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良い仕事ができるとき、そこには調和が存在する

仕事というものは、タッグを組む相手との相性というのが肝となる。
フィーリングが合い、共通の趣味などがある場合には、話ははやい。

私がこれまでに仕事をしてきた方で、
web構築をお願いしていたパートナーだった方が素晴らしかった。

私はプランニングとディレクション。
その方はデザイン・構築担当。

この5年ばかり、ふたりでタッグを組み、
クライアントの予想を上回る提案をあげ、実現することができた。

なぜこのような良い結果を出し続けることができたのか。
それは、私とその方は年齢差が5~6歳ありながらも、
共通項として「バンド経験」があったから。
(好きな音楽ジャンルにも共通項があり、
またお互い若かりし頃には相当なやんちゃものであったことも
影響したと思う(笑))。

ある程度のところまで固めたら、
互いに「あとはお任せ」というJAM ができたのだ。

そして、何よりも一番の肝となったのが、
互いが持つ仕事上での目的地。

私も、パートナーさんも「相手の予想を上回る提案」というものを
持っていた。
(これはある時、仕事術の話を外出先の道中で話していて、
共通していることがわかった!)

例えば、数年前に手掛けたダイカスト工場のwebサイト。
クライアントさんからは、
「とにかく若い子がサイトをみたら、
”かっこいいな”と思えるものにしてほしい」
という要望が出されていた。

さてどうしたものか。
正直なところ、
工場は新しくなくて機械類もさびや汚れが目立ち、
決してきれいとは言えない。
大きなマシーンがあるわけでもなく、
いまいちダイナミックさにかける。

しかし、パーツで工場内を切り取ると、
ひとつひとつの機械の動作は定期的で、
かつ動きは整列制御されていて、
刻まれる機械音もテクノベースに聴こえてくる。

下見で撮影をした画像カットと動画を
パートナーさんと二人でじっと眺め、
見えてきたカラーは、
ダイカストのシルバー色と、
機械類の塗装に使われていたブルー。
なので、メインカラーはこの2色。

要のトップページは、
やっぱりマシーン類をもってきたいよねという話になるものの、
工場前景を正面から撮影した画像をつかったって、
何の面白みも鋭さもない。

動画を何度も見直しながら、
この定期的に鳴り響く機械音を連想させるトップページ、
そんなものを創れないだろうかという話になった。

そこで、横からの真正面で切り取るのではなく、
マシーンが動いている様子が見られるように、
工場内を上から俯瞰したカットをつかうべく、
ドローン撮影をすることにした。

さほど大きくないダイカストのマシーンが何台も並ぶ工場内に、
ゆっくりとドローンを飛ばし、上から俯瞰したカットで
それぞれのダイカスト製造マシーンを撮影。

それぞれが不規則な動きでありながらも、
実は同じ動きを終日繰り返しているというマ
シーンの無機質さを表現するべく、モノトーンで撮影した。

この時のイメージ構想で役立ったのが、
今では懐かしいMTVの記憶。
私がこのとき出したイメージは、懐かしのバンドDEVO 。
もちろんパートナーさんは音楽に詳しい方なので、
すぐに内容をキャッチ。

変わりないリズムで繰り返される動画に、
部品を切断するほかの機械のアップ動画を
定期的に差し込んでくれた。

実際の出来上がりサイトには
もちろんBGMはついていないのだけれども、
そのトップページを見ていると、
動く機械音に合わせてリズムが聴こえてくるから面白い。

こういう、感性を響きあえる方との仕事は、本当に興奮する。
良いものを創るには、まず互いの信頼が第一。

私がプランした内容が固まり、
それをデザインしているときのパートナーさんのしぐさがまたにくい。
バンドマンということもあるからか(ギタリストさん)、
キーボードでエンターを決め打ちするとき、
キーを打った後にYoshikiのように右手が空へ浮くのである。
さながら楽器の演奏のように(笑)。
カッコよすぎる!(笑)

だいたいそのしぐさが見えてくると、
あ、ノッてるんだなということがわかり、
「できたよ~」
という声がけが待ち遠しくもあった。

残念ながらその方とはこれから先、
先方の会社都合があって一緒にタッグを組むことが
難しくなってしまったのだが、
また機会があったらぜひ、ぜひ、
一緒に組みたいと思ってる。

JAM Sessionができる仕事のパートナー、
みなさんはいらっしゃいますか?
巡り合えたら、
それは運命のビジネスパートナーだと思います。



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