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サンセットアワー 4月10日~365日の香水

サンセットアワー
今日は、これだと確信した。私に必要なのはサンセットアワーのように、何かがゆっくり終わる安堵感と、静かな回想、そういうものが今の私に必要。
だから、今日という日のテーマはサンセットアワーなのだと、考えた。
一日の”終わりが始まる時間”、内省を始め、どんな時間も過ぎることを残念に思うのか、ありがたく思うのかで、その日の自分を、その日の最も大きな感情を確認する。
昨日は嫌悪の感情が生まれた瞬間があり、そんな一日でも必ず終わってくれるということが、ありがたかった。

嫌悪の精神
「嫌悪の精神を持て。自分の嫌いなものを作らないこと」そういったのはココ・シャネルで、この言葉は私にとっても真髄。
大切にしている「エレガントな尊重」というあり方は、エレガントではないあり方への嫌悪からはじまったものだった。

自分の嫌いなものに遭遇するときはある。
相手に目を向けず「そういうものが嫌いな私」を見る。
昨日嫌悪した「そういうもの」とは嫉妬、欺き、不誠実、盗む、権威への依存。
そして、「そういうもの」を嫌悪する私を、私は好きだ。
一日が区切れている方、嫌いなものは一旦、自分の世界から追放できる。

映画「ビフォアサンセット」
詳細の説明は省くけれど、好きな映画の一つ。
男女が再会したとき、サンセットまでが彼らに許された時間だった。数時間が長いのか短いのか。
どうでもいい世間話をしていたらすぐに時間は過ぎていく。
同時に9年ぶりの再会にはどうでもいい世間話が互いに必要。
もしも、男女に無限に時間があったら、世間話の中に垣間見れる”本当に伝えたいこと”は、逆に浮上することもなく時間は浪費されただけかもしれない。
時間は流れていくからこそ、どちらにしても私たちに「始まり」と「終わり」という恩恵が巡るのだ。
その中で、サンセットは振り返りと自分に余白を創る時間なのだと思う。

sunset hour/gold field & banks/2021
あいまいな輪郭で一日をとらえながら、感情をみて、内省をして、自分は大丈夫、今の自分を好きでいよう、そういう心の変化そのもののように、この香りは柔らかく、ふんわりと変化していく。
トップノートは洋梨やマンダリン、スパイシー系も若干含むけれどあくまで”ふんわり”な香りの進行が続く。ラストノートでジャスミンと樹脂の浄化された香りが静かに余韻を奏で始める。
その時、香水が、「平気で盗む人だとわかって良かったじゃないか」と言ってくれたような気がした。

香り、思い、呼吸

4月10日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

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