『あのひとは蜘蛛を潰せない』

彩瀬まるさんの作品。


 柳原さんはとても良い人だなと思っていたら、まさかの虚言癖のある人だった。
頭痛持ちではないため、バファリン女のような頭痛薬依存がとても怖いと感じた。
保護者と子どもの関係性がいかに重要であるかを学んだ。虐待などはもってのほかであるが、梨枝のように母親からの「みっともない女になるな」という言葉に苦しめられる人もいる。保護者としては何気なく言った言葉であっても、子どもはそれをいつまでも覚えていることもある。自分も気を付けなければならないと感じた。

「もし食あたりだとしたら、下痢止めは飲まない方がいいです。下痢や吐き気は、身体が毒素を外に出したがっているから起こる反応なので。」
「ただでさえおにぎりは海藻でくるまれてんのに、具まで海藻って、なんか損した気になりません?」
職場が遠いわけでもないのに家を出たいなんて、私は遊びたいですって言ってるようなもんよ。
ほうれん草が六十九円の町なら、一人でもなんとかやっていける気がしてきた。
「あの「私のどこが好き?」って、すごく困るんですよね。なに言っても怒られるし」
「店長は、電車でお年寄りに席をゆずるタイミングで困るタイプでしょう。俺はね、そういうややこしいこと考えるのイヤだから、はじめっから立ってるんです。どんなに席が空いてても、絶対に座らない。でも世の中がそういう人間ばかりになったら、誰もお互いにしゃべんなくて、野垂れ死にも増えて、たぶんうまく行かないんだと思いますよ」

↑ 終盤にしか出てこない宮崎さんの言葉がとても印象に残っている。

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