見出し画像

まずは「予算」を「自分」で決めないといけない話

今回は予算をしっかり決めることが大切で、それは自分で計算することを強くお勧めしますという話です。

予算が大事

当たり前といえば当たり前かもしれませんが、より高い物件の方がよりいい家のことが多いです。

一方ここ数年、特に都心エリアは物件価格がかなり上昇しています。そのため最初の何も知識がない段階で希望条件をとりあえず列挙すると、それを全て満たす物件は実際に買える金額からかなり解離しているということも多いかと思います。

予算をまずはっきりさせてないとより高いものを買わされるし自分としても買いたくなってしまう、一方で周りにストップをかけてくれる人はいないので相当無理してることに気がつかず買ってしまう。なんてことはよくあるかと。

もちろん何にどこまでお金をかけるかはその人の価値観や生活スタイル次第なのでそこは自由なのですが、事前によく考えずに無理のある金額のものを買って生活が苦しくなっては何のために家を買ったのかわからず本末転倒かと思います。是非予算はしっかり考えてから物件探しに挑むことをおすすめします。

予算は自分で決めないといけない

とはいえ予算決めって難しいですが、手軽に一般論やアドバイザーの意見から決めようとせず頑張って自分で決めることをお勧めします。

労力かけずに予算を決めようとする人が取る方法としてはこんなところでしょうか。

1. 「年収 住宅ローン 目安」で検索
2. FPに相談
3. 不動産会社か銀行に相談

1. 「年収 住宅ローン 目安」で検索

年収の何倍を目安にしましょうとか手取りの何%を目安にとかありますが、家族構成やライフスタイルなどで支出が人によって当然違うので、収入だけから考えても正直あまり役には立たないです。

2. 不動産会社か銀行に相談

あなたの年収・年齢・属性なら大体これくらいまで借りられるというのはぱっと教えてくれると思いますが、借入限度額=無理なく返せる額ではないのであまり予算決めには意味がないかと思います。

大体その年収でしたらこれくらいの予算にされる方が多いですという話はしてもらえるかもしれませんが、不動産屋も銀行もできるだけ高い物件を買ってもらった方が利益がでるので、そこは頭に入れておいた方がよいかと。

3. FPに相談

あるいは不動産屋や銀行からFPを紹介され、無料でライフプランを組んでくれることもあるかと思います。

ただ無料ということはその分の人件費は紹介側が払っているわけで、やはりより高い物件を勧める方向になりやすいことは頭に入れておくべきです。

有料FPを自分で探せば利害関係のない観点から計算してくれます。
ただ自分は最初の頃に有名なFPの方が書いている住宅ローン関連の本を読んだのですが、今読み直すと不動産にもローンにも最新動向にあまり詳しくないしで、正直役に立たないなと感じました。良い有料FPを探す必要はあると思います。

多方面に相談して総合的に判断

あるいはいろいろなところに相談してみて、それらを総合的に考慮しながら最後は自分で数字を計算して決めるというのは賢い方法の一つかと。

予算の決め方

自分で頑張って計算することを強くおすすめします。高い買い物なので。
一例として簡単にできる計算方法を紹介します。

毎月の収支を計算する

1. エクセルなどに今の毎月の収入と生活費と貯蓄額を記入する
2. (住居費抜きで)将来は毎月これくらいになりそうというのをざっと見積もってみる
3. そこから毎月住居費に大体これくらいかけられそう。最大でもこのくらいという額を把握する。

ライフステージが変わったばかりで生活費が安定してない方や将来の価格がわからないという方は、世の中の平均値をさっと調べてそこから自分の額を大体でいいので計算してみると良いと思います。

もちろんFPと相談し、それを参考に自分で再度計算しなおしてみるというのは上手なFPの使い方かと思います。

物件価格に変換する

毎月支払える額を計算したらそれを物件の目安価格に変換しましょう。お勧めの流れを載せておきます。

1. 管理・修繕積立費の目安額を月額の住居費から引く
2.  シュミレーターを活用して目安額を把握する
  2-1. 返済期間を入力
  2-2. ローン金利を入力 (複数パターンで試してみると良いです)
  2-3. ボーナス払い、頭金は0に
  2-4. 購入希望物件価格をグリグリ動かして月々の支払い額が一致するところを探す
3. 頭金があれば頭金をその購入希望物件価格に足す。

例えば住居費が月15万円返済期間35年の場合、以下のようになります。

1. 管理費等を2.5万円として12.5万円をローン返済に当てる
2. シュミレーターで12.5万円になるのはどれくらいの額か調べる
  a. 現在の変動金利0.38%の場合 
  →4910万程度
  b. 現在のフラット35の1.32%の場合
  →4240万円程度
  c. 中間の0.85%の場合
  →4520万円程度

この人の場合、

・4240万なら無理なく買えそう
・4520万円を希望価格のレンジの中心くらいにしておくと良さそう
・4910万を超えると危険そう

というのが見えてきました。10%程度の諸費用を除いてもなお現金があって、頭金を入れる予定という人はその額をさらに足してください。

これより安い分には当然問題ないのですが、変動金利は当然上がる可能性があるので、最大でも月額15万まで頭金は0という人が4910万円を超える物件を買うのは相当リスクが高いというのは見えてくるかと思います。

数字を少しずつ修正していく

このやり方である程度目星をつけSUUMOで検索してみて、良さそうな物件が見つかったら、その実際の管理費・修繕積立金を元に毎月いくらになるか再計算してみるといったようにサイクルを回していくと良いかと思います。

時間方向の奥行きも考えて計算(オプション)

また、より精緻に出したい人は変動金利の上昇や自身の給与の変動、ライフプランなども加味しながら考えていくと良いかと思います。我が家は定年までの年単位でのライフプランシートをエクセルで作りました。

変動金利の上昇はとりあえず、5年で0.25%ずつ上昇、0.1%ずつ上昇、現在の固定金利の3パターンで考えてみると良いかと思います。(詳しい話は金利に関する記事にて)

リスクと快適性のバランス

頭金0で最大月額15万の人が4910万円は危険というのは間違い無いですが、では大体15万くらいと考えてた人が4200万なら絶対安全かというと当然そんなことは無いです。

何かしらの事情で働けなくなる可能性などもあるわけなので、その辺はリスクと快適性のバランスを適切に考えて決めると良いかと思います。

また、リスクをただ怖がるだけ/必要以上に怖がる人というのは損します。リスクに対する対策もどれだけ取っていけるかというのも踏まえながら考慮していく必要があると思っています。(この辺も詳しくは別の記事に)

まとめ

住宅購入の予算は自分で計算して決めるべきという話と、お勧めの計算方法を紹介しておきました。

また数字を正確に出すことはあまり大切ではなく、ある程度ライフプランの軸となる数字を持っておくと「実績が計画とこれくらいずれたから全体がこう変わる」というのがぱっといつでも出せて修正が効きやすくなります。

めんどくさがって「そういうのいいや」となってしまうタイプの人は特に不動産購入においては失敗/損する確率が高いかと。

是非一度自分で数字を計算して、予算を決めてください。


最後に本日の参考動画です。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?