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カヌー 6月8日〜365日の香水
オリンピック
夏季のオリンピックでカヌーが正式競技になったのは1936年のことだそう。
ナチス党政権下のベルリンが開催地だった。
わずか数年後に第二次世界大戦が勃発することを考えると、世界、特にヨーロッパは暗く不穏な空気に覆われていたのかもしれない。
それでも、人々は競技に熱狂し、アスリートは国を超えて高揚感や達成感を分かち合う。
戦いも平和も日常に溶け込んでいる、それはずっと変わらないことなのかもしれない。
カヌー
少し調べてみると、カヌーと一口にいっても簡単に定義できるものでもなく、地域によっても特徴やカテゴライズが微妙に異なるらしい。
丸太をくり抜いたもの、縫合式、いろいろあり縄文時代の日本にもあったという。アイヌにも独自のカヌーがあるそうだ。
太古、これを手漕ぎで遠洋をいったというのだから驚く。何に遭遇するかわからない山間をいくよりも、陸地を眺めながら行く海路は安全だったと何かで読んだけれど、ミクロネシア、ポリネシア、カリブ、どこだって島から島へ渡るにしてもすぐに陸は見えなくなりそう。
オーデコロン カヌーの世界
ベルリンオリンピックの都市にリリースされた。
ダナDanaは当時スペインの香水ブランドだったけれど面白いことに、ベルリン大会にスペインは不参加だった。これは開催地選定でバルセロナがベルリンに敗れたためという。
ダナのカヌー(フランス語読みではカノエ)のパッケージには鯉のぼりみたいにフラッグがはためいているから、やはりスポーツとしてのカヌーがイメージ世界なのだと思う。
ジャン・カールのカヌー
スポーツカヌーのイメージ、シトラスやグリーンの香りをイメージするけれど、現代ならグルマンノートと言っていいくらいバニラが際立つ。
名匠ジャン・カール(jean carles)の調香、したがってパチュリ、バニラ、スパイシーノートのボディは揺るぎない。
海と風と一体になった陶酔感を感じさせる。
カヌーの漕ぎ手しか味わえない感覚を、ジャン・カールが香水という形で私たちに味合わせてくれたようだ。
canoe/dana/1936
ラベンダーやクラリセージなどのハーブ、カーネーションやクローブのスパイシー感、表に出やすいこれらを全て隠し味にしてバニラノートが甘美に漂い続ける。現代のグルマンノートとの明確な違いは、ハーブやスパイシーノート、パチュリがスイーツ世界ではなく、幻想世界へ誘ってくれるところ。
海上の陶酔感。
ボトルの中で、競技カヌーの陶酔と太古の海路の移動というロマンが溶け合っているようだ。
香り、思い、呼吸。
6月8日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。
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