note企画参加ーー創作BL小説

note企画に参加です。
初売りーーという事で初の有料記事です。

昔一次創作のBLの漫画とか小説を書いていました。
昔の作品です。

基本的に明るめの作品を描いていましたが、これは暗いヤツです。
色んな意味で閲覧注意です。
これは売ってる本人が言っちゃダメなんですが、下手です。昔描いたものだし、小説の規則とか全く守られてないです。

便宜上章節分けてありますが、サブタイトルはついてないです。


狂った理由(わけ)


1.


「お昼のニュースです。
1週間前の7月12日14時30分頃、福井県○○市の△△銀行で起こった、行員とその場にいた客、合わせて15名をナイフと散弾銃で殺し、逃走した容疑者の手がかりは依然として掴めておりません。
現場には遺留品も全く残っておらず、捜査は難航しております。
また、12日から行方不明になっている山口陸(りく)君14歳がこの事件に巻き込まれた可能性が高いと見て、警察では失踪前後の陸(りく)君の足取りを追っています。」

テレビから、短いニュースが流れる。

『もうお昼か・・・。』

山口 陸(りく)はぼそっと呟いた。

『あれから、1週間経ってたんだ。じゃあ、今日は19日か。
来月は誕生日だから15歳だ。
誕生日には家に帰れるのかなぁ・・・。』

虚ろな瞳で部屋の中を見回した。

真っ白な壁、窓の無い部屋。フローリングの床。
全く生活感のない綺麗で無機質な部屋。

鉄パイプで出来た簡易ベッド。
身に着ける物を一切与えられていない彼は全裸でその上にうずくまりながら、部屋を見回す。
部屋の壁から1本の鉄のパイプが剥き出しになって天井へと延びている。
そのパイプから伸びた長い鎖はリクの右足首に繋がっている。
まだ成長しきっていない華奢な少年の体。細い足首から重々しく伸びる鎖。


この鎖の長さがリクの生活範囲だった。
そんなに不自由はなかった。
部屋に付いているトイレにも行けるし、そこにあるシャワーも浴びることができる。
部屋の真ん中にドンと置いてあるテレビを操作することもできるし、部屋の照明を消す事だって出来る。


しんと静まり、テレビ以外の音が全くしないこの部屋。
テレビからの情報で、今日が何日なのか、今が何時なのかが辛うじて分かる。

ぎぃぃい。

リクが唯一届かない、この部屋の外へ出ることの出来る扉がゆっくりと開いた。

リクの体がびくっと硬直した。

『ヤツが来た』

自分を閉じ込め、恐怖と絶望の淵に追いやった男が!!

ここから先は

9,081字

¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?