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ヴェニス 7月27日〜365日の香水


トマト
夏野菜といえばトマト。
トマトの青みのあるすっきりした香りと柑橘系の香りで、夏らしい香水がディプティック(diptyque)のヴェニス(venicie)。
ブランドの創業60周年にあたる2021年に限定品として登場した。

ノマド、アート、若い創業者たちのスタイル
1961年、パリのサンジェルマンデプレに店を構えた三人の若い創業者たち。それぞれがインテリアデザイナー、画家、舞台美術家というバックボーンを持ち、芸術的な試みと旅を楽しむ自由な雰囲気を大切にし自分たちらしいカルチャーの発信基地として、その場所を育んでいった。

対の大きなショーウィンドウ
今もだけれど大きな対のショーウィンドウがあることが34番地にある本店の外観上の大きな特徴だ。
ディプティックとはこのショーウィンドウを二幅対の絵になぞらえての名称だそう。
後年、個人投資家に買収されても、ディプティックの独特のスタイルとセンスは軽症されてきた。

創業60周年 アニバーサリーの旅
60周年を祝い、創業のイズムと言える旅をテーマにしたキャンドルや香水が限定で登場した。
ヴェニスはその中の一つ。
同時に数人の現代アーティストとのコラボがあって、悩んで諦めたけれど、心惹かれたのが杉本博司とのコラボだった。六角形の鏡面、ピラミッドのようなかたちの先端の部分を開けるとディプティックが作ったオレンジ系の香りが入っているというもの。
オレンジは杉本の江の浦測候所がミカン山であることに由来してるはず。
それは本当に魅力的な作品であるだったけれど、なぜだろう、置いておきたい場所が浮かばなかった。
あれはあれで、旅先で出会った景観のようなものだったのかもしれない。

未踏のヴェニス
行ったことがないけれど、ヴェニスという町は水上都市としての美しさ、夜にはセレナーデが聞こえるロマンティックさ、歴史や美術、一抹の不気味さを含んだ異世界感に彩られている。
行けばあまりの観光客の多さに雰囲気に浸るいとまもないくらいかもしれない。

venise/diptyque/2021
香調は冒頭の通り。
蒸し暑い時期でも心地よく使える。
この香りに、旅を愛した若い創業者たちの息吹を感じる。
ヴェニスの魔性や重厚な歴史文化を飛ばして、ゴンドラに揺れて心地よい風を感じる、そんな軽やかなヴェニスでの時間にスコープを置いた感覚がある。
トマトを含めたベジタブルなグリーンが、吹き出そうとするシトラスを程よく線練させている。
どう考えても、ヴェニスへの夏の旅である。

香り、思い、呼吸

7月27日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

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