いたことがあって、でも有名過ぎず、流行っているけれど全員が聴いているわけではないアーティストの名前をあげた。
↑ なるほど。
教室という空間で、クラスという空間で、仲間意識という空間で、教師や大人がどれだけ部外者かってこと。
↑ 子どもからすれば、「大人にはわからないだろう」と思ってしまう。
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