高専ロボコン~それは日本最古のeスポーツ!?~

こんにちは。来週からSFLとBPLの掛け持ちになりそうな”観るe”あでりーです。SFL2022が始まったときもそうだった気が。

みなさん、そもそもeスポーツって何だと思いますか?JeSUの定義を引用してみます。
https://jesu.or.jp/contents/about_esports/

「eスポーツ(esports)」とは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉(後略)

それでは日本で最も古くから続くeスポーツとは何でしょうか?League Of Legendsのリーグ?2014年からです。ストリートファイターの大会?世界的に見てもEVOは1995年からです。音楽ゲームは?KACの前身のBEMANIトップランカー決定戦でも2005年です。いやいや、今年で35回目を数え、電子機器を使って熱い戦いを繰り広げる大会があるじゃないですか。そうです。高専ロボコンです。ゲームでの戦いではない?いやいや頭が固いっスよ~。

では記憶の範囲だと第4回~第5回くらいから観ている1ファンとして、eスポーツ!?としてのロボコンの魅力を語ってみたいと思います。

1.毎年課題が変わる
リアルスポーツとの比較として、リアルスポーツがある程度種目・ルールが固まっているのに対して、eスポーツは毎年のように新しいタイトルが出たり、バージョンアップ・調整により常に状況が変わりうることをよく言われます。スポーツ比較論としては否定的に語られがちな話題ですが、一方で常勝を許さない、常に競技シーンやメンバーが変遷するという面ではプラスに捉えることもできます。
高専ロボコンは毎年課題が変わります。ロボット開発という面では毎年新しいテーマが高専生に与えられることによってロボット開発における課題解決力を試されるわけですが、こと観る側にとっては各チームがどうやって課題をクリアしてくるのか、どんな試合を魅せてくれるのかワクワクしてしまいます。

2.チーム戦でありながら1対1の対戦形式である
eスポーツにも色々な形式がありますが、日本人がマクロとしては浪花節的な人情としてのチーム戦に気持ちを乗せながらも、ミクロな対戦としては1対1の対決を観やすく感じているのではないかという話は以前書きました。

ロボコンは操縦としては1チーム3人、もっと言えば最近はロボット開発のプロジェクトに関わるメンバーも画面上に紹介されるようになりました。負けては肩を震わせ、勝ってはチームのメンバーや恩師への感謝の言葉とともに涙を流す姿にファンは毎度のこと感動を覚えます。
しかしながらロボコンは(コロナ禍下の2020/2021年の大会を除き)1対1の戦いを基本としています。すなわち対戦プレイヤーとしては2台しか出ない。一騎打ちの形式は注目ポイントがわかりやすく、ロボット1体1体にじっくり注目することができます。

3.ロボットごとの個性がある、しかも個性は出場者によって産み出される
(例えばPUBGのように)全てのプレイヤーが同じ状態から始まるものもありますが、多くの競技では選手がキャラクターを選択し、フラットではない状況からプレーが開始されます。リアルスポーツでも競馬・乗馬やモータースポーツはもちろん最近ではウェア・シューズ等に注目が集まることがありますが基本的には条件は平等であり、キャラクターの選択はかなりリアルスポーツにはない要素といえます。もちろんプレイヤー自身に得意・不得意があり個性が出るのはリアルだろうとeスポーツだろうと同じです。
ロボコンはキャラクター選択どころか、そもそも競技するロボットは出場者自体が作り上げます。もちろん予算・大きさなどのレギュレーションはあるのですが、観ている方には分かりますがロボットごとの個性はFIマシン同士の差異はおろかeスポーツのキャラクターの個性を大きく凌駕します。そもそも同じ競技ながらどんなロボットが出てくるのか分からないという面は最早どんなスポーツもかないません。

こうしてみると、高専ロボコンはeスポーツ的、むしろ一歩先を行っていると言っていいでしょう(過言)。もちろん上記に挙げた魅力には1つの競技への戦い方が熟成しない、個性の差がありすぎて試合の先が見えてしまう等の欠点があります(ちなみに私も「準々決勝以降は添え物!」と言っています)。しかしながら声を大にして言いたい。私たちはeスポーツに勝敗だけを求めてるんでしたっけ。対戦から産み出される人間ドラマ、そして個性の輝きが観たいのではないですか。

そして、ロボコンには大会優勝より栄誉とされる「ロボコン大賞」があります。ロボットコンテストとしてロボットの開発力・発想力と実現力を大きく称えるとともに、私たちeスポーツファンからみると素晴らしい個性を作り上げて、勝敗に関わらず心震わせる名勝負・グッドパフォーマンスを魅せてくれたチームへの最大の賛辞でもあります。そういう意味ではロボコンも、最後の最後まで目が離せないのです。

というわけでeスポーツファンなら、ロボコン絶対ハマります。ぜひ観てください、昨今は地上波放送はダイジェストで短くなりながらも、代わりに本大会がライブ配信・全編ノーカットで観ることができる素晴らしい時代なんですよ。


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