『島はぼくらと』

辻村深月さんの作品。
瀬戸内海にある冴島に住む4人の高校生の物語。

島から高校に通っている生徒は、フェリーの時間に間に合わないため部活動にあまり参加できないというのが可哀想だと思った。
赤羽環さんは行動力があって実力もあって、とてもかっこいいと思った。
元木さんがまさか医師免許を持っているとは思わなかった。
衣花が村長になった島はどのように変化してくのか楽しみだ。

印象に残っている文

島で言う“Iターン”は、行為を指すのではなく、立場を指す。「あの家は、Iターンだから」というように。

「仲良くしたくてもどうしたらいいかわからなくて、上からしか話ができない人もいる。ーーどうして相手が自分の話に靡かないのかもわからない。わからないから、自分をよく見せる話を重ねてしまって、それがさらに距離を遠ざける。そんな感じなのかもしれない」

人の中に入り込むことと、自分の庭に人を入れること。人に、自分の中に入ってきてもらうこと。それはたぶん、どちらも等しく時間が必要で、そしてまた時間だけではどうにもなるないものでもある。

そうか、と気づく。“いってらっしゃい”は、言いっぱなしの挨拶じゃない。必ず、言葉が返ってくる。

「好きなことを続けるためには、好きじゃないこともたくさんやっといた方がいいよ。たとえ、それが無駄に思えるにしろ。いずれ、感謝する時もくるかもしれないから」

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